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杜仲樹皮ーとちゅうじゅひートチュウジュヒ | |
基原植物和名 | |
杜仲、とちゅう、トチュウ | |
生薬名 | |
杜仲樹皮、とちゅうじゅひ、トチュウジュヒ | |
基原植物学名(ラテン語名) | |
Eucommiae Cortex | |
生薬英語名 | |
Eucommia Bark | |
植物英語名 | |
Eucommia ulmoides Oliver | |
分布 | |
杜仲(とちゅう)はトチュウ属ーとちゅう科の植物で、主に四川、貴州、雲南、陝西、湖北、 河南などの中国大陸中南部が原産です。 杜仲樹皮は日本薬局方に記載されています。 杜仲樹皮は2000年前に書かれた中国最古の薬物書の「神農本草経」の上品に 下記のように書かれています。 「一名思仙。味辛平。生山谷。治腰脊痛。補中。益精氣。堅筋骨。強志。除陰下痒濕。 小便餘瀝。久服輕身耐老。」 「杜仲を服用すると腰痛が治り、体内を補い、滋養強壮を促し、筋肉と骨を丈夫にし、 中風、高血圧の予防と残尿感、陰部の痒み等に効果があり、長期に服用すれば年を取りにくい。」 と書かれています。 時代が下って16世紀の明の時代に出された「本草網目」には「肝、腎を補って筋骨を強めて、 腰膝疼痛の要薬である」と書かれています。 同じく本草綱目に杜仲の樹皮を毎日煎じて飲んでいた仙人の名前が「杜仲」だったので 木の名前が「杜仲」になったと書かれています。 日本にもたらされた時期として奈良時代又は平安時代に渡来した説と大正時代に渡来した 説があります。 今は長野県や因島などで大規模に栽培されている植物です。 他に植物園などでも見ることが出来ます。 |
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特徴・形態 | |
トチュウの特徴として樹高は20年ほどで15メートルぐらいの高さになり、 幹の径は約40センチメートルほどで樹皮の色は白っぽい灰色です。 葉は互生しており、葉の形は楕円形か長楕円形で、葉の長さは主に8センチから 15センチで落葉します。 花は雌雄異株で4月に雌株に白っぽい多数の小さな花を、雄株には赤っぽい小さな花 をつけます。 杜仲樹皮を採取する場合は4月から6月に15年以上たった樹木を選んで樹木が枯れない 程度に樹皮を剥ぎ取り、表面のゴミやザラザラした部分を取り除いてから日干しします。 (樹皮は時間をかけて再生しますので大量に剥ぎ取らないで下さい。) 杜仲葉は植樹してから3年程で葉が採取できます。採取の時期は6月から8月に 若葉を採取して日干しを行います。 |
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成分 | |
杜仲の樹皮にはグッタペルカ、リグナン、オークビン、樹脂、精油が含まれております。 杜仲の葉には樹皮と同様にグッタペルカ、ゲニポシド酸、鉄分、ビタミンCなど が含まれております。 参考・・・杜仲樹皮や杜仲葉に含まれるグッタペルカは枝や葉をちぎると糸状に 伸びる繊維物質を指します。 |
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使用部位 | |
杜仲の樹皮(生薬名 杜仲樹皮 とちゅうじゅひ トチュウジュヒ) (日本薬局方) |
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採取時期と管理・保存方法 | |
杜仲樹皮と杜仲葉の採取時期として杜仲樹皮は4月から6月に樹齢15年以上たった 樹木を選んで樹木が枯れない程度に樹皮を剥ぎ取り、表面のゴミやザラザラした部分を 取り除いてから日干しして乾燥させます。 (樹皮は時間をかけて再生しますので大量に剥ぎ取らないで下さい。) 杜仲葉は植樹してから3年程で葉が採取できます。採取の時期は6月から8月に若葉を 採取して日干しを行い乾燥させます。 |
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薬効、服用方法 | |
杜仲は日本薬局方によると薬用酒用薬である。滋養強壮の目的で配合されている。 他に杜仲樹皮を煎じて服用すると滋養強壮作用、鎮痛作用があると言われ、強壮、 強精、高血圧予防、高コレステロール予防、動脈硬化予防、腰痛、関節痛、 足腰の倦怠感解消、頻尿、肝臓機能、腎臓機能の強化などに効果があると言われます。 杜仲葉にも美容と健康維持、ダイエットなどの効果があります。 杜仲樹皮を煎じる場合は 橙皮約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で 15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて服用します。 杜仲樹皮と他の薬草(ヨクイニン、艾葉、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて 服用しても良いです。 杜仲樹皮の粉末の場合は 杜仲樹皮の粉末を1回量約1グラム~2グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、 お湯に混ぜて服用してください。 (小さじ半分ぐらいが約1グラムです。) 杜仲樹皮の粉末を単独で服用しても良いが、牛乳、野菜ジュース、スープなどに混ぜて 服用しても良いですし、小麦粉と混ぜて料理に使用されても結構です。 「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに 包んで服用しても結構です。 |
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杜仲樹皮の薬用酒 | |
杜仲樹皮を薬用酒として服用すると滋養強壮に効果があります。 杜仲樹皮の薬用酒の作り方ですが 杜仲樹皮・・・200グラム 氷砂糖・・・200グラム又はグラニュー糖200グラム ホワイトリカー・・・1.8リットル (他に色々な薬草を混ぜてミックス薬用酒を作っても良いです。) これらの品を容器に入れて約3か月ほど直射日光の当たらない場所で熟成させます。 熟成させる時に出来るだけ空気に触れないようにしっかり密封して下さい。 密閉できる容器を使用して下さい。空気に触れると味が変わる恐れがあります。 30日に1回は中身を2回から3回程振って均等に成分が出るようにしてください。 人によっては味の好みが異なりますので、30日に1回は味見をしてお好みの味であれば 薬草を引き上げても結構です。 3か月ほど熟成させたら木綿の布かコーヒー用の濾過紙で濾過しながら薬草を取り出し、 杯1杯を目安に服用します。 飲みにくい場合は蜂蜜や水飴、砂糖で味を調えても結構です。 |
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生薬との組み合わせ | |
特に無し | |
杜仲樹皮を含む漢方処方 | |
痿証方 加味四物湯 大防風湯 補陰湯 など |
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参考資料 | |
神農本草経ー上品 「杜仲。一名思仙。味辛平。生山谷。治腰脊痛。補中。益精氣。堅筋骨。強志。除陰下痒湿。 小便余瀝。久服軽身耐老。」 |
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その他 | |
杜仲は元々樹皮が身体に良いので樹皮をを煎じて服用しておりましたが、 近年、日本人によって杜仲葉にも樹皮のように身体に良い成分が含まれている事が判り、 見直されている植物です。 ある製薬メーカーが「杜仲葉によって内臓脂肪を減らす事が出来るのではないか?」、 「ダイエットに効果があるのではないか?」と思い日夜研究を重ねて同様の効果 がある事を突き止めました。 このように日本人の体を丈夫にする事や薬を開発する事に関する研究心や探究心には 心強く思います。 |
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注意事項 | |
①本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因に なることがあります。 ②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 ③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 ④幼児の手の届かない所に保管してください。 ⑤他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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参考文献 | |
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
杜仲(トチュウ)の写真 | |
杜仲(トチュウ)ー樹木 | 杜仲葉(トチュウヨウ)ー刻み |
杜仲葉(トチュウヨウ)ー粉末 | 杜仲樹皮(トチュウジュヒ)ー刻み |