青皮 せいひ セイヒ
植物名
蜜柑 みかん ミカン 温州みかん 温州蜜柑
生薬名
青皮 せいひ セイヒ 青橘皮 せいきっぴ セイキッピ
学名
Citrs unshiu Marcov
分布
ミカン(温州みかん)はミカン属ーみかん科の植物で、薬用部分は完熟前の青い状態の果実の果皮を採取し、
乾燥させた物やオレンジ色に完熟した果実を蒸してから果皮を採取し、乾燥させた物などが薬用として
用います。

生薬として使うミカンの皮には色々あります。

@・・・完熟前の緑色の状態の果皮を生薬名で青皮(せいひ)と言います。

A・・・オレンジ色に完熟した果皮を生薬名で橘皮(きっぴ)と言います。

B・・・その橘皮より古い果皮を陳皮(ちんぴ)と言います。

陳皮は日本薬局方に記載されています。

みかんはインドから東南アジアが原産地と言われその後に中国で栽培されてから日本に渡来しました。
日本には中国の温州から鹿児島県に渡来したのでミカンを「温州みかん」と名付けたと言われます。

余談・・・日本書紀に「田道間守(タジマモリ)、「古事記での名前は「多遅摩毛理」」が垂仁天皇の命により
延命長寿の香菓の「非時香菓(ときじくのかくのみ)=今ふうに言えば橘、蜜柑」を採ってくるように言われ、
常世国に渡り無事、採取し帰国したら垂仁天皇は崩御しており、田道間守は慟哭の後に死去したと
言われます。

田道間守を神様として祀っている神社が日本各地にあり、和歌山県海南市の橘本神社、
兵庫県豊岡市の中嶋神社、京都市左京区の吉田神社、福岡県太宰府市の太宰府天満宮などで
祀られています。

戦前の文部省唱歌に田道間守があります。

万葉集に田道間守を題材に詠んだ歌が2首あります。橘だけを詠んだ歌は70首ほどあります。

常世物この橘のいや照りにわご大君は今も見るごと」・・・万葉集ー詠み人 大伴家持

現在は色々と品種改良が行われ、約30種類のミカンの仲間があるそうです。その中でも一般的なミカンが
温州みかんと言われます。

現在、ミカンの栽培は日本の中部から南部の気候が温暖な地域で栽培されており、特に愛媛県、和歌山県、
静岡県が主な栽培地とされています。

中国では陳皮は混合香辛料の五香粉の原料に使われています。
五香粉は「桂皮」、「丁子」、「大茴香」、「茴香」、「花椒」が原材料です。

陳皮はお正月に飲む縁起物のお酒の「屠蘇散(とそさん)」に含まれております。

参考・・・「屠蘇散(とそさん)」について書きますと、屠蘇散の正式名称は「屠蘇延命散(とそえんめいさん)」と
言い、誰が考案したかは諸説ありますが一番有力な説として三国志で有名な華佗(かだ)が考案した説が
一番有力です。

屠蘇の意味として「蘇」は病をもたらす鬼を意味し、「屠」は屠る(ほふる)つまり「殺す」と言う意味で、
屠蘇を飲めば身体に害する病気を葬る事が出来ると考えられました。

屠蘇は中国では三国時代に考案されましたがお正月の縁起物になったのは唐時代と言われ、
日本には平安時代に伝わり、時代を経て江戸時代に庶民のお正月文化として浸透しました。

ちなみに陳皮は七味唐辛子にも含まれております。

陳皮は神農本草経ー上品に記載されており、「橘柚(きつゆう)」の名前で載っています。
中国では古いものを「陳久品」と言い、ミカンの果皮は古ければ古いほど薬効効果が優れていると言われます。
ですので古いミカンの果皮を「陳橘皮」、「陳皮」と言います。

京都御所には「左近の桜」、「右近の橘」があります。これは御所から見て右側に橘の樹、左側に桜の樹を
植えたものです。
京都御所の紫宸殿をモデルにした雛祭りの雛飾りも同様に「左近の桜」、「右近の橘」があります。

