益母草、やくもそう、ヤクモソウ | |
基原植物和名 | |
目弾、めはじき、メハジキ | |
生薬名 | |
益母草、やくもそう、ヤクモソウ | |
基原植物学名(ラテン語名) | |
Leonurus japonicus Houttuyn | |
生薬英語名 | |
Leonurus Herb | |
植物英語名 | |
chinese motherwort | |
分布 | |
目弾(めはじき)はメハジキ属ーしそ科の植物で本州から九州、沖縄の日本各地や 朝鮮半島から中国などの温帯地方に分布し、生息場所として野原や日当たりの良い場所に 自生している植物です。 メハジキは日本では昔から愛されていた植物で、奈良時代の歌集の万葉集に目弾を 歌の題として詠んでおります。 万葉集ではメハジキを土針(つちはり)と詠んでおり、何故土針がメハジキである理由として、 ある地方ではメハジキを「つちうり」、「つちばれ」、「ちちはり」などと呼ぶ場所があり、 土針(つちはり)と地方の呼び方が似ているのでこの説が有力です。 参考・・・万葉集に載せられている土針(めはじき)の句 「わが屋前に生ふる土針心ゆも想はぬ人の衣に摺らゆな」詠み人不明 メハジキの名前の由来は子供がメハジキの茎を短く切ってまぶたの間にはさんで目から弾いて 遊んだ事からこの名前がつけられたと思われます。 ちなみに生薬名の益母草(やくもそう)の名前の由来と意味として生薬名の益母草を分解してみると 「母に利益をもたらす草」と言うになり、昔から産後の女性、不妊に悩む女性、月経に悩む女性など 色々な婦人病に効果のある植物です。 益母草は日本薬局方に記載されています。 参考・・・欧米にメハジキの近縁種があり、その植物を欧米では 「Mother wortマザーワート(母の草)」と言い、益母草と同じ用途で用います。 |
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特徴・形態 | |
メハジキの特徴として2年草で草丈は50センチメートルから150センチメートルぐらいの高さで 主に野原や道端などの日当たりの良い場所に自生している植物です。 茎は直立しており、茎の形は四角形で産毛のような細い毛が密生しており、毛の色は白色です。 茎にはまばらな枝があります。 葉は根又は地下茎から生える根出葉(こんしゅつよう)で、長い柄があり、形はやや円形で ふちに円いきょ歯があります。 茎につく葉は対生しており葉は数片に裂けています。 メハジキの花期は7月から9月に茎の上部に数花づつ集まって咲かせ、 その花が幾つかの層になって咲きます。 花の特徴として淡紅紫の唇形花で、がくは五裂して先が尖った筒状で、 花冠はくちびる形をしています。 花に二強雄ずいと一個のめしべがあり、果実は4個の分果からなっています。 メハジキの採取の時期ですがメハジキの花が見られる7月~9月に全草を刈り取り、 日干しにして乾燥させます。 この刈り取って乾燥された全草を益母草(ヤクモソウ)と言い、 乾燥したメハジキの種子をジュウ(※1)蔚子・充慰子(じゅういし)と言います。 (※1ジュウ=くさかんむり+充) |
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成分 | |
メハジキに含まれる成分として全草、特に葉にフラボン配糖体のルチンや 苦味質アルカロイドのレオヌリン、レオヌリヂン、スタキドリンなどや、 ラウリン酸、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸、樹脂、塩化カリウムなどが 含まれております。 レオヌリンには降圧、利尿作用があり、苦味質アルカロイドのレオヌリンには 子宮運動促進作用があり、婦人病全般に効果があります。 |
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使用部位 | |
メハジキの全草(生薬名・・・益母草、やくもそう、ヤクモソウ)(日本薬局方) メハジキの種子(商品名・・・充慰子、じゅういし、ジュウイシ) |
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採取時期と管理・保存方法 | |
メハジキの採取の時期ですがメハジキの花が見られる7月~9月に全草を刈り取り、 日干しにして乾燥させます。 |
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薬効、服用方法 | |
