下記の一覧表は特殊で難解な東洋医学用語、漢方用語並びに現在漢方医学の基礎を作られ、漢方医学の発展に
粉骨砕身の働きをしていただいた先駆者の名前、功績、書物を解りやすく説明しております。
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わ | ら | や | ま | は | な | た | さ | か | あ |
り | み | ひ | に | ち | し | き | い | ||
る | ゆ | む | ふ | ぬ | つ | す | く | う | |
れ | め | へ | ね | て | せ | け | え | ||
ろ | よ | も | ほ | の | と | そ | こ | お |
あ行 | ||
名称 | 解説 | |
曖気、噫気 (あいき) |
曖気、噫気は胃内部に溜まって口から出るガス、 つまりゲップを指します。 参考・・・噫気、曖気は別名でおくびとも言われます。 |
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青い風邪 (あおいかぜ) |
青い風邪は陰証の人の風邪を言います。 青い風邪の症状は寒気、ゾクゾク感が強い、青白い顔色、 熱が今にも出そうな場合や熱はあるが熱の自覚症状が無い、 脈は沈、遅、弱などで脈に力が無い等の症状が青い風邪に 診られます。 青い風邪の症状は虚弱体質、小児、老人に診られます。 |
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青そこひ (あおそこひ) |
青そこひは緑内障を指します。 参考・・・昔から日本では目が見えなくなる病気を「そこひ」 と呼んでおり、一般的に「青そこひ」は緑内障、 「白そこひ」は白内障、「黒そこひ」は黒内障をこう言います。 |
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赤い風邪 (あかいかぜ) |
赤い風邪は陽証の人の風邪を言います。 赤い風邪の症状は高熱、悪寒、口渇、咳嗽、風邪による関節痛、 脈は浮、数などの症状が赤い風邪に見られます。 |
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悪瘡 (あくそう) |
悪瘡は皮膚病の一種で湿疹、出来物、ただれ、腫れ物よりも 性質の悪い悪性の皮膚病、腫瘍などの症状をこう言います。 |
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浅田宗伯 (あさだ そうはく) |
浅田宗伯翁(1815年生まれ~1895年没) 江戸時代後期から明治時代に活躍した漢方医で 「栗園(宗伯)の前に栗園なく栗園の後に栗園なし」と 言われる程、明治期の漢方薬普及を促した漢方医です。 浅田宗伯はフランス公使レオン・ロッシュ、大正天皇の病気を 治療し治癒させた事で大変有名です。 (浅田宗伯は幕府医官になっているので大河ドラマで有名な 「天璋院 篤姫」も診察したかもしれません。) 彼の代表作は「勿誤方薬室函口訣」、「古方薬議」など 多数の著作物があります。 浅田宗伯はに属し、折衷派の代表とされています。 又、浅田流漢方と呼ばれる彼独自の漢方処方を創作しました。 余談・・・・「浅田飴」は彼の考案作で同郷の堀内伊三郎に伝授し 、堀内伊三郎が浅田宗伯の功績にちなんで「浅田飴」と命名し、 息子の堀内伊太郎に手により販売されました。 |
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浅田流漢方 (あさだりゅう かんぽう) |
浅田流漢方は浅田宗伯が創作した漢方処方や浅田宗伯が考えた 漢方理論を浅田流漢方と呼びます。 浅田流漢方の特徴は ① 古方派を基本処方とし、後世派を補佐として構成しています。 ② 三陽三陰に基づき漢方処方を決定している。 ③ 彼の書物(勿誤薬室方函口訣)に日本生まれの漢方(本朝経験) の処方が数多く記載されています。 ④ 傷寒論、和剤局方などに記載されている漢方処方の生薬を独自の 判断で変えたり、加減方を用いたりしています。 (例:原典の安中散より乾姜を去り、縮砂を加えています。) ⑤ 浅田家独特の漢方処方を用いています。 (例:加味八脈散、明目地黄丸、如神散など) ⑥ 一部の生薬の量を少なくしています。(甘草、黄連など) 等が浅田流漢方の特徴です。 |
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圧診 (あっしん) |
圧診は切診の一つで身体を押しながら痛み、しこり、筋肉の緊張感の 有無を確認する方法です。 参考・・・圧診は素人、薬剤師が行えば医師法に触れる恐れがあります。 |
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有持桂里 (ありもち けいり) |
