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黄膚 幹と葉
黄柏 幹と葉
黄柏 樹皮 刻み
中国産
黄柏 樹皮 刻み
黄柏 樹皮 表皮
日本産
黄柏 樹皮 表皮
黄柏 樹皮 裏皮
日本産
黄柏 樹皮 裏皮
黄柏 樹皮 刻み
日本産
黄柏 樹皮 刻み 日本産
黄柏 樹皮 粉末
黄柏 樹皮 粉末
黄檗 黄蘗 黄柏 おうばく オウバク キハダ きはだ
和名
黄膚 黄肌 きはだ キハダ キワダ
生薬名
黄檗 黄蘗 黄柏 川柏 おうばく オウバク 柏皮(ハクヒ はくひ) 柏葉(ハクヨウ はくよう)
学名
Phellodendron amurense
分布
キハダはミカン科ーキハダ属に属する植物で北海道から本州、四国、九州の日本各地と朝鮮半島から
中国東北部の山間部に生えている落葉樹木です。

黄柏は黄膚(きはだ)樹皮で、黄肌(きはだ)の樹皮は2層構造になっており、外側のコルク層をはぎ取ると
内側から黄色の肉皮が出てきます。
これを採取して乾燥させて物を黄檗(おうばく)と言います。

黄柏は日本薬局方に記載されています。

日本にはキハダの他にオオバキハダ、ヒロハキハダ、ミヤマキハダがあり、昔から民間薬や染料として
用いられてきました。

黄柏には防虫効果があり昔は写経用の紙を染めるのに用いられました。
中国の敦煌から出土した経典に黄柏で染めた紙があり、日本では正倉院の宝物殿に「黄紙」、「黄染紙」
があるがそれらは黄柏で染めた物です。

余談・・・日本の伝統色に「黄檗色 (きはだいろ)」と言われる色があり、この色は名前の通り黄柏の色と
一緒の黄色です。

黄柏は神農本草経中薬(中品)に記載されており、内容として
「主五蔵、腸胃中結熱、黄疸、腸痔、止泄痢、女子漏下赤白、陰陽傷、蝕瘡。一名檀垣。生山谷。」
五臓、主に胃炎、腸炎、黄疸、痛みや出血を伴う痔核、下痢便、女子の不正出血、おりもの、
男性器や女性器の傷およびできもの等に効果があります。別名で壇垣、生山谷とも言います。」
と書かれています。

日本では明治時代に活躍した折衷派の漢方医浅田宗伯が書いた古方薬議によると
古方薬議・・・・「味苦寒。結熱、黄疸ヲ主リ、洩利ヲ止メ、カイ心痛、鼻洪、腸風、瀉血ヲ治ス。
と書かれています。

民間薬としてのキハダは日本人にとっては馴染みの深い植物で、古くから薬として利用していた歴史
があり、古くは縄文時代の遺跡から発見されています。
(多分黄柏は染料や薬として利用されていたと思われます。)

黄柏を含んだ有名な民間薬(胃腸病、腹痛の治療薬)として奈良県の高野山や吉野山などで製造
販売されている「陀羅尼助」、長野県の飛騨(木曾)や信州(御嶽山)などで製造販売されている
「百草丸(お百草)」、鳥取県の大山近くで製造販売されている「煉熊」などが日本全国にありますが、
これらのお薬の起源として言い伝えられている話として奈良時代の修験者の役小角(えんのおずぬ)
が疫病が流行って苦しんでいる庶民に黄柏を煎じて助けたと言い伝えがあり、昔から修験者の
常備薬だったようです。

余談・・・京都府宇治市に禅宗の一つの黄檗宗の「黄檗山萬福寺」というお寺があり、黄檗宗の名前の
由来は中国ー唐時代の僧「黄檗希運」の名前に由来するといわれます。
特筆に値する事ではないが(昔からキハダが沢山あったとかキハダに助けられたとかでは無い。)
黄檗宗を開いた開祖は黄柏にこだわりがあったのかどうかは不明である。
特徴・形態
キハダは日のあたる山地に野生する落葉性の高木で雌雄の異株で、樹高は15メートル前後、葉は
対生し、奇数羽状複葉で一つの枝に5枚〜15枚ぐらいの葉を付け、葉の長さは5センチメートル
から20センチメートル位の長さで、形は狭卵形か長楕円形で、比較的薄い葉で葉の色はやや全緑で、
縁には小さな波状の切れ込みがあり、葉の先はとがり縁で低い細きょ歯と毛があり、裏面は白色です。

花期は5月から6月頃で、枝の先に黄緑色で細かい花を多数つけた円すい形の小花をつけます。
がく及び花弁は5枚から8枚で、雄花はおしべが5本あり、雌花はめしべが1本あります。

