ヨクイニン 種子

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ヨクイニン 種子

ヨクイニン 種子
ヨクイニン 種子 
日本産

ヨクイニン 粉末
日本産

ヨクイニン 粉末
ヨクイニン・よくいにん・ヨク苡仁
和名
ヨク苡仁 よく苡仁 よくいにん ヨクイニン
生薬名
ヨク苡仁 よく苡仁 よくいにん ヨクイニン
学名
Coix lacryma-jobi L. var. mayuen Stapf
分布
ヨクイニンはジュズダマ属ーイネ科の植物で砲鞘、えい、果皮を取り除いた中の白い部分を
ヨク(※1)苡仁(よくいにん)と言います。

ヨクイニンの名前の由来としてヨクイニンの「ヨクイ」は中国名(漢名)での呼び方で、
ヨクイニンの「ニン」は「仁」と書き、これは種子を意味します。

ヨクイニンは江戸元禄時代に宮崎安貞によって刊行された「農業全書」記載されております。

農業全書 2巻 五穀之類 ヨク苡
ヨク苡、是二種あり。其粒細長く、皮うすく米白く粘りて、濡米のごとくなるが、真ヨク苡なり。薬にもこれを
用ゆべし。
一種又丸く皮厚く、実ハ少くかたきありうゆべからず。提子とて大きなるあり。数珠とす。

うゆる地の事。尤湿気を好む物なり。何にても、糞しを多く用ひ、旱せバ水をそゝき、常にうるほひを保つべし。
畦作りつねのごとくし、五六寸に一本づゝ見合せうへ、厚く土をおほひ、芸り培ひ別法なし。苗ながく心葉出るを
節をかけて、ぬき捨べし。心葉をぬかずして置たるハ、実少し。九月霜ふりて実を取収め、よく干して米にする
事ハ、蒸し乾し、すりくだき、米のごとくこしらゆるなり。宿根より生るハから堅く子少し。二三月蒔置て、
移しうゆべし。
実ハヨク苡仁と云薬種なり。性のよき物なり。病人の食物に調て用ゆべし。粥になり、飯に交へ、
だんごにしたゝめ、様々料理多し。葉を米にまぜ、飯に調すれば、その香早稲米の飯のごとし。
茶を煎ずるに葉を少入れば、香よく味もます物なり。

参考・・・ヨクイニンと同じく「仁(種子)」のつく生薬は「桃仁」、「杏仁」、「酸棗仁」、「カ楼仁」、「郁李仁」、
「柏子仁」、「麻子仁」などがあります。(※1ヨク=くさかんむり+意)

ヨクイニンは日本薬局方に記載されています。

ヨクイニンは主にインドシナ、中国南部の暖かい地方が原産です。
中国には今から2000年ぐらい前の新王朝末期から後漢王朝創成期に活躍した武将の馬援将軍が
交趾(今のベトナム)に遠征した時に取って帰ったと言われます。

日本に渡来した時代は不明だが古くから日本の温暖地域で栽培されている1年草の植物です。
徳川時代の享保年間から栽培を始めたと古い書物には書かれています。
特徴・形態
ヨクイニンの特徴として1年草で茎は数本群がって生え、草丈は1メートルから1.5メートルになり、茎は直立
しており、葉は細長い広線形で幅は2.5センチ程あります。

花期は8月から10月で雌花、雄花を数個つける。やがて果実が熟すと雌花を囲むさやに硬い円形の果実を
つけます。。

薬用部分として9月から10月にヨクイニンの種子を採取して果皮、種皮を取り除き乾燥させた物をヨクイニンと
言います。
成分
成分として種子にデンプン、蛋白、脂肪、グルタミン酸、ロイシン、チロシン、バリン、コイシン、ミリスチン酸、
リノル酸、コイクセノライドを含んでいます。

余談・・・近年の研究でヨクイニンに含まれるコイクセノライドには抗腫瘍作用があり、今現在体内や体外に
出来る腫瘍を治療できるのではないかと研究中です。
使用部位
ヨクイニンの砲鞘、えい、果皮を取り除いた部分(種皮を除いた種子)(日本薬局方)
採取時期と管理・保存方法
ヨクイニンの採取時期は9月から11月の秋頃に種子を刈り取り、そこから果実を採取して果皮と種皮を
取り除いて風通しのよい所で日干しを行って乾燥させます。
薬効、服用方法
ヨクイニンは日本薬局方によると漢方処方用薬であり、解熱鎮痛消炎薬とみなされる処方及びその他の
処方に少数例配合されている。

