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天南星ーてんなんしょうーテンナンショウ | |
基原植物和名 | |
浦島草、うらしまそう、ウラシマソウ 武蔵鐙、むさしあぶみ、ムサシアブミ 蝮草、蝮蛇草、まむしぐさ、マムシグサ 耳形天南星、みみがたてんなんしょう、ミミガタテンナンショウ 一葉天南星、ひとつばてんなんしょう、ヒトツバテンナンショウ |
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生薬名 | |
天南星、てんなんしょう、テンナンショウ 虎拳、こしょう、コショウ |
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基原植物学名(ラテン語名) | |
Arisaematis Tuber | |
生薬英語名 | |
Arisaema Tuber | |
植物英語名 | |
浦島草(ウラシマソウ)・・・Arisaaema urashima 武蔵鐙(ムサシアブミ)・・・Arisaaema ringens 蝮草(マムシグサ)・・・Arisaaema serratum |
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分布 | |
浦島草(うらしまそう)はテンナンショウ属ーさといも科に属する植物で北海道から 本州、四国や中国南部などの東アジアの温帯、熱帯地方の湿った山林、竹やぶなどに 見られる多年草の植物です。 天南星と言われる球茎を持つ植物は非常に種類が多く世界中では150種類、 日本では約30種類ほど自生しています。 天南星の仲間としてムサシアブミ、オキノシマテンナンショウ、ウラシマソウ、 マムシグサ、ミツバテンナンショウなどがあります。 伊豆七島には島天南星(しまてんなんしょう)と言われる植物があり、 島では別名「ヘンゴダマ」、或いは「マヘンゴ」と言い、 昔の人は球茎を茹でてから皮を取り除いてから臼で餅のようについてから 食したそうです。 生の天南星の球茎、乾燥をしていない天南星の球茎、マムシグサの果実には シュウ酸カルシウムと言う有毒物質が含まれており、それらを少量でも口に入れると 口の痺れ、口の腫れ、咽喉の痛み、呼吸困難、腎機能障害などの副作用が発症しすので、 生の天南星の球茎、乾燥をしていない天南星の球茎、マムシグサの果実は絶対 口にしないようにお願いします。 シュウ酸カルシウムは「さいとも科」の植物に含まれる成分で、 「里芋」、「こんにゃく」、「未成熟のパイナップル」などが一般的な 「さといも科」の植物です。 生の里芋の塊茎、生の里芋の茎、葉、生のコンニャク芋、未成熟のパイナップルなどを 少量でも舐めたり、食すると、強烈な灼熱感、口の痺れ、口の腫れ、咽喉の痛み、 呼吸困難、腎機能障害などの副作用が発症します。 大量服用では死に至る場合もあります。 TBSの番組「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」の企画の「ひとり農業」で、 生のコンニャクを舐めて、救急搬送された場面がありました。 これは非常に危険です。 コンニャクや天南星などに含まれるシュウ酸カルシウムは「毒物及び劇物取締法」で 「劇物」指定されています。 里芋、コンニャク、未成熟のパイナップルの「生」はダメです。食品加工された 里芋、コンニャク、パイナップルは美味しくいただけます。 (煮込んだ里芋やコンニャクは最高に美味しいです。) 余談が続きますが、尿管結石の原因物質はシュウ酸カルシウムです。 余談・・・江戸時代に世界で最初に全身麻酔による乳がん摘出手術を行った 華岡青洲が作った麻酔薬を「通仙散(つうせんさん)」、 別名「麻沸散(まふつさん)」と言います。 通仙散は曼陀羅華(チョウセンアサガオ)、烏頭(ウズ)、当帰、センキュウ、 ビャクシ、天南星(テンナンショウ)などの色々な生薬を粉末にして、 それを煎じてから服用します。 麻沸散は三国志で曹操や関羽の治療を行った医師、華佗(かだ)が考えた 麻酔薬を指します。 麻沸散はどのような薬草が使用されていたかは不明です。 |
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特徴・形態 | |
