竜眼肉(龍眼肉)ーりゅうがんにくーリュウガンニク | |
基原植物和名 | |
竜眼、りゅうがん、リュウガン | |
生薬名 | |
竜眼肉、龍眼肉、りゅうがんにく、リュウガンニク 円眼、桂円、けいえん、ケイエン、桂円肉 |
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基原植物学名(ラテン語名) | |
Longan Arillus | |
生薬英語名 | |
Longan Aril | |
植物英語名 | |
Euphoria longan Lamarck | |
分布 | |
竜眼(りゅうがん リュウガン)はユーフォリア属ーむくろじ科に属する植物で生産地として 中国南部から台湾、フィリピン、ベトナムなどの東南アジアやインドなどの広範囲に分布している 常緑高木植物です。 日本では沖縄県、鹿児島県などで栽培されています。 竜眼肉は神農本草経の上品に記載されており、内容として 「龍眼。一名益智。味甘平。生山谷。治五藏邪気。安志厭食。久服強魂魄。聰察。輕身不老。通神明。」 と書かれています。 竜眼肉は日本薬局方に記載されています。 龍眼の名前の由来は丸い果実の中にある種子が龍の目に例えてこう名付けられました。 昔は粒が大きい商品を「虎眼」、粒が中ぐらいを「竜眼」、小粒を「人眼」、最小粒を「鬼眼」と言いました。 日本では万治2年(1659年)に薩摩藩主ー島津光久が今の指宿市ー山川に リュウガンの木を植えその木は樹齢300年と言われ、今でも果実を実らせます。 この山川薬園は鹿児島(薩摩藩内)では一番古い薬草園です。 山川薬園の他に吉野薬園、佐多薬園などが薩摩藩の三大薬園と言われ、リュウガンの他に レイシ、キコク、オオバゴムノキ、アカテツ、カンラン、ガジュマル、バンジロウ、 フトモモ、クワズイなどの南方系の植物が栽培されていました。 薩摩地方には三大薬園の他に他に小さな薬園が多数ありましたが、現存しているのは佐多薬園 と山川薬園跡のみになりました。 佐多薬園はリュウガンが沢山植えられていたので別名「竜眼山」と言われました。 大河ドラマで有名な篤姫はレイシやリュウガンが大変好物だったらしく、山川や吉野、佐多 などの薬草園でとれた果実を蜂蜜漬けにして送った記録が残っています。 他にも彼女はビワが好物だったらしく、彼女が眠る上野寛永寺の霊廟の周りに3本の枇杷の木が植えられています。 一番下の竜眼の果実の写真は指宿市山川在住の人にご無理を言いまして送って頂いた写真です。 この場を借りましてお礼を申し上げます。 |
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特徴・形態 | |
龍眼の特徴として樹高は5メートルから10メートルぐらいの雌雄異株で幹は硬く黒褐色です。 幹には毛が無いが小枝には褐緑色の毛があります。 葉は互生し葉は羽状複葉で小葉は2対から5対で構成されており、葉の形は長楕円形で葉の色は葉の表面 に光沢がある濃緑色です。葉の質は革質です。 花ですが春先から初夏にかけて葉腋から花茎を伸ばし、短毛のある円すい花序に芳香のある黄白色の花 を多数付けます。 果実は秋に果実を付けます。果実の直径は約2センチぐらいで熟すと果実の表面は淡褐色の硬い殻になります。 果実はブドウの房のように一度に多く実らせます。 果実の形は球形で細かい突起があり、果実の中には仮種皮と1個の種子があり、 仮種皮はゼリー状の乳白色で果汁が多く含まれております。種子は果実の中心部にあり、色は黒褐色です。 この種子を龍の眼に例えて「竜眼」と名付けられました。 果実は殻が剥きやすく、多汁で甘みがあって美味しく、生食や乾燥品にして食されています。 リュウガンはレイシと同じくムクロジ科の植物ですがレイシに比べれば果実は小さいです。 しかし、レイシよりは果実の収穫が多いです。後、果実に含まれる種子もレイシより大きいです。 |
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成分 | |
龍眼の果実の成分はスクロース、グルコース、ショ糖、脂肪、酒石酸、窒素化合物、 可溶性含窒素化合物、ビタミンA、ビタミンB1などが含まれております。 |
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使用部位 | |
リュウガンの殻と核仁との間にある白い仮種皮 (生薬名 竜眼肉 りゅうがんにく リュウガンニク)(日本薬局方) |
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採取時期と管理・保存方法 | |
