
|
実証 |
大黄牡丹皮湯
(ダイオウボタンピトウ)
(第2類医薬品)
|
この処方は急性、慢性を問わずに膀胱炎、尿道炎に用いることが出来ます。又、何度も繰り返し発症する膀胱炎、
尿道炎にも効果のある漢方処方です。
大黄牡丹皮湯の適応症は比較的体力があって胃腸が丈夫な人が下半身、下腹部に炎症がある、腫れがある、
しこり(オ血)がある場合に用います。
後、排尿時に痛みを伴う、血尿が診られる、便秘があるなどの症状がある人にも用いられます。
大黄牡丹皮湯を構成している生薬は病毒や膿をを下して体外に排泄させて炎症を抑える作用のある瀉下剤の
「大黄」、「芒硝」と患部の腫れ、緊張感、圧痛、発熱を解消させる作用のある駆オ血剤の「桃仁」、「牡丹皮」、
「瓜子」で構成されております。
|
竜胆瀉肝湯
(リュウタンシャカントウ)
(第2類医薬品)
|
この処方は急性の膀胱炎、急性の尿道炎のどちらにでも用いることが出来る処方です。
(森道伯の竜胆瀉肝湯は慢性期や何度も繰り返し発症する膀胱炎、尿道炎にも効果のある漢方処方です。)
竜胆瀉肝湯の適応症は比較的に体力があり胃腸が丈夫な人が下半身、下腹部に炎症がある、腫れがある、残尿感
がある、混濁尿がある、排尿時に痛みを伴う、帯下がある、血尿が診られる、頻尿があるなどの症状がある人に
用いられます。
竜胆瀉肝湯を構成している生薬は膀胱や尿道などの下焦の炎症を取り去り、利尿を促す「車前子」、「木通」、「沢瀉」
と同じく下焦の炎症を解消して痛みを取り去る「地黄」、「当帰」と消炎と解毒作用のある「竜胆」、「山梔子」、「黄ゴン」
などで構成しています。
参考・・・森道伯の一貫堂では上記で述べた竜胆瀉肝湯に温清飲との合方の竜胆瀉肝湯があり、上記の竜胆瀉肝湯
は急性期に用い、森道伯の竜胆瀉肝湯と温清飲との合方は慢性期に用います。
|
中間証 |
猪苓湯
(チョレイトウ)
(第2類医薬品) |
この処方は急性の膀胱炎、尿道炎のどちらにでも用いることが出来る処方です。
猪苓湯の適応症は頻尿、血尿、尿量減少、尿が出にくい、咽喉が渇く、口渇がある、排尿痛、尿道痛、残尿感、蛋白尿
などの症状がある人に用いられます。
猪苓湯を構成している生薬はどれも利尿と下焦の消炎作用があり、阿膠には止血作用があり、猪苓湯は色々な泌尿器
系疾患にはよく用いられる処方です。
参考・・・猪苓湯は急性の膀胱炎、尿道炎に用い、口渇、便秘の症状がある人に用います。五淋散は慢性の膀胱炎、
尿道炎に用い、口渇、便秘の症状がない人に用います。
|
五淋散
(ゴリンサン)
(第2類医薬品) |
この処方は慢性の膀胱炎、尿道炎のどちらにでも用いることが出来る処方です。又、何度も繰り返し発症する膀胱炎、
尿道炎にも効果のある漢方処方です。
五淋散の適応症は尿の淋瀝、尿が出にくい、排尿痛、排尿時の痛み、残尿感、尿の濁り、血尿、膿尿、咽喉の渇きは
余り無いなどの症状がが診られる場合に用います。
五淋散を構成している生薬のうち山梔子、黄ゴンは消炎と解毒作用があり、茯苓には利尿作用があり、当帰と甘草には
血行促進と鎮痛作用があり、芍薬には排膿と鎮痛作用があります。
参考・・・上記で述べた五淋散に「地黄」、「沢瀉」、「木通」、「滑石」「車前子」を加えた五淋散もあります。この処方は
竜胆瀉肝湯に近い処方と言えます。