ウラシマソウの特徴として草丈は30センチから50センチほどで地下の塊茎は 扁球形で大きな球茎を一つ作ります。 大きな球茎から1本の偽茎と多数のヒゲ根を出します。偽茎は球茎中央上部より出し、 ヒゲ根は球茎下部より多数出します。 茎は球茎上部中央より葉柄が合わさった偽茎1本を出します。偽茎は円柱形で 太く直立して高さ30センチから50センチほどに成長し、茎の上部に葉を 付けます。 偽茎には白色または紫色の斑紋があります。 葉は大葉と小葉があり小葉は10枚から15枚で小葉の形は長楕円形か狭楕円形で 葉の先端は鋭尖形で葉の長さは10センチから20センチぐらいです。 ウラシマソウの花期は4月から6月頃で葉柄の基部から一つの短い花茎を出し、 そこから仏炎苞(ぶつえんほう)に覆われ直立した肉穂花序を1個出します。 その仏炎苞から花軸の上部がヒモのように長く伸びます。 花は雌雄異株で仏炎苞に覆われ直立した肉穂花序です。 余談・・・・仏炎苞を持つ植物は「さといも科」に属する植物に多く観られます。 さといも科に属する植物はコンニャク、サトイモ、水芭蕉、浦島草、武蔵鐙、 カラスビャクシなどが仏炎苞に覆われた花序を咲かせます。 (天南星は日本薬局方に記載されています。) |
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成分 | |
テンナンショウに含まれる成分はデンプン、カリウム、サポニン、シュウ酸カルシウム などが含まれています。 |
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使用部位 | |
浦島草、武蔵鐙などの塊茎 (生薬名 天南星、てんなんしょう、テンナンショウ)(日本薬局方) |
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採取時期と管理・保存方法 | |
天南星の採取時期は秋頃に地上部が枯れます。枯れた地上部から塊茎を掘り出して水洗いを してから塊茎を輪切りにして日干し乾燥します。 |
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薬効、服用方法 | |
天南星を服用すると去痰作用、鎮痛作用、鎮痙作用などがあり、痰切り、肩こり の緩和などが期待できます。 粉末にした天南星を患部に貼ると浮腫、むくみの解消になると昔から言われます。 天南星を煎じる場合は 天南星約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で 15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて服用します。 天南星と他の薬草(ヨクイニン、艾葉、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて 服用しても良いです。 天南星の粉末の場合は 適量の天南星粉末を水に溶き、それを両足の土踏まずや患部に塗布し、 布団を汚さないようにしてから就寝し、翌朝に塗布した天南星粉末を取り除きます。 |
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生薬との組み合わせ | |
特になし | |
天南星を含む漢方処方 | |
清湿化痰湯(セイシツケタントウ) 二朮湯(ニジュツトウ)など |
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参考資料 | |
特になし | |
その他 | |
生の天南星の球茎、乾燥をしていない天南星の球茎、マムシグサの果実には シュウ酸カルシウムと言う有毒物質が含まれており、それらを少量でも口に入れると 口の痺れ、口の腫れ、咽喉の痛み、呼吸困難、腎機能障害などの副作用が発症しすので、 生の天南星の球茎、乾燥をしていない天南星の球茎、マムシグサの果実は 絶対口にしないようにお願いします。 (生のサトイモ、コンニャク芋にもシュウ酸カルシウムが含まれており、 同様の症状が発症します。) 妊婦に天南星の服用、使用は禁忌ですので、天南星の服用、使用はしないでください。 |
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注意事項 | |
@本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因に なることがあります。 A開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 B本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 C幼児の手の届かない所に保管してください。 D他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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参考文献 | |
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
天南星の写真 | |
浦島草(ウラシマソウ)ー花 | 武蔵鐙(ムサシアブミ)ー花 |
オキノシマテンナンショウー花 | 天南星ー刻み |