有持桂里(1785年生まれ~1835年没) 江戸時代中期の漢方医で阿波の国に生まれ青年期に京都に上り禁裏の 内親王の侍医となります。 有持桂里は折衷派に属し代表作に「方輿ゲイ」、 「校正方輿ゲイ」があります。 |
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い行 | ||
名称 | 解説 | |
痿 (い) |
痿は麻痺を指します。 痿の治療に用いる漢方処方は痿証方、八味丸、烏薬順気散、疎経活血湯 などが用いられます。 |
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胃気 (いき) |
胃気は胃腸の機能を指します。 胃気が正常の場合は飲食物を消化し栄養分を吸収します。 胃気が正常でいれば体内で元気、精気の元が作成されます。 |
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痿弱 (いじゃく) |
痿弱は運動麻痺をこう呼びます。 痿弱の治療に用いる漢方処方は痿証方、八味丸、烏薬順気散、疎経活血湯 などが用いられます。 |
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溢飲 (いついん) |
溢飲は四飲の一つで水毒が原因で起こる症状で手足や関節に水が溜まり、 その水が汗になって出ず、そのむくみが身体を重くして関節痛の 原因になります。 金匱要略では溢飲には大青龍湯、小青竜湯が良いと記載されています。 溢飲の他に縣飲、痰飲、支飲などの水毒症状も金匱要略に見られます。 参考・・・金匱要略、痰飲咳嗽病篇に 「飮水流行、歸於四肢、當汗出而不汗出、身體疼重、謂之溢飮。」 「水分が身体全体に流れ巡りて、汗が出そうで出ず、身体が重い。 これを溢飲と言う。」と記載されています。 |
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胃内停水 (いないていすい) |
胃内停水は水毒症状の一種で、身体を揺らすと胃のあたりから水の音が 聞こえる症状を言います。 胃内停水の診られる人は胃腸虚弱の人に診られます。 胃内停水の症状改善に用いられる漢方処方は健胃と滋養強壮作用のある 人参と、利尿作用と胃内停水解消作用のある茯苓、朮を組み合わせた 四君子湯、人参湯、六君子湯、真武湯、茯苓飲などが用いられます。 胃内停水は別名で心下振水音とも呼ばれます。 参考・・・胃内停水は胃腸が正常な人でも食事の直後には診られます ので時間を空けてから確認をします。 |
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異病同治 (いびょうどうち) |
異病同治は2種類以上の異なる病気を患っている人に一つの漢方処方を 投与して2種類以上の病気を治療する事をこう言います。 西洋医学はその病状に適応する薬を何種類も投与しますが、 漢方処方は出来るだけ1種類の漢方処方を用います。 例えば・・・Aさんは生理痛がひどく、蕁麻疹が出やすく、貧血があり、 口内炎が度々出る場合は温清飲を用います。 例えば・・・Bさんは肥満で高血圧で糖尿病で脂肪肝で便秘を伴う 場合は大柴胡湯を用います。 |
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いもがさ | いもがさは天然痘の昔の呼び名です。 参考・・・いもがさは別名で「痘瘡」、「もがさ」、「疱瘡」 とも言われます。 余談・・・奈良時代の貴族である藤原不比等の4人の息子 (藤原四兄弟)は「いもがさ」が原因で病死しています。 他にNHKの大河ドラマ「独眼竜正宗」で有名な伊達政宗も幼い頃に いもがさを発症し右目を失明しています。 |
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飲(いん) | 飲には2つの意味があります。 1番目の飲の意味は東洋医学では胃に入った水分が中焦の虚弱が原因で 痰に変わると考えられています。 痰には粘い痰と水のように薄い痰があり、粘い痰を「痰」と呼び、 水のように薄い痰を「飲」と呼びます。 次に2番目の意味は痰飲と同じ意味で水毒が原因で起こる症状を こう呼びます。 |
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陰液 (いんえき) |
陰液は人間の体内、体外にある津・液・精・血を総じてこう言います。 陰液の代表的なものとして血液、精液、リンパ液、汗、髄液、涙、尿、 唾液、浮腫などが挙げられます。 参考・・・陰液は陰気に属します。 |
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陰気 (いんき) |
陰気を簡単に言えば陰の働きをする気をこう言います。 陰気は主に津液・精・血液を指し、性質的には寒、冷えを伴い 夜に活動がピークを迎えます。 そして陰気は下(下半身)に集まる習性があります。 参考・・・陰気の反対は陽気です。 |
