紫蘇葉ーしそようーシソヨウー紫蘇子ーしそしーシソシ | |
基原植物和名 | |
紫蘇、しそ、シソ | |
生薬名 | |
紫蘇葉、しそよう、シソヨウ 紫蘇子、しそし、シソシ 扱穂、こきほ、コキホ |
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基原植物学名(ラテン語名) | |
Perilla Herba | |
生薬英語名 | |
Perilla Herb | |
植物英語名 | |
青紫蘇(あおじそ、アオジソ)Perilla frutescens Britton var acuta Kudo forma viridis Makino 赤紫蘇(あかしそ、アカシソ)Perilla frutescens Britton var acuta Kudo |
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分布 | |
紫蘇はシソ属ーシソ科の植物で中国が原産地で日本には古代に渡来し、 現在では薬用と食用に日本全国で栽培されている1年草の植物です。 紫蘇の名前の由来は色々あります。 ①・・・紫蘇に含まれる香り成分と精油成分が食中毒で死にかけた人を蘇らせたので 「紫蘇」と言われるようになった。 ②・・・三国志でお馴染みの名医「華佗(かだ)」が食あたりで苦しんでいる人に 紫色の葉を与えたら蘇ったので「紫蘇」と言われるようになった。 など諸説色々あります。 紫蘇葉は浅田宗伯の古方薬議によると 「味辛温。気を下し、寒を除き、中を寛め、上気、咳逆を主り、胃を開き、 食を下し、魚蟹の毒を下す。」と書かれています。 紫蘇は食あたり予防の刺身のつまや豆腐や素麺の薬味、香味野菜などでお馴染みの 食品です。 紫蘇葉は日本薬局方に記載されています。 青紫蘇は八百屋さんでは「大葉」と呼ばれています。 薬用には赤紫蘇が用いられます。 赤紫蘇を梅と一緒に漬け込んで「梅干し」にしたり、茄子を赤紫蘇と一緒に漬け込んで 「柴漬け」にしたり、紫蘇子が配合された七味唐辛子(唐辛子、山椒、陳皮、胡麻、 麻子仁、紫蘇など)や塩漬けした赤紫蘇の葉を乾燥させて細かく刻んだ物を配合した ふりかけの「ゆかり」など色々な加工方法で使用しています。 赤紫蘇には「アントシアニン色素」の「シアニジン」が含まれており、 「アントシアニン色素」の「シアニジン」が梅の「クエン酸」に分解されると 青い梅が赤い梅に変わります。 ちなみに赤紫蘇も青紫蘇も植物学的には同じ植物ですが、「アントシアニン色素」 が含まれているか含まれていないかの違いです。 紫蘇の実は昔から薬用として使用されていたが、紫蘇の種子から絞った油を電灯 として利用をしていた時期がありました。 しかしナタネ油が普及し始めてからシソ油は使用されなくなりました。 今はシソ油を健康維持の為に食されています。 (一部ですがシソの仲間の「荏胡麻(エゴマ)」の油を「シソ油」として 販売しているそうです。) 余談・・・良い香りがする植物や香水や香料になる植物は「シソ科」 の植物が多いです。 有名なシソ科の植物は「紫蘇」、「薄荷」、「ラベンダー」、「ローズマリー」、 「タイム」、「バジル」、「セージ」、「オレガノ」、「マジョラム」、 「レモンバーム」などがシソ科に属する植物です。 一般的にシソ科の植物はハーブに分類されます。 ハーブ以外にシソ科の植物でよく利用される植物は「キランソウ」、「カキドオシ」、 「ヒキオコシ」、「メハジキ」、「シロネ」、「エゴマ」、「ウツボグサ」、 「タンジン」、「ケイガイ」、「コガネバナ」などもよく利用されるシソ科の植物です。 余談・・・紫蘇葉は「後下」で煎じるのが良いと言われ、「後下」は先に他の生薬を 煎じておいて、煎じ終わる5分から10分前に薄荷を入れて煎じる方法をこう言います。 これは紫蘇葉には熱を加える事により壊れる恐れのある成分が含まれているためと 言われます。 ちなみに「後下」で煎じれば良いと言われる生薬は「紫蘇葉」、「釣藤鈎」、 「薄荷」です。 |
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特徴・形態 | |
青紫蘇の特徴として草丈は30センチから100センチほどで全草から紫蘇独特の 香りがあります 茎葉共に緑色で、茎は直立し茎の径は四角形でその茎から多数分枝します。 葉は卵形で葉の先は尖り、鋸歯があります。 花は7月から9月頃に茎の頂点又は上部葉液付近に白色の花をつけます。 赤紫蘇の特徴として草丈は20センチから40センチほどで茎は直立し茎の径は 四角形でその茎から多数分枝します。 葉は長柄で互生しており葉の形は広卵形又は長卵形で葉の色は濃い赤紫色です。 花は7月から9月頃に枝先に総状の花穂を出し、淡い紅紫色の小さな花を多数 つけます。 |
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成分 | |
赤紫蘇に含まれる成分として葉にペリラアルデヒド、αーピネン、lーリモネン、 ペリラケトン、エルショルチアケトン、アデニン、アルギニンジラピオール、 ミリスチシンなどが含まれています。 青紫蘇に含まれる成分としてペリラアルデヒド、lーリモネン、αーピネンなどが 含まれています。 紫蘇の種子にはペリラアルデヒド、d-リモネン、βーピネン、オレイン酸、 リノレイン酸などが含まれています。 葉に含まれるチアニンは酸と結合すると赤紫色になる性質があります。 |
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使用部位 | |
紫蘇の葉(生薬名 紫蘇葉 しそよう シソヨウ)(日本薬局方) 紫蘇の種子(生薬名 紫蘇子 しそし シソシ) |
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採取時期と管理・保存方法 | |
紫蘇の葉の採取時期ですが6月から9月頃に葉を採取して半日ほど日干しをしてから 風通しの良い所で日陰乾燥します。 6月ぐらいに採取した葉は香りが強く良品と言われます。 紫蘇の種子は10月頃に紫蘇の果実から採取して日陰乾燥します。 |
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薬効、服用方法 | |