また、民間療法として、いぼや肌あれに煎用するか又は粉末を服用する。

ヨクイニンが美肌やイボとりに良いと言われだしたのが江戸中期に活躍した貝原益軒が書いた「大和本草」
が最初の文献といえます。

ヨクイニンを煎じる場合は
ヨクイニン約10グラムから30グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程煎じて
1日数回服用します。

ヨクイニンの粉末の場合は
粉末のヨクイニンを1日2グラムから4グラムを目安に服用します。

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても結構
です。
ヨクイニンを含む漢方処方
麻杏ヨク(※)甘湯(別名:麻黄杏仁ヨク苡甘草湯)
ヨク(※)苡仁湯
ヨク(※)苡仁散
桔梗湯(外台秘要方)
ヨク(※)苡仁煎
ヨク(※)苡附子敗醤散
桂枝茯苓丸加ヨク(※)苡仁 (※ヨク=くさかんむり+意)
参考資料
神農本草経ー上品
「ヨク(※)苡子。一名解蠡。味甘微寒。生平澤。治筋急拘攣不可屈伸。風濕痺。下氣。久服輕身益氣。
其根下三蟲。」
「ヨクイニンは筋肉の痙攣やひきつりが原因の痛み、屈伸が出来ない、リュウマチ、関節炎、身体麻痺、
水腫などに効果があり、長期にわたり服用すると身が軽くなり、強壮薬になります。」
(※ヨク=くさかんむり+意)

古方薬議
「味甘寒。筋脈の狗攣、風湿痺を主り、気を下し、腸胃を利し、水腫を消し、熱を清し、肺痿、肺気の膿血を
吐するを主る。」

薬徴
「主治浮腫也。」

本草網目
「脾を健にし、胃を益し、肺を補し、熱を清し、風を去り、湿に勝つ。飯として炊いて食べれば冷気を治し、
煎じて飲めば小便熱淋を利す。」

本草網目
ヨクイニンについて「一種は歯に粘るもので、尖っていて殻が薄い、即ちヨクイニンである。その米は色白く、
糯米のようなもので粥、飯にもなり、または粉にして食べ、酒に醸すこともできる。」
その他
ヨク(※)苡仁の効能として美肌、イボ取り、肌荒れに効果があると記載している書物は江戸中期に活躍した
博物学者の貝原益軒が書いた「大和本草」に書かれており、「大和本草」は江戸時代の庶民の間で
行われていた民間療法を記載しており、漢方処方を紹介して書物には肌トラブルに対する効能は記載されて
いません。(※ヨク=くさかんむり+意)

東洋医学では
@妊娠中の女性が服用しても良く、お腹の胎児にも良い作用のある生薬や漢方薬を「安胎薬」
(あんたいやく)と言います。

「安胎薬」と言われる生薬は・・・木香、黄ゴン(※1)、杜仲、艾葉、人参、香附子、黄耆、白朮、
白芍薬、蘇梗(紫蘇の茎)、秦ギョウ(※2)、陳皮、冬虫夏草など
(※1ゴン=くさかんむり+今)(※2ギョウ=くさかんむり+几)


「安胎薬」と言われる
漢方薬は・・・当帰芍薬散、当帰散、白朮散
(3種類共に金匱要略婦人妊娠病脈証に掲載されています。)

A妊娠中の女性には慎重に用いる生薬や漢方薬を「慎用薬」と言います。
「慎用薬」と言われる生薬は・・・
乾姜、ヨク苡仁(※1)、牡丹皮、附子、大黄、五味子、呉茱萸、
紅花、枳実、午膝、酸棗仁、厚朴、桃仁、辛夷、薄荷、芒硝、半夏、麻子仁など
(※1ヨク=くさかんむり+意)

があり、ヨクイニンは妊娠中の女性が服用すべき生薬ではありません。
参考文献
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑
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