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陰虚 (いんきょ) |
陰虚は人間の体内にある「陰液」が不足して喉が渇く、肌が乾燥する、 乾燥した咳が出る、大便が硬い等の症状が出ます。 陰虚は陰証で虚証に当てはまります。 陰虚に用いられる漢方処方は麦門冬湯、滋陰降火湯、八味丸、麻子仁丸 等があります。 |
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陰邪 (いんじゃ) |
陰邪は寒邪、湿邪と同じ性質があり、寒邪、湿邪を長期に触れたり、 寒冷な飲食物を食したりする事により陽気が損傷し、気、血の流れを 悪くし、裏寒の症状が診られるようになります。 陰邪は寒に属している為下半身に進行し停滞しやすいです。 参考・・・寒邪、湿邪の他に燥邪も陰邪に属すると唱える人 もいます。 寒邪の反対は陽邪です。 |
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陰証 (いんしょう) |
陰証は八綱弁証の一つです。 傷寒論、太陽病上篇で 「病有発熱悪寒者、発於陽也。無熱悪寒者、発於陰也。」とあり、 発熱、悪寒がある病は陽の時に見られ、熱は無く悪寒がある時は陰の時に 見られると記載されています。 陰証は傷寒論では体内免疫力が病邪との戦いに敗れ、気力、体力が 低下しつつある状態を言います。 病邪側が有利な状態で体内免疫力は悪寒症状を発して抵抗している 場面です。悪寒の他に発熱はあるが熱さを感じない、元気が無い、 体力が無い、余り汗をかかずに尿の量、尿の回数が多い、顔は青白い、 脈は沈、遅、細、微などの症状が診られます。 陰証の場合は人参、乾姜、生姜、附子などの温剤、熱剤が配合された 漢方処方を用います。 参考・・・陰証の反対が陽証です。 陰証、陽証は急性病期(病邪が体内に進入して体内免疫力と闘いを 始めた頃,つまり太陽病期)に病邪の進行状況や病邪の勢い、 患者の体内免疫力の抵抗方法(発汗、高体温、口渇、便秘など)等を 様々な角度で観察し、陰証、陽証に分けて治療を行います。 傷寒論では病邪の侵入に抵抗できる状態を陽証と呼び、病邪の侵入に 抵抗出来ない状態を陰証と呼びます が、後世方の考え方は人間には「陽の気」と「陰の気」があり普段は バランスよく保たれているがどちらかに傾くと病気を起こすと 解釈しています。 |
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飲食労倦 (いんしょく ろうけん) |
飲食労倦は難経 四十九難曰に 「飲食勞倦、則傷脾。」「飲食労倦は脾臓を傷める。」 と書かれております。 同じく難経 五十難曰に 「飲食勞倦得之、爲實邪。」「飲食労倦は実邪と言う。」 と書かれております。 飲食労倦は名前と通り大量の飲食物の摂取や偏食、過重労働、 性行為の不摂生、ストレスなどが飲食労倦の原因と言われます。 |
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陰病 (いんびょう) |
陰病は身体の免疫機能が低下して病邪に対する抵抗力が低下している 身体状態をこう言います。 陰病の根本的な原因は「裏」の「寒」です。 「傷寒論」では身体が冷えて陰病になっている状態を「太陰病」、 「少陰病」、「厥陰病」と呼び、これらの病状を三陰病と称し、 三陰病に対して用いる漢方処方を記載しています。 陰病に用いられる生薬は人参、細辛、当帰、生姜、附子などの 温薬、熱薬がよく用いられます。 又、漢方処方では温薬、熱薬配合の人参湯、真武湯、四逆湯、 当帰四逆加呉茱萸生姜湯などの温法が用いられます。 参考・・・陰病の反対は陽病です。 |
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陰陽 (いんよう) |
陰陽は八綱弁証理論の頂点にあり、頂点の陰陽の下に 他の六証があります。 陰証⇒裏証、寒証、虚証が陰証に属します。 陽証⇒表証、熱証、実証が陽証に属します。 陰陽を医学的な部分で判り易く書けばこうなります。 生命力や体質が強い場合、病邪に対して抵抗力が強い場合は 「陽」となります。 生命力や体質が弱い場合、病邪に対する抵抗力が弱い場合は 「陰」になります。 参考・・・陰陽を細かく分けると下記の様になります。 陰⇒女、内、夜、下半身、内臓、抑制、背、血など 陽⇒男、外、昼、上半身、皮膚、興奮、腹、気など 参考・・・古代中国では陰陽のバランスが乱れた場合に未病になり、 未病を放置したり、治療を怠ると病気になると考えられてきました。 |
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陰陽説 (いんようせつ) |
陰陽説は古代中国の自然科学、哲学では「この世の全ての物や全宇宙は 二つの要素の光(陽)と影(陰)で構成されている。」 と考えられていました。 陰陽を表現すれば下記のようになります。 陰⇒女、内、夜、下半身、内臓、五蔵、抑制、背、血、地、静など 陽⇒男、外、昼、上半身、皮膚、六腑、興奮、腹、気、天、動など 参考・・・古代中国では陰陽のバランスが乱れた場合に未病になり、 未病を放置したり、治療を怠ると病気になると考えられてきました。 |