果実は石果で秋に熟して1センチメートルぐらいの黒い球形になります。果実の中には5個の種子が
あります。

薬用にする樹皮は樹齢10年から15年たった樹木で、樹皮を剥ぐ時期として梅雨の時期から夏の土用
前後が剥ぎやすく、コルク層を除いたものが使われます。
樹皮の外面は灰黄褐色又は淡黄褐色で、外面は厚いコルク質で多数の皮目がありますが、内面は
黄色から黄褐色で細かい縦線があり、なめらかです。
においは殆どなく、味は極めて苦く、粉末に水を加えると粘りが生じます。

材はかたく、加工しやすいので机、洋家具、寄木細工などに使われます。
成分
黄柏の成分としてアルカロイドのベルベリン、パルマチン、フェロデンドリンやマグノフロリン、
ゲアニジン、メニスペリン、フィトステリンエステルなどの成分と苦味質のオーバクノン、リモニンや
粘液質などが含まれております。

ベルベリンは大腸菌などの腸内細菌やコレラ菌、チフス菌、黄色ブドウ球菌などに対して強い殺菌力
と抗菌力、下痢止め効果があります。

余談・・・アルカロイドのベルベリンは黄連にも含まれており、黄柏と同じく消炎性の苦味健胃薬と
して用いられます。(ベルベリンの含有量は黄連より黄柏のほうが多く含まれています。)
使用部位
キハダの表面の外皮を取り除いた内部の黄色樹皮(日本薬局方
採取時期と管理・保存方法
採取は1年中できますが、出来れば梅雨の時期から夏の土用前後に樹皮に1メートル前後の切り傷を
入れて樹皮を剥ぎ取り、樹皮を足で踏んでコルク層を剥がします。
それから内皮を採取して日干しをします。

なぜ梅雨の時期から夏の土用前後に樹皮を剥ぎ取るかと言いますと、この時期はコルク層が剥ぎ
やすい最適な時期で、黄柏に含まれるベルベリン含有量が尤も多い時期だからです。
薬効、服用方法
黄柏は日本薬局方によると止瀉薬及び苦味健胃薬として配合剤(胃腸薬)の原料とする。

漢方処方用薬でもあり、消炎薬とみなされる処方(外用剤も含む)及びその他の処方に
配合されている。

他に黄柏を煎じて服用すると胆汁分泌促進作用、膵液分泌促進作用、軽い利尿作用、健胃・整腸作用、
消炎作用、鎮痛作用などがあり、胃腸病、食欲不振、止瀉、下痢、神経痛、口内炎などの症状に
効果があります。

余談・・・黄柏を服用すれば健胃・整腸作用があると上記で書きましたが、黄柏を含んだ漢方薬は
腎臓、膀胱などの下焦にある熱を取り除き、利尿を促す作用があると言われています。

黄柏を煎じる場合は
黄柏約2グラムから5グラムを水400ccから600ccの中に入れて弱火で15分から20分程煎じて
1日数回服用します。

余談・・・余談ですが昔滋賀県の伊吹山近くの人が「これをかじれば腹痛は一発で治る」と
キハダを見せてくれかじってみましたが、かなり苦かった事を憶えています。

黄柏の粉末の場合は
黄柏の粉末を1日0.5グラムから1グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、
お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても
結構です。

黄柏の粉末約5グラムと同量の山梔子の粉末と小麦粉を一緒に練って打撲や打ち身、
捻挫、神経痛、腰痛、リウマチなどの患部に貼れば消炎、鎮痛作用の効果が期待できます。

黄柏の粉末約5グラムに酢と卵白を加えて練った物でも打撲や打ち身、神経痛、腰痛、リウマチに
効果があります。

黄柏の粉末でうがいをしたり、蜂蜜に混ぜて口内に使用すれば口内炎にも効果があります。
黄柏の入浴剤
黄柏を入浴剤として利用すれば神経痛、リューマチ、打撲、捻挫、打ち身や肌の解熱などに
非常に効果があります。

黄柏の入浴剤の作り方は
黄柏約30グラムを布袋に入れます。(布袋は巾着袋でも、使い古した靴下でも、ストッキングでも
構いません。)

布袋に入れた黄柏を約1リットルぐらいの水と一緒にお鍋かやかんに入れ約15〜20分程煮出し、
煮出し終われば布袋ごと浴槽に入れて下さい。(入浴中に布袋を揉むと成分がよく出ます。)

当店の黄柏は破れにくい入浴剤用の袋に入っております。
(黄柏約30グラムで1袋)

薬草の入浴剤の注意点
@・・・お風呂から出る時には必ず薬草のエキスをシャワーで洗い流して下さい。
薬草のエキスが身体に付着したままにしておくと人によって症状がひどくなる場合があります。