余談・・・ミカンは英名で「マンダリンオレンジ」や「サツマオレンジ」と言われ、四国アイランドリーグの
愛媛県のチーム名がミカンにちなんで「愛媛マンダリン・パイレーツ」です。

参考・・・愛媛県の花はミカンの花です。
特徴・形態
ミカン(温州みかん)の特徴として樹高が最大3メートルほどの木で刺は無く、楕円形の葉を付け、
花期は5月から6月で、白色の小さな5枚の花びらの花を咲かせます。

やがて円形で緑色の果実が実り初め、夏から秋、冬にかけて果実が鮮やかな橙色に熟します。
熟した果実は酸味と甘味を多く含んでおり、果肉は軟らかくてみずみずしいです。

薬用部分として6月から夏に付けた緑色の果実を採取して果皮を天日で乾燥した物(生薬名 青皮)や
冬に橙色に熟した果実を採取して果皮を天日で乾燥させた物(生薬名 橘皮、陳皮)を用います。
成分
青皮には精油成分のdーリモネン、γーテルピネン、フラボン配糖体類、ペクチン、クエン酸、シネフリン、
ルチン、ヘスペリジンなどを含んでおります。
使用部位
未熟性の緑色のミカンの果実(温州みかん)
採取時期と管理・保存方法
青皮の採取の時期は春の終わりから夏ごろに青いみかんの果実を採取して、外果皮を採取し日陰干しを行って
乾燥させます。
(出来れば果皮の裏側の白い繊維部分は取り除くことが望ましい。)
薬効、服用方法
参考・・・市販のミカンの皮を青皮として使用する場合
市販のミカンには農薬、ワックスなどを使用している場合がありますので注意が必要です。

青皮を煎じる場合は
青皮約3グラムから6グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程煎じて1日数回
服用します。

青皮の粉末を服用する場合
青皮の粉末を1日3グラムから6グラム(小さじ1杯から2杯)を目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、
お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても結構です。
青皮を含む漢方処方
陳皮配合の漢方薬に青皮を入れて、陳皮を取り除く場合があります。
参考資料
特になし
その他
陳皮のページでで陳皮は温州みかんの成熟果皮を指すと書きましたが、元々日本では柑子蜜柑(こうじみかん)を
陳皮として使用していましたが酸味が強く食しにくい事が原因で年々栽培量が減少して、今では安定した生産量が
見込まれる温州みかんの新しい果皮を陳皮として用いるようになりました。

陳皮の陳(ちん)は古いと言う意味があり、蜜柑の皮は古ければ古いほど薬効が高まります。
未成熟前の青いミカンの皮は「青皮(せいひ)」と言います。成熟後の新しいオレンジ色のミカンの皮は「橘皮(きっぴ)」
と言い、成熟後の古いオレンジ色のミカンの皮は「陳皮(ちんぴ)」と言います。

詳しく書きますと
青いミカンの皮⇒青皮、オレンジ色のミカンの皮⇒橘皮、オレンジ色だが古いミカンの皮⇒陳皮
と分けられます。

参考・・・陳皮と橘皮と青皮は成分と効能、効果には余り違いがありませんが、若干ですが異なる効き目があります。

@ 陳皮の場合
陳皮は主に食欲不振、嘔吐、痰の絡む咳嗽などの胃弱、胃内停水による咳症状に効果があります。
陳皮は古い果皮ので製油成分のリモネンが少なくなっています。

A 橘皮の場合
橘皮は陳皮と同じく健胃、咳止めなどの症状に効果がありますが、理気剤として気の流れをスムーズにして身体全体に
行き渡らせる効果があります。
橘皮は新しい果皮なので製油成分のリモネンが多く含まれています。


B 青皮の場合
青皮は食欲不振解消(これは陳皮と同じ)、消化不良解消(陳皮より強い)、胸痛、脇腹痛、乳房の痛み、乳房の炎症の
解消などの効果があります。
参考文献
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑
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