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陰陽五行説 (いんようごぎょうせつ) |
陰陽五行説は「陰陽説」と「五行説」が組み合わされて 陰陽五行説と言います。 古代中国の自然科学、哲学では「この世の全ての物や全宇宙は 二つの要素の光(陽)と影(陰)で構成されている。」 と考えられていました。 陰陽を表現すれば下記のようになります。 陰⇒女、内、夜、下半身、内臓、五蔵、抑制、背、血、地、静など 陽⇒男、外、昼、上半身、皮膚、六腑、興奮、腹、気、天、動など 古代中国では陰陽のバランスが乱れた場合に未病になり、 未病を放置したり、治療を怠ると病気になると考えられてきました。 次に五行説も古代中国の自然科学、哲学では「この世の全ての物や 全宇宙は【木・火・土・金・水】の五つの要素から構成されていると 考えられていました。 この五行説の考えを体内の臓器(五臓六腑)に当てはめて 応用されています。 五行の木=肝 火=心 土=脾 金=肺 水=腎を表しています。 参考・・・日本ではこの陰陽五行説が伝わった時、この考えを 後世派などは忠実に受け入れていましたが、この高度で難解な 理論よりは実用性重視の考え方や実用的な漢方処方を用いる方が 良いと言う古方派などの流派が江戸時代に興りました。 |
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う行 | ||
名称 | 解説 | |
温瘧 (うんぎゃく) |
温瘧は大塚敬節先生の書物によれば 「温瘧は熱感が強くて悪寒がない場合や悪寒の少ない場合を 言います。」と記載されています。 参考・・・タン瘧、牡瘧は温瘧と同じ症状を言います。 |
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うっ滞 (うったい) |
うっ滞は気、血、水などが体内での流れが悪くなりとどこおる 事を言います。 (例 気が滞る、血が滞る、水が膝に滞る。など) |
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え行 | ||
名称 | 解説 | |
衛 (え) |
衛の参考・・・「素問」 痺論篇に 「衛者、水穀之悍氣也。其氣慓疾滑利、不能入於脉也。 故循皮膚之中、分肉之間、熏於肓膜、散於胸腹、逆其氣則病、 從其氣則愈。」 「衛は水穀の悍気で、この気は剽悍な物で、脈内に入る事が 出来なく、皮膚や肉体の中を駆け巡っています。 この衛に逆らえば病になり、これに従えば癒します。」 と記載されており、「衛」は防衛と言う意味があり、 衛の役割は水穀の力で臓器を温め、皮膚の保護、 外邪の侵入を防ぐ役割があります。 衛は腎陽で産まれ、それが脾胃で補充され、肺で全身に 送られます。 参考・・・衛は別名で「衛気」とも呼ばれます。 |
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洩瀉 (えいしゃ) |
洩瀉の「瀉(しゃ)」は下痢をする、吐くと言う2種類の 意味があります。 つまり洩瀉は下痢が洩れる、すなわち水様性の下痢便を こう言います。 |
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衛気 (えき) |
衛気の参考・・・「素問」 痺論篇に 「衛者、水穀之悍氣也。其氣慓疾滑利、不能入於脉也。故循皮膚之中、 分肉之間、熏於肓膜、散於胸腹、逆其氣則病、從其氣則愈。」 「衛は水穀の悍気で、この気は剽悍な物で、脈内に入る事が出来なく、 皮膚や肉体の中を駆け巡っています。 この衛に逆らえば病になり、これに従えば癒します。」 と記載されています。 衛気は「霊枢 営衛生会」によれば「飲食物が中焦の胃で分解されて その時に地の気が作られ、地の気と上焦の肺にある天の気が合体して 営気と衛気の2つの気が生まれます。」 「衛気は営気のように脈中を通らずに臓器を温めたり、 皮膚を保護したり、発汗したり、外邪の侵入を防いだり、 昼間は陽の部位を通り体内活動エネルギーとなり、夜は陰の部位を 通り鎮静作用を生みます。」と記載されています。 つまり衛気とは体表で体温調整、体表水分調整、外邪の体内進入防御 などの役目があります。 衛は腎陽で産まれ、それが脾胃で補充され、肺で全身に送られます。 参考・・・衛気は別名で「衛」とも呼ばれたり、 衛気は「陽」に属するので「衛陽」とも言います。 「霊枢」 衛気行によれば 故衞氣之行。一日一夜。五十周於身。晝日行於陽二十五周。 夜行於陰二十五周。周於五藏。 「衛気は24時間で全身を50周する。 日がある時間は陽の部位を25回、夜は陰の部位を25回 巡ります。 そして五臓を巡ります。」と記載されています。 |
