烏薬(天台烏薬)ーうやくーウヤク | |
基原植物和名 | |
天台烏薬 てんだいうやく テンダイウヤク | |
生薬名 | |
烏薬 うやく ウヤク 天台烏薬 てんだいうやく テンダイウヤク |
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基原植物学名(ラテン語名) | |
Lindera strychnifolia F.Vill | |
生薬英語名 | |
Lindera Root | |
植物英語名 | |
Combined spicebush | |
分布 | |
烏薬(うやく)はクロモジ属ーくすのき科に属する植物で元々は中国が原産ですが 日本では近畿地方(紀伊半島)、四国、九州地方などで野生化した樹木がよく見られる 常緑低木です。 天台烏薬が日本に渡来したのは江戸時代の享保年間と言われます。 日本ではそれ以前に方士(祈祷師、薬剤師、医師、呪術師などをミックスした職業)除福が 日本に持ち込んだと言われる言い伝えがあります。 古代中国の歴史家である司馬遷が書いた「史記」によれば除福は中国を最初に統一した 秦の始皇帝に仕えていた人物で、不老不死の薬を探していた秦の始皇帝の命によりに 日本に渡来したと言われます。 除福が不老不死の薬と教えたのが「天台烏薬」と言われます。 (実際には不老不死の薬効はありません。) 日本各地に除福伝説があり、その中でも和歌山県新宮市に除福の墓 と言われるものがあります。 天台烏薬の名前の由来は中国、浙江省に天台山があり、そこで採れた烏薬は 薬効が優れているので、それにあやかって「天台烏薬」と言います。 (天台山ですが、平安時代初期に活躍した天台宗開祖の最澄が仏教を学んだ地です。) 「烏薬」「烏」の意味ですが、 @・・・果実がカラスのように黒い。 A・・・烏薬の根がカラスの頭に似ている。 等の説がございます。 |
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特徴・形態 | |
烏薬の特徴として烏薬は雌雄異株で樹高は約3メートルほどの大きさになり、 幹は束生します。 根は木質で根が塊状になって長く伸びます。根の長さは約15センチぐらい、 根の幅は約2センチぐらいで根の外側の色は紫黒色で、根の中は白色をしています。 烏薬の根には樟脳のような匂いがあります。 葉は互生し葉は薄い革質で葉には3本の脈があります。葉の形は広楕円形で、 葉の裏は白く、稀に毛があります。 葉の長さは5センチから8センチぐらいに成長します。 若葉には長柔毛が密生します。 花期は3月から4月で秋に葉の脇から花蕾を付け、花蕾は越冬をし、 3月から4月の春に花蕾が淡黄色の小さな花を多数咲かせます。 液果ですが初めは緑色か赤褐色ですが秋に黒く熟します。 (烏薬は日本薬局方に記載されています) |
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成分 | |
烏薬に含まれる成分は精油成分のボルネオール、リンデリン、リンデラン、リンデロール、 リンデストレリン、リンデレンなどが含まれています。 |
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使用部位 | |
烏薬の根(生薬名 烏薬(うやく) 天台烏薬(てんだいうやく))(日本薬局方) | |
採取時期と管理・保存方法 | |
烏薬の採取の時期と加工方法ですが、冬から初夏にかけて紡錘状に肥厚した根を取り出して、 水洗いをしてから日干し乾燥します。 |
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薬効、服用方法 | |
烏薬を服用すると健胃整腸作用、鎮痛作用、冷えが原因の腹痛、胃痛の緩和などが 期待できます。 烏薬を煎じる場合は 烏薬約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分 程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回服用します。 烏薬と他の薬草(重薬、艾葉、ヨクイニンなど)と一緒に煎じて服用しても良いです。 烏薬の粉末の場合は 烏薬の粉末を1回量約2グラム〜3グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、 お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。) 「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで 服用しても結構です。 |
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生薬との組み合わせ | |
特になし | |
烏薬を含む漢方処方 | |
烏薬順気散(ウヤクジュンキサン) 十六味流気飲(ジュウロクミリュウキイン) キュウ帰調血飲(キュウキチョウケツイン) キュウ帰調血飲第一加減(キュウキチョウケツインダイイチカゲン) 天台烏薬散(テンダイウヤクサン) など |
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参考資料 | |
特になし | |
その他 | |
特になし | |
注意事項 | |
@本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する 原因になることがあります。 A開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 B本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 C幼児の手の届かない所に保管してください。 D他に容器に入れ替えないで下さい。 (誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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参考文献 | |
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
烏薬(天台烏薬)の写真 | |
天台烏薬(テンダイウヤク)ー花 | 天台烏薬(テンダイウヤク)ー刻み |