A・・・当日使った薬草の湯は翌日には使用しないでください。
当日使った入浴剤は必ず入浴後に処分してください。

B・・・お風呂の残り湯を洗濯機で使用する場合は衣類に薬草の色が付着する場合があります
ので注意してください。
 
黄柏の薬用酒 
黄柏を薬用酒として服用すると殺菌作用による健胃整腸、下痢止め、食欲不振の解消などに
効果があります。

黄柏の薬用酒の作り方ですが
黄柏・・・100グラム
氷砂糖・・・200グラム又はグラニュー糖200グラム
ホワイトリカー・・・1.8リットル
(他に色々な薬草を混ぜてミックス薬用酒を作っても良いです。)

これらの品を容器に入れて約3か月ほど直射日光の当たらない場所で熟成させます。

熟成させる時に出来るだけ空気に触れないようにしっかり密封して下さい。密閉できる容器を
使用して下さい。空気に触れると味が
変わる恐れがあります。

30日に1回は中身を2回から3回程振って均等に成分が出るようにしてください。
人によっては味の好みが異なりますので、30日に1回は味見をしてお好みの味であれば薬草を
引き上げても結構です。

3か月ほど熟成させたら木綿の布かコーヒー用の濾過紙で濾過しながら薬草を取り出し、杯1杯を
目安に服用します。

飲みにくい場合は蜂蜜や水飴、砂糖で味を調えても結構です。
 
生薬との組み合わせ 
黄柏+山梔子+甘草・・・黄柏と山梔子と甘草を組み合わせることにより肝臓や胆のうの病気が原因
の黄疸やかゆみを伴う皮膚病に用いられます。又、体内に溜まっている体毒を体外に排出させる
解毒剤としても用いられます。
(漢方処方・・・梔子柏皮湯、荊芥連翹湯、柴胡清肝湯、竜胆瀉肝湯)

黄柏+黄連+山梔子・・・黄柏と黄連と山梔子を組み合わせることにより化膿性又は非化膿性の
皮膚病や炎症、熱症状に用いられます。又、体内に停滞している身熱を冷やしたり、体内に溜まって
いる体毒を体外に排出させる作用もあります。
(漢方処方・・・黄連解毒湯、温清飲、荊芥連翹湯、七物降下湯、柴胡清肝湯、竜胆瀉肝湯)

上記の組み合わせは
@・・・アレルギー疾患(アトピー、蕁麻疹、ニキビなどの皮膚病)
A・・・体内の炎症(肝炎、胆のう炎、前立腺炎、膀胱炎などの炎症)
B・・・神経症状(自律神経失調症、高血圧、不眠症、更年期障害などの神経症状)
の症状に効果のある漢方処方に含まれています。

黄柏+蒼朮・・・黄柏と蒼朮を組み合わせることにより下半身のシビレ、炎症、痛みなどの症状に
用いられます。(漢方処方・・・二妙散)

黄柏+蒼朮+牛膝・・・黄柏と蒼朮と牛膝を組み合わせることにより下半身のシビレ、炎症、痛みなど
の症状に用いられます。(漢方処方・・・三妙散)

黄柏+蒼朮+牛膝+ヨクイニン・・・黄柏と蒼朮と牛膝とヨクイニンを組み合わせることにより下半身の
シビレ、炎症、痛みなどの症状に用いられます。(漢方処方・・・四妙散)

黄柏+鬱金・・・鬱金と黄柏を組み合わせる事により鬱金の止血作用と黄柏の殺菌作用、消炎作用が
組み合わさって皮膚の炎症と出血を取り除きます。
(漢方処方・・・中黄膏)

黄柏+犬山椒+楊梅皮・・・楊梅皮粉末と黄柏粉末と犬山椒粉末を組み合わせることにより打撲や捻挫
打ち身などの鬱血を取り除く作用があります。楊柏散(はくようさん)・・・浅田家方ー出典
黄柏を含む漢方処方
黄連解毒湯(外台秘要=第一巻、肘後方=傷寒時気温病門

温清飲(万病回春

荊芥連翹湯(万病回春)

梔子柏皮湯(傷寒論陽明病

七物降下湯(大塚敬節

柴胡清肝湯(一貫堂=森道伯)

竜胆瀉肝湯(薜氏十六種=下疳門、一貫堂=森道伯=別名 家方竜胆瀉肝湯)

半夏白朮天麻湯(脾胃論)

清熱補血湯(証治準縄)

滋陰降火湯(万病回春)

二妙散

三妙散

四妙散
参考資料
神農本草経ー中品
「主五蔵、腸胃中結熱、黄疸、腸痔、止泄痢、女子漏下赤白、陰陽傷、蝕瘡。一名檀垣。生山谷。」

古方薬議

「味苦寒。結熱、黄疸を主り、洩利を止め、カイ(※1)心痛、鼻洪、腸風、瀉血を治す。」
(※1 カイ=虫+尤)
その他
昔は目の病には黄柏の煎じた液体で目を湿布する方法がありましたが、今はされないほうがよいと
思います。
参考文献
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑
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