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液 (えき) |
液は「霊枢」 五リュウ(※)津液別によれば 岐白曰。「水穀皆入于口其味有五。各注其海。津液各走其道。 故三焦出氣。以温肌肉。充皮膚。爲其津。 其流而不行者。爲液。」(※)リュウ=ヤマイダレ+隆 「食べ物は口から入って5種類の液(津液)になります。 この液は全身に送られます。 例えば三焦の気は筋肉、肌を温め、皮膚を丈夫にします。 この気を津と言います。又体内で流れる栄養物を液と言います。」 と記載されています。 参考・・・液と津は一緒に組み合わせて津液と呼ぶ事が多いです。 |
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疫癘 (えきれい) |
疫癘は病邪の中でも強力な流行性、伝染性を持った病邪が 体内に侵入し、短時間で身体全体に蔓延し、重い症状、 病気を引き起こす病邪を言います。 疫癘は主に天然痘、ペスト、マラリア、コレラなどを 指します。 参考・・・疫癘の他にも「風邪」、「暑邪」、「湿邪」、 「燥邪」、「寒邪」、「火邪」などがあり、 総じて「邪気」、「外邪」と呼ばれています。 |
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えつ(※) (※)口+歳 (えつ) |
口+歳(えつ)はしゃっくりを指します。 参考・・・口+歳(えつ)は別名で口+歳逆、吃逆とも 言われます。 |
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口+歳(※)逆 (えつぎゃく) |
口+歳(えつ)逆はしゃっくりを指します。 参考・・・口+歳逆は別名で口+歳逆、吃逆とも 言われます。 |
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衛陽 (えよう) |
衛陽の参考・・・「素問」 痺論篇に 「衛者、水穀之悍氣也。其氣慓疾滑利、不能入於脉也。 故循皮膚之中、分肉之間、熏於肓膜、散於胸腹、逆其氣則病、 從其氣則愈。」 「衛は水穀の悍気で、この気は剽悍な物で、脈内に入る事が 出来なく、皮膚や肉体の中を駆け巡っています。 この衛に逆らえば病になり、これに従えば癒します。」 と記載されており、衛の役割は水穀の力で臓器を温め、 皮膚の保護、外邪の侵入を防ぐ役割があります。 衛陽は「霊枢 営衛生会」によれば「飲食物が中焦の胃で 分解されてその時に地の気が作られ、地の気と上焦の肺にある 天の気が合体して営気と衛気の2つの気が生まれます。」 「衛気は営気のように脈中を通らずに臓器を温めたり、 皮膚を保護したり、発汗したり、外邪の侵入を防いだり、 昼間は陽の部位を通り体内活動エネルギーとなり、 夜は陰の部位を通り鎮静作用を生みます。」 と記載されています。 衛は腎陽で産まれ、それが脾胃で補充され、肺で全身に送られます。 参考・・・衛陽は別名で「衛」とも呼ばれたり、「衛気」 とも言います。 「霊枢 衛気行」によれば 「衛気は24時間で全身を50周する。日がある時間は陽の部位を 25回、夜は陰の部位を25回巡ります。そして五臓を巡ります。」 と記載されています。 |
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お行 | ||
名称 | 解説 | |
大塚敬節 (おおつかよしのり) (おおつかけいせつ) |
大塚敬節(1900年生まれ~1980年没) 大塚敬節先生は高知県で代々医業していた家に生まれ、医学校を 卒業後に父の後を継いだが、湯本求真先生の『皇漢医学』に 感銘を受け上京して入門し、やがて開業しました。 戦後に日本東洋医学会創立、日本漢方医学研究所を設立、 北里研究所に東洋医学総含研究所を創設し初代所長に就任など 生涯を東洋医学の発展と普及に捧げました。 余談・・・大塚敬節(おおつかよしのり)と読む場合と 大塚敬節(おおつかけいせつ)と読む場合があります。 大塚敬節先生は同じ土佐出身で植物学の権威である 牧野富太郎博士の治療を行っていましたが、牧野先生は薬嫌いで 殆ど口にされなかったと書かれています。 高知市に牧野富太郎博士の功績を後世に残る為に作られた 「牧野植物園」があり、薬用植物区の入り口に大塚敬節先生の 石碑があります。 私事でなんですが、私の漢方医学の恩師は大塚敬節先生の門下生で、 私自身も大塚先生の書物を参考に日々勉強中です。 |
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嘔気 (おうき) |
嘔気は吐き気、ムカムカ感をこう呼びます。 参考・・・嘔気とよく似た症状を悪心と呼ぶ場合があります。 |
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嘔逆 (おうぎゃく) |
嘔逆は最初にムカムカ感、吐き気があり、やがて嘔吐し、 その嘔吐が止まらない状態を指します。 嘔逆に用いられる漢方処方は五苓散、小半夏加茯苓湯が 用いられます。 |
