竜胆(龍胆)ーりゅうたんーリュウタン | |
基原植物和名 | |
竜胆、りんどう、リンドウ 笹竜胆、ささりんどう、ササリンドウ |
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生薬名 | |
竜胆(龍胆)、りゅうたん、リュウタン | |
基原植物学名(ラテン語名) | |
Gentianae scabrae Radix | |
生薬英語名 | |
Japanese Gentian | |
植物英語名 | |
Gentiana scabra Buege | |
分布 | |
リンドウはリンドウ属ーリンドウ科に属する植物で、日本の本州から四国、 九州の日当たりのよい山の草地や土手などに生える多年生草木で、 生花用にも栽培されています。 竜胆(りゅうたん)の名前の由来としてリンドウの根を服用するととても苦く、 まるで竜の胆のような苦味なので「竜胆」と言われるようになりました。 (だれか竜の胆を舐めた人がいるのでしょうか?) 竜胆は熊の胆より苦いとも言われます。 竜胆(リュウタン)と同じくリンドウ科の植物で「ゲンチアナ」と言う 植物があります。 ゲンチアナは竜胆とは花の色や花が咲く時期は異なりますが、 根茎は竜胆と同じく苦味があり、苦味健胃剤としてヨーロッパ各地で 服用されてきました。 余談・・・・ゲンチアナは「太田胃散」に含まれています。 竜胆は別名で「笹竜胆(ささりんどう)」とも言われ、秋に他の草花が 枯れる頃に一輪の可憐な花を咲かせます。 その竜胆にある葉が笹に似ているので「笹竜胆」と言われます。 余談・・・・家紋で「笹竜胆紋(ササリンドウモン)」があります。 これは村上源氏、宇多源氏、清和源氏の家紋で、源氏の代表紋と言われます。 その流れで源頼朝が幕府を開いた鎌倉市の市章は笹竜胆を元に作られています。 笹竜胆紋は明治の元勲の岩倉具視も使用しております。 昔から伝わる日本の伝統の染物色で「竜胆色(りんどういろ)」があり、 これは竜胆の花のような柔らかい感じがある青紫色をこう言います。 竜胆色の衣は平安時代より重ね着の色目として用いられました。 竜胆は神農本草経の上品に記載されており 「一名陵游。味苦寒。生山谷。治骨間寒熱.驚癇邪氣。續絶傷。定五藏。 殺蠱毒。久服益智不忘。輕身耐老。」と書かれています。 日本では竜胆を昔は「えやみぐさ(疫病草、瘧草)」と呼びました。 この呼び名は「オケラ 生薬名 白朮」もこう呼ばれていました。 枕草子にリンドウが書かれており、 「りんどうは枝さしむずかしげなれども、こと花みな霜枯れはてたるに、 いと花やかなる色あいにて、さし出たるいとおかし」と書かれている。 リンドウは熊本県、長野県の県花になっています。 |
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特徴・形態 | |
竜胆の特徴として地下部の根茎から少し肥大した多数のひも状の根を出します。 根の色は淡黄色で根は長く伸び、根を噛むとすごく苦いです。 茎は直立しており、茎の色は黒褐色を帯びており、茎の高さは30センチから 90センチ程です。 茎は枝分かれをしません。 葉は柄が無く対生しており、葉の形は皮針形で葉の先は尖り、 葉の基は茎を抱いています。 葉の形は笹に良く似ており、葉の長さは5センチから10センチ程あり、 葉の幅は1センチから3センチ程あります。 葉のふちは全辺で全緑しており、葉面に三主脈があります。 花は9月から11月ごろに茎上部の葉腋に青色のやや大きな花が数個 集まって咲きます。 花の色は青色や青紫色で花の長さは5センチ程で花冠はつりがね状で 先が五裂しており、裂片の間に副裂片があります。 リンドウの花には雄しべが5個と雌しべが1個あります。 リンドウの果実は細長く、熟すと2裂し、その中から翼のある小さな種子 が出てきます。 (竜胆は日本薬局方に記載されています) |
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成分 | |
竜胆に含まれる成分として苦味配糖体のゲンチオピクリン、ゲンチオピクロサイド、 ゲンチアノース、ゲンチシン、ゲンチアニンなどが含まれております。 |
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使用部位 | |
リンドウの根茎、根(生薬名 竜胆(龍胆) りゅうたん リュウタン) (日本薬局方) |
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採取時期と管理・保存方法 | |
竜胆の採取時期は秋の花や茎が枯れる頃に根を掘り出して水洗いをしてから 日干し乾燥をします。 |
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薬効、服用方法 | |
竜胆は日本薬局方によると主として漢方処方用薬であり、尿路疾患用薬と みなされる処方及びその他の処方に少数例配合されています。 他に竜胆を服用すると胃液分泌を促進して胃腸の機能を高め、食欲不振、 胃酸過多、胃痛、胸やけ、消化不良などの症状を緩和させます。 竜胆を煎じる場合は 竜胆約2グラムを水200ccから300ccの中に入れて弱火で 15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、 1日数回に分けて服用します。 (味が苦手な方は蜂蜜や甘味料などで甘味をつけても結構です。) 竜胆と他の薬草(艾葉、ゲンノショウコ、重薬など)と一緒に煎じて 服用しても良いです。 竜胆の粉末を服用する場合 竜胆の粉末を1日0.2グラムから0.5グラム(小さじ1/4杯から1/3杯) を目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、 お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約0.5グラムです。) 「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合は オブラードに包んで服用しても結構です。 竜胆の粉末を単独で服用しても良いが、牛乳、野菜ジュース、スープ などに混ぜて服用しても良いですし、小麦粉と混ぜて料理に使用されても 結構です。 |
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生薬との組み合わせ | |
竜胆+黄連・・・・竜胆と黄連を組み合わせる事により胃腸や胆のうや肝臓の炎症を 取り除く効能が期待できます。 竜胆+黄柏・・・・竜胆と黄柏を組み合わせることにより 腎臓、膀胱などの 下焦にある熱を取り除き、利尿を促す効能が期待できます。 竜胆+茵陳蒿+山梔子・・・・竜胆と茵陳蒿と山梔子を組み合わせることにより 黄疸を取り除く効果が期待できます。 竜胆+柴胡+黄ゴン・・・・竜胆と柴胡と黄ゴンを組み合わせる事により 胆のうや肝臓の炎症を取り除く効能が期待できます。 |
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竜胆を含む漢方処方 | |
竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ) 疎経活血湯(ソケイカッケツトウ) 瀉青丸(シャセイガン) 立効散(リッコウサン) など |
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参考資料 | |
特になし | |
その他 | |
特になし | |
注意事項 | |
①本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因に なることがあります。 ②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 ③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 ④幼児の手の届かない所に保管してください。 ⑤他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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参考文献 | |
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
竜胆(リンドウ)の写真 | |
竜胆(リンドウ)ー花 | 竜胆(リュウタン)ー刻み |
竜胆(リュウタン)ー粉末 | |