リュウガンの採取時期ですが7月から10月に熟した果実を採取し、果皮を取り除いてから湯通しをし、 それから種子を包む仮種皮だけを採取して日干し乾燥します。 |
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薬効、服用方法 | |
竜眼肉を服用すると滋養強壮、病後の体力回復、補血作用、貧血予防、鎮静、神経の高ぶりを抑える、 不眠、物忘れ防止(健忘症)などに効果があると言われます。 竜眼肉を煎じる場合は 竜眼肉約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程 煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて服用します。 竜眼肉と他の薬草(艾葉、ゲンノショウコ、重薬など)と一緒に煎じて服用しても良いです。 竜眼肉は漢方の「補血薬(養血薬)」と言われ、竜眼肉の他に「当帰」、「地黄(熟地黄)」、 「阿膠」、「何首烏」、「枸杞子」などが補血薬と言われます。 |
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竜眼肉の薬用酒 | |
竜眼肉を薬用酒として服用すると滋養強壮、病後の体力回復、疲労回復、不眠、健忘症などに効果があります。 竜眼肉の薬用酒の作り方ですが 竜眼肉・・・200グラム 氷砂糖・・・200グラム又はグラニュー糖200グラム ホワイトリカー・・・1.8リットル (他に色々な薬草を混ぜてミックス薬用酒を作っても良いです。) これらの品を容器に入れて約3か月ほど直射日光の当たらない場所で熟成させます。 熟成させる時に出来るだけ空気に触れないようにしっかり密封して下さい。密閉できる容器を使用して下さい。 空気に触れると味が変わる恐れがあります。 30日に1回は中身を2回から3回程振って均等に成分が出るようにしてください。 人によっては味の好みが異なりますので、30日に1回は味見をしてお好みの味であれば薬草を 引き上げても結構です。 3か月ほど熟成させたら木綿の布かコーヒー用の濾過紙で濾過しながら薬草を取り出し、 杯1杯を目安に服用します。 飲みにくい場合は蜂蜜や水飴、砂糖で味を調えても結構です。 |
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生薬との組み合わせ | |
竜眼肉+当帰+人参・・・竜眼肉と当帰と人参を組み合わせることにより補血(増血)作用が高まります。 (漢方処方 帰脾湯、加味帰脾湯) 竜眼肉+枸杞子・・・竜眼肉と枸杞子を組み合わせることにより滋養強壮、病後の体力回復、 疲労回復などの薬効があります。 竜眼肉+肉従蓉・・・竜眼肉と肉従蓉を組み合わせることにより滋養強壮、病後の体力回復、 疲労回復などの薬効があります。 |
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竜眼肉を含む漢方処方 | |
加味帰脾湯 帰脾湯 など他多数の漢方処方があります。 |
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参考資料 | |
神農本草経ー上品 「龍眼。一名益智。味甘平。生山谷。治五藏邪気。安志厭食。久服強魂魄。聰察。輕身不老。通神明。」 |
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その他 | |
特になし | |
注意事項 | |
①本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因に なることがあります。 ②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 ③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 ④幼児の手の届かない所に保管してください。 ⑤他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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ご相談、ご質問 | |
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参考文献 | |
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
竜眼(リュウガン)の写真 | |
竜眼(リュウガン)ー果実 | 竜眼肉(リュウガンニク)ー原型 |