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横痃 (おうげん) |
横弦は梅毒などの性病に感染した男性、女性の両足の太ももの リンパ節に炎症が診られる症状をこう言います。 参考・・・横弦は別名で「横根」又は「便毒」とも言われます。 |
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王燾 (おうとう) |
王燾(700年生まれ?~780年頃没?) 幼少の頃の王燾は身体が弱く、王燾の母親も病気がちで、 「自分の不幸の源である病を克服しよう。」と言う思いを幼き頃 より持ち、後年の彼を医学書編集の道に進ませたと思います。 後に彼は唐王朝の役人になり、彼が長期間勤めた台閣(弘文館) {今の国立図書館}に保管されている漢代から唐代の医書を整理編集 し全40巻、104門にまとめた「外台秘要方」を完成させます。 外台秘要方の特徴は外科、内科、皮膚科などの症状の項目が はっきり明記されている点と、引用されている文献の出典が明確に 記載されている点が信頼性のある資料として高く評価されています。 余談・・・『外台秘要方』の意味は《王燾が勤めていた台閣から 外れた場所で秘密裏に記述した書物》と言う意味があります。 彼自身は漢方の臨床医としての経験は全く無く、「外台秘要方」 の編集のみが彼の名声を現代に伝えており、「外台秘要方」 の重要性が確認できます。 |
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黄胖 (おうはん) |
黄胖は貧血や出血が原因で体内血液が不足して皮膚の乾燥、 生理不順、神経の乱れなどの症状が診られる事を言います。 この症状は主に痩せ型で顔色は青白く、ホルモン、神経の乱れが ある虚証タイプの人に見られます。 黄胖に用いられる生薬は当帰、地黄、川キュウ、芍薬が 用いられます。 漢方処方は黄胖に用いられる生薬が配合された当帰芍薬散、 四物湯、温清飲、温経湯、キュウ帰膠艾湯、十全大補湯 などが用いられます。 参考・・・黄胖に診られる貧血症状を別名で血虚、亡血 と言います。 |
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往来寒熱 (おうらい かんねつ) |
往来寒熱は太陽病期の悪寒と発熱の症状から少陽病期に病邪が 移行した時に見られる症状で、例えば朝に悪寒がして体温が 上昇するが、昼には悪寒が止み、発汗がおこり、 やがて解熱があるが、翌日には前日と同じ症状が起こり、 悪寒と発熱が交互に繰り返され、やがて陽明病期に入ります。 この場合には柴胡剤が良く用いられ、特に柴胡剤配合の 小柴胡湯が一般的によく用いる漢方処方です。 参考・・・往来寒熱の別名は寒熱往来です。 |
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悪寒 (おかん) |
悪寒とは厚着しても、又は暖房しても寒気が取れない状態を 言います。 悪寒は悪風より重い症状で、太陽病、少陰病に見られます。 参考・・・傷寒論、太陽病上篇に 「太陽之爲病、脈浮、頭項強痛、而悪寒。」 「太陽病とは脈が浮で、頭痛がして、うなじ、肩が凝り、 寒気がします。」と記載されています。 同じく傷寒論、太陽病上篇に 「病有発熱悪寒者、発於陽也、無熱悪寒者、発於陰也。」 「発熱があって、悪寒もある場合は太陽病です。発熱が無くて、 悪寒がある場合は少陰病です。」と記載されています。 つまりは「発熱と悪寒があれば、太陽病。」となり、 「発熱は無く、悪寒があれば、少陰病。」となります。 余談・・・大塚敬節先生は『「悪風」か「悪寒」のある場合には 下剤を用いてはいけません。』と述べられています。 |
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悪寒戦慄 (おかんせんりつ) |
悪寒戦慄は急に身体がガタガタ震えたり、歯がガチガチする程 の身震い(悪寒)があり、その後に38度以上の発熱が出る症状を こう言います。 悪寒戦慄の原因はインフルエンザ、マラリア、腸チフス等の ウイルス感染や肺炎、扁桃腺炎、腎盂炎などの臓器の炎症でも 診られます。 参考・・・悪寒戦慄は震えや身震いがありけいれん、ひきつけ症状 によく似ていますが悪寒戦慄の場合は意識がハッキリしており、 けいれん、ひきつけ症状とは全く異なります。 |
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おくび | おくびは胃内部に溜まって、口から出るガス、つまりゲップ を指します。 おくびは別名で噫気、曖気とも言われます。 |
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オ血 (おけつ) オ(やまいだれ +於) |