紫蘇葉は日本薬局方によると漢方処方用薬としては鎮咳去痰薬、かぜ薬とみなされる 処方及びその他の処方に少数例配合されている。 また、配合剤(胃腸薬)に芳香健胃薬として配合することがあります。 他に紫蘇葉を服用すると精神不安感、自律神経の乱れを取り除き、紫蘇葉に含まれる 精油成分が胃を刺激して消化を促し、魚や蟹などの食あたりの予防と解毒作用があり、 他に風邪症状、気管支炎を和らげる発汗、解熱、鎮咳作用もあります。 当店が使用しています紫蘇葉は日本産と中国産がございます。 紫蘇葉を煎じる場合は 紫蘇葉約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で 15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて 服用します。 紫蘇葉と他の薬草(艾葉、ゲンノショウコ、重薬など)と一緒に煎じて服用しても 良いです。 紫蘇葉の粉末の場合は 紫蘇葉の粉末を1回量約1グラム~2グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回 服用するか、お湯に混ぜて服用してください。 (小さじ半分ぐらいが約1グラムです。) 「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに 包んで服用しても結構です。 紫蘇子を服用すると風邪症状、気管支炎を和らげる発汗、解熱、鎮咳作用もあります。 紫蘇子を煎じる場合は 紫蘇子約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で 15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて 服用します。 紫蘇子と他の薬草(艾葉、ゲンノショウコ、重薬など)と一緒に煎じて服用しても 良いです。 紫蘇子の粉末の場合は 紫蘇子の粉末を1回量約1グラム~2グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回 服用するか、お湯に混ぜて服用してください。 (小さじ半分ぐらいが約1グラムです。) 「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに 包んで服用しても結構です。 |
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紫蘇葉の薬用酒 | |
紫蘇酒の作り方ですが 紫蘇の葉・・・100グラム(出来れば青紫蘇のほうが香りが良い。) 紫蘇の実・・・100グラム 氷砂糖・・・200グラム又はグラニュー糖200グラム ホワイトリカー・・・1.8リットル (他に色々な薬草を混ぜてミックス薬用酒を作っても良いです。 花梨や桑の実などと一緒に漬けても良いです。) これらの品を容器に入れて約3か月ほど直射日光の当たらない場所で熟成させます。 熟成させる時に出来るだけ空気に触れないようにしっかり密封して下さい。 密閉できる容器を使用して下さい。 空気に触れると味が変わる恐れがあります。 30日に1回は中身を2回から3回程振って均等に成分が出るようにして ください。 人によっては味の好みが異なりますので、30日に1回は味見をしてお好みの 味であれば薬草を引き上げても結構です。 3か月ほど熟成させたら木綿の布かコーヒー用の濾過紙で濾過しながら薬草を 取り出し、杯1杯を目安に服用します。 飲みにくい場合は蜂蜜や水飴、砂糖で味を調えても結構です。 一度の大量服用はお勧めしておりません。 花梨や桑の実などと一緒に浸けて熟成させ、服用すればより効果が高まります。 |
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生薬との組み合わせ | |
紫蘇葉+杏仁+陳皮・・・・紫蘇葉と杏仁と陳皮を組み合わせることにより痰を取り除き、 咳を鎮める作用があります。 漢方処方・・・・神秘湯 紫蘇葉+香附子+陳皮・・・・紫蘇葉と香附子と陳皮を加える事により紫蘇葉は体表に ある気(気欝、病邪)を発散させ、香附子と陳皮が体内にある気(気欝、病邪) を発散させます。 漢方処方・・・・香蘇散 紫蘇葉+厚朴・・・紫蘇葉と厚朴を組み合わせることにより気分の落ち込みを 取り除きます。 漢方処方・・・・半夏厚朴湯 紫蘇子+陳皮+厚朴・・・・紫蘇子と陳皮と厚朴を組み合わせることによりのぼせ、 気分の高まりを取り除き、痰を切れやすくします。 漢方処方・・・・蘇子降気湯 |
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紫蘇葉、紫蘇子を含む漢方処方 | |
半夏厚朴湯 神秘湯 香蘇散 蘇子降気湯 分心気飲 など |
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参考資料 | |
浅田宗伯 古方薬議 「味辛温。気を下し、寒を除き、中を寛め、上気、咳逆を主り、胃を開き、食を下し、 魚蟹の毒を下す。」 |
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その他 | |
特になし。 | |
注意事項 | |
①本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因に なることがあります。 ②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 ③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 ④幼児の手の届かない所に保管してください。 ⑤他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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ご相談、ご質問 | |
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参考文献 | |
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
紫蘇葉(シソヨウ)、紫蘇子(シソシ)の写真 | |
青紫蘇(アオシソ)ー花と葉 | 赤紫蘇(アカシソ)ー花と葉 |
赤紫蘇葉(アカシソヨウ)ー刻み | 赤紫蘇葉(アカシソヨウ)ー粉末 |
紫蘇子(シソシ)ー種子 | 紫蘇子(シソヨシ)ー粉末 |