益母草(やくもそう)を煎じて服用するとオ血を取り除き血液の循環をよくしたり、 利尿、強壮作用を促したりします。 オ血が原因の月経不順、月経痛、産後の止血、つわり、不妊症、腹痛などを治療します。 後、女性ホルモンバランスが崩れて現れる肌荒れ、肌のかさつきにも効果があると言われます。 益母草の種子のジュウ(※1)蔚子・充慰子(じゅういし)には上記で示した作用に 眼病(そこひ、視力減退)予防、目の疲れ、充血予防、強精作用があると言われます。 (※1ジュウ=くさかんむり+充) 当店が使用しております煎じる益母草は日本産と中国産がございます。 益母草を煎じる場合は 益母草約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて 弱火で15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて 服用します。 益母草と他の薬草(重薬、艾葉、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて服用しても良いです。 益母草の粉末の場合は 益母草の粉末を1回量約1グラム~2グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、 お湯に混ぜて服用してください。 (小さじ半分ぐらいが約1グラムです。) 「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで 服用しても結構です。 ジュウ慰子、充慰子を煎じる場合は ジュウ慰子、充慰子約2グラムから5グラムを水600ccから800ccの中に入れて 弱火で15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて服用します。 ジュウ慰子、充慰子と他の薬草(重薬、艾葉、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて 服用しても良いです。 余談・・・王燾(おうとう)が書いた「外台秘要」によると 「今から1380年ほど前の古代中国の唐時代の女帝の則天武后は益母草で毎日洗顔をしていたら、 50歳になっても15歳の少女の肌と変わらなかった。」と書かれております。 他の書物によると則天武后が80歳になっても肌は30歳のようだったと書かれています。 (ホンマかいな?) 則天武后の美肌を作り出す元は益母草を原料にした「神仙玉女粉」なる物であると 言われています。 |
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生薬との組み合わせ | |
益母草+当帰・・・益母草と当帰を組み合わせることによりオ血症状を改善し、月経不順、 月経痛、産後の止血、不妊症、腹痛などの症状を緩和します。 益母草+艾葉・・・益母草と艾葉を組み合わせることにより冷えや冷え性を緩和して冷え性、 冷えが原因の婦人病を治療します。 益母草+檳榔子+肉豆ク+甘草・・・益母草と檳榔子と肉豆クと甘草を組み合わせること により歯周病予防、歯肉炎予防のうがい薬になります。 益母草+丹参+桃仁+紅花・・・益母草と丹参と桃仁と紅花を組み合わせると駆オ血薬として 生理不順や月経痛、無月経の解消などの作用が期待できます。 |
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益母草を含む漢方処方 | |
キュウ(※1)帰調血飲 万病回春 キュウ(※1)帰補血湯 万病回春 (※1 キュウ=くさかんむり+弓) |
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参考資料 | |
神農本草経ー上品 「ジュウ(※1)蔚子。一名益母。一名益明。一名大札。味辛微温。生池澤。明目益精。 除水氣。久服輕身。莖。治隱軫痒。可作浴湯。」 (※1ジュウ=くさかんむり+充) |
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その他 | |
益母草(やくもそう)の名前の由来と意味として生薬名の益母草を分解してみると 「母に利益をもたらす草」と言うになり、昔から産後の女性、不妊に悩む女性、月経に 悩む女性など色々な婦人病に効果のある植物です。 |
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注意事項 | |
①本品は天然物(生薬)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する 原因になることがあります。 ②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 ③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 ④幼児の手の届かない所に保管してください。 ⑤他に容器に入れ替えないで下さい。 (誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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参考文献 | |
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
目弾、益母草(ヤクモソウ)の写真 | |
目弾(メハジキ)ー花 | 目弾(メハジキ)全草ー種子 |
日本産ー益母草ー全草ー刻み | |