オ血は正常に流れているはずの血液や体液が、何らかの障害により 停滞している状態を言います。 オ血を確認するにはおへそ又はおへその周囲を指で軽く押すと、 抵抗と圧迫痛などがあればオ血症状と考えられます。 このお血が診られる場所を小腹硬満と言います。 オ血の症状は口渇、肌荒れ、肌の黒ずみ、神経症状、月経異常、 身体のほてり、便秘、眩暈、下肢静脈瘤、 うっ血、下腹部の緊張と圧痛などがあります。 又、打ち身、捻挫による皮下出血もオ血症状になります。 オ血症状の改善薬として実証から中間証では桃仁、牡丹皮、 大黄などが配合された桂枝茯苓丸、桃核承気湯、大黄牡丹皮湯、 通導散などの駆オ血剤が用いられます。 オ血の症状で虚証の場合は当帰、川キュウが配合された温経湯、 当帰芍薬散、四物湯などの駆オ血剤が用いられます。 参考・・・お血は別名で古血とも言われます。 参考・・・更年期障害、血の道症はオ血が原因です |
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おこり | おこりは激しい悪寒の後に発熱が現れ、それを繰り返す症状を こう言います。 おこりは主にインフルエンザ、マラリア、重い風邪症状、 腎盂炎、肺炎等を指します。 おこりの一般的症状は ① 激しい悪寒(悪寒戦慄)が起こる。 ② 身体痛(主に腰、背中が痛む) ③ やがて悪寒が止んで38度以上の発熱、頭痛、口渇などの症状が 現れ、その症状を繰り返します。 以上がおこりに診られる症状ですが、悪寒は無いが発熱がある、 発熱は余り無いが悪寒がひどいなどの症状も診られます。 おこりにはタン瘧、温瘧、牡瘧、寒瘧、牝瘧、労瘧、瘧母があり、 症状によって分類もそれぞれ異なります。 参考・・・おこりは別名で「瘧疾」、「瘧」、「ガイ瘧」、 「間歇熱」とも言います。 |
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悪心 (おしん) |
悪心は吐き気、ムカムカ感をこう呼びます。 悪心を鎮める生薬は半夏、生姜があり、漢方処方では五苓散、 小半夏加茯苓湯、茯苓沢瀉湯、半夏瀉心湯などが用いられます。 参考・・・悪心とよく似た症状を嘔気と呼ぶ場合もあります。 |
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尾台穃堂 (おだいようどう) |
尾台穃堂(1799年生まれ~1863年没) 尾台穃堂の本名は小杉四郎治と云い、幼き頃より優秀で穃堂17歳の時 に江戸の医家である尾台浅嶽の門人になります。 江戸で修行の後、実家の医業を継ぎますが恩師の尾台浅嶽が火事で 不慮の死を遂げ、恩師の為に小杉の姓を捨て、尾台良作を襲名します。 やがて尾台穃堂は幕末徳川将軍の侍医になり、明治維新を迎えます。 尾台穃堂の著書は「方伎雑誌」、「類聚方広義」、「橘黄医談」、 「重校薬徴」、「療難百則」、「医余」「井観医言」等があり、 特に「類聚方広義」は吉益東洞の「類聚方」に自己の経験を 付け足した書物で、尾台穃堂の古方派漢方に対する情熱と 熱意を感じます。 |
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悪熱 (おねつ) |
悪熱は傷寒論、陽明病篇に 「問曰、陽明病外証云何? 答曰、身熱,汗自出,不悪寒, 反悪熱也。」 「陽明病期に見られる症状は何ですか? それは身熱の後に汗が 自ら出て、悪寒は無いが悪熱があります。」とあります。 悪熱は昼夜を問わず40度前後の高熱が続き、その高熱のために 悶え苦しむ状態を指します。 この症状は少陽病、陽明病期に診られます。 悪熱に用いられる生薬は石膏や芒硝などの寒剤(大寒剤) が用いられます。 漢方処方は石膏や芒硝が配合された白虎湯、白虎加人参湯、 大承気湯、小承気湯などが用いられます。 |
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オ熱 (おねつ) オ(やまいだれ+於) |
お熱は裏にこもった熱の事を言い、小便不利の症状を 伴います。 別名で湿熱、裏熱とも言われます。 参考・・・後世派では湿熱と言います。 参考・・・傷寒論、陽明病篇に 「此爲オ熱在裏、身必發黄、茵チン蒿湯主之。」 「裏にオ熱があれば黄疸が出るので茵チン蒿湯を 服用しなさい。」と記載されています。 |
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悪風 (おふう) |
悪風は軽い寒気はあるが、風に当たらなければ耐えられる寒気を指し、 悪寒よりは軽い症状を言います。 参考・・・傷寒論、太陽病上篇に 「太陽病、發熱汗出、悪風脈緩者、名爲中風。」 「太陽病で発熱、発汗、悪風があり、脈は緩の場合に 中風と言います。」と記載されています。 余談・・・大塚敬節先生は『「悪風」、「悪寒」の場合は 下剤を用いてはいけません。』と述べられています。 |
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温剤 (おんざい) |