膀胱炎、尿道炎は大抵の場合は猪苓湯で良くなりますが、症状が激しく、頑固な場合は竜胆瀉肝湯や五淋散を
用います。
竜胆瀉肝湯は実証に用いる機会が多く、五淋散は中間証なので幅広く用いられる処方と言えます。
|
虚証 |
当帰芍薬散
(トウキシャクヤクサン)
(第2類医薬品) |
この処方は慢性の膀胱炎、尿道炎のどちらにでも用いることが出来る処方です。又、何度も繰り返し発症する膀胱炎、尿道炎
にも効果のある漢方処方です。
当帰芍薬散の適応症は冷え症で疲れやすく、顏色が悪い、下腹部に痛みがある、頻尿があるなどの症状が診られる場合に
用います。
当帰芍薬散を構成している生薬のうち当帰、川キュウ、芍薬には身体を温めて血行を促進して冷え症と頻尿を解消する作用
があり、茯苓、白朮、沢瀉には利尿作用があります。
参考・・・当帰芍薬散は妊娠中の膀胱炎に用いることが出来ます。
|
猪苓湯合四物湯
(チョレイトウゴウシモツトウ)
(第2類医薬品) |
この処方は慢性の膀胱炎、尿道炎のどちらにでも用いることが出来る処方です。又、何度も繰り返し発症する膀胱炎、尿道炎
にも効果のある漢方処方です。(慢性膀胱炎に処方する第一選択薬です。)
この処方は猪苓湯の症状に排尿の時に出血がひどい、顏色が悪い、貧血があるなどの症状がある場合に用います。
猪苓湯と合方にしている四物湯には造血、滋潤作用のある当帰と地黄や血行促進作用のある芍薬、川キュウが含まれて
おります。
参考・・・当帰、地黄、川キュウは胃腸虚弱の人が服用すると消化不良、食欲不振、下痢、軟便などの症状が診られる場合が
あります。
|
八味地黄丸料
(ハチミジオウガンリョウ)
(第2類医薬品) |
この処方は慢性の膀胱炎、尿道炎のどちらにでも用いることが出来る処方です。又、何度も繰り返し発症する膀胱炎、尿道炎
にも効果のある漢方処方です。
八味地黄丸料の適応症は下半身の脱力感、夜間の頻尿、残尿感、失禁、尿量異常、口渇などの症状がある場合に用います。
八味地黄丸料を構成している生薬は「気」、「血」、「水」に効果がある生薬で構成されており、血剤として乾地黄と牡丹皮は
造血とオ血に効果があり、気剤として桂枝は下焦に停滞した「気」を発散させ、水剤として沢瀉、茯苓は利尿と水の停滞を
解消します。
山茱萸と山薬と附子は滋養強壮と身体を温める作用があります。
参考・・・地黄は胃腸虚弱の人が服用すると消化不良、食欲不振、下痢、軟便などの症状が診られる場合があります。
|
清心蓮子飲
(セイシンレンシンイン)
(第2類医薬品) |
この処方は慢性の膀胱炎、尿道炎のどちらにでも用いることが出来る処方です。又、何度も繰り返し発症する膀胱炎、尿道炎
にも効果のある漢方処方です。
清心蓮子飲の適応症は胃腸が虚弱で身体に倦怠感があり、下半身は冷えるが上半身は温かい、尿量減少、排尿痛、
残尿感、頻尿、蛋白尿、尿混濁、帯下のある場合に用います。
(猪苓湯合四物湯や八味地黄丸料を服用して胃腸障害が診られる場合や神経質な人に処方する漢方薬です。)
清心蓮子飲を構成している生薬の麦門冬と蓮肉と車前子と地骨皮は上半身の熱を取り去り下半身の水の停滞を解消します。
人参、黄耆、茯苓、黄ゴンと甘草は滋養強壮と上半身の熱を取り去ります。
|
◎以上が良く使われる漢方処方で 煎じ薬 1日分 約300円+税〜450円+税です。
粉末 1日分 約210円+税〜270円+税です。 |