温剤は身体を温める作用がある生薬を言います。 代表的温剤は、桂枝、細辛、乾姜、生姜、当帰、山椒、 川キュウなどです。 温薬より身体を温める作用が強い生薬は熱薬と 呼ばれています。 又、温剤は別名で温薬とも呼ばれます。 |
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温法 (おんほう) |
温法は病邪に対する抵抗力が低下している時や内蔵や体内に寒がある 太陰病、少陰病、厥陰病などの症状に身体を温め、体力強化の ある漢方処方を投与することを言います。 温法によく用いられるのは人参湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、 真武湯、四逆湯などが用いられます。 参考・・・温法は別名で温裏法とも呼ばれます。 参考・・・温法の他に発汗法(汗法)、催吐法(吐法)、 瀉下法(下法)があり、これらを総じて汗吐下法と呼びます。 汗吐下法に和解法(和法)、温裏法(温法)を加えて 汗吐下和温法と呼びます。 汗吐下和温法に清熱法(清法)、消導法(消法)、補益法(補法) を加えた汗吐下和清温消補法があります。 汗吐下和清温消補法を簡単に書けばこのように表現が出来ます。 「汗法は発汗剤を用いて病邪を追い出す。」 「吐法は催吐剤を用いて病邪を吐かせる。」 「下法は瀉下剤を用いて病邪を下す。」、 「和法は中和剤を用いて体内の病邪を中和する。」 「清法は清熱剤を用いて体内の熱を清める。」 「温法は温補剤を用いて弱った身体を温める。」 「消法は消導剤を用いて食滞を消します。」 「補法は補益剤を用いて免疫力を高めます。」 |
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温補剤 (おんほざい) |
温補剤は病邪に対する抵抗力が低下している時や内蔵や体内に 寒がある太陰病、少陰病、厥陰病などの症状に身体を温め、 体力強化のある漢方処方をこう言います。 温補剤と言われる漢方処方は人参湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、 真武湯、四逆湯、附子理中湯、小建中湯などが温補剤と 言われます。 参考・・・温法(温裏法)の時に温補剤は用いられます。 |
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温補滋潤剤 (おんほじじゅんざい) |
温補滋潤剤は水滞とオ(※1)血が原因で口乾、皮膚乾燥、 冷え症、湿咳などの症状を改善するために身体を温めて体内に 停滞している水、血を身体全体に行き届かせる改善する生薬、 漢方処方を言います。 温補滋潤剤として用いられる生薬は地黄、人参、茯苓、麦門冬、 カ(※2)楼根、知母などの滋潤剤が用いられ、 漢方処方は小建中湯、麦門冬湯、小柴胡湯、十全大補湯、 炙甘草湯、瓜呂枳実湯、滋陰降火湯などが用いられます。 ((※1)オ=やまいだれ+於) ((※2)カ=てへん+舌) |
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温薬 (おんやく) |
温薬は身体を温める作用がある生薬を言います。代表的温薬は細辛、 当帰、生姜、山椒、川キュウ、麻黄、陳皮、蜀椒などです。 温薬より身体を温める作用が強い生薬は熱薬と呼ばれています。 又、温薬は別名で温剤とも呼ばれます。 参考・・・温薬の反対は冷薬です。 |
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温裏法 (おんりほう) |
温裏法は病邪に対する抵抗力が低下している時や内蔵や体内に 寒がある太陰病、少陰病、厥陰病などの症状に身体を温め、 体力強化のある温剤を用いて治療する方法です。 温裏法によく用いられるのは人参湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、 真武湯、四逆湯などが用いられます。 参考・・・温裏法の他に発汗法(汗法)、催吐法(吐法)、 瀉下法(下法)があり、これらを総じて汗吐下法と呼びます。 汗吐下法に和解法(和法)、温裏法(温法)を加えて 汗吐下和温法と呼びます。 汗吐下和温法に清熱法(清法)、消導法(消法)、補益法(補法) を加えた汗吐下和清温消補法があります。 参考・・・温裏法は別名で温法とも言われます。 汗吐下和清温消補法を簡単に書けばこのように表現が出来ます。 「汗法は発汗剤を用いて病邪を追い出す。」 「吐法は催吐剤を用いて病邪を吐かせる。」 「下法は瀉下剤を用いて病邪を下す。」、 「和法は中和剤を用いて体内の病邪を中和する。」 「清法は清熱剤を用いて体内の熱を清める。」 「温法は温補剤を用いて弱った身体を温める。」 「消法は消導剤を用いて食滞を消します。」 「補法は補益剤を用いて免疫力を高めます。」 |
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