木瓜ーもっかーモッカ | |
基原植物和名 | |
花梨、花櫚、かりん、カリン 木瓜、ぼけ、ボケ 安蘭樹、あんらんじゅ、アンランジュ |
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生薬名 | |
木瓜、もっか、モッカ 和木瓜、わもっか、ワモッカ 木瓜実、もっかじつ、モッカジツ メイサ 光皮木瓜 |
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基原植物学名(ラテン語名) | |
Chaenomelis fructus | |
生薬英語名 | |
Chaenomeles Fruit | |
植物英語名 | |
カリン・・・Chaenomeles sinensis Koehne ボケ・・・Chaenomeles speciosa Nakai |
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分布 | |
花梨(かりん)はカリン属ーバラ科の植物で原産国は中国で日本全国および 中国、朝鮮半島、アメリカ、フランスなどで栽培されている落葉高木です。 日本に渡来した時期は不明ですが古くより伝わったことは確かです。 戦国時代に活躍した織田信長はボケの花をデザインにした 「織田家紋(織田木瓜)」を家紋としていました。 花梨は暑さ寒さに強く、家の庭などでよく見られます。 花梨の仲間に「ボケ(木瓜)」、「クサボケ、シドミ(草木瓜)」 と言う植物があり、草木瓜は日本原産です。 余談・・・・人によってボケやクサボケを「木瓜」、「和木瓜」 と言いますが、日本薬局方外生薬規格ではカリンを木瓜と規定しており、 当店では「カリン=木瓜(モッカ)」、 「ボケ=皺皮木瓜(シュウヒモッカ)」、 「クサボケ=和木瓜(ワモッカ)」と書かせていただきます。 香川県にまんのう町と言う町があり、まんのう町の町の木は「かりん」で、 町の特産品のカリンをアピールした「かりん温泉」、 「かりん会館」などがあります。 余談・・・お坊さんが読経の時に打ち鳴らす木魚ですが、 花梨や桑で作った木魚は最高級木魚と言われます。 |
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特徴・形態 | |
花梨の特徴として樹高は5メートルから8メートルほどで樹皮は緑褐色で 鱗状に剥げ落ち、剥がれ落ちた跡が雲紋状の跡として残ります。 かりんの樹木は材質が堅くて粘りがあるので家具類、工芸品類に 加工される事もあります。 葉は柄があって互生しており、葉の長さは8センチ程あり、 葉の形は倒卵形又は長倒卵形です。 葉縁から葉柄にかけて腺を伴う鋸歯があります。 葉の下面ですが若葉の頃に綿毛がありますが後に無毛になります。 落葉樹として珍しいのは葉の材質が堅い事です。 花梨の花期は4月から5月頃で淡紅色で楕円形のの花を枝先に単生します。 花は直径3センチ程、花弁は5枚です。 果実は秋から初冬に落葉した枝に長さ10センチほどの倒卵形で 黄色に熟した芳香を放つ果実を多数実らせます。 最初の未熟な果実の時には褐色の毛におおわれていますが成熟すると 光沢がある果実になります。 この果実は表面に光沢があり芳香は良いが食べてみると渋くて 酸味があって堅くてとても食べられる物ではありません。 上記でも書きましたが日本薬局方外生薬規格では 「花梨(カリン)=木瓜(モッカ)、榠櫨(メイサ)」、 「木瓜(ボケ)=皺皮木瓜(シュウヒモッカ)」、 「草木瓜(クサボケ)=和木瓜(ワモッカ)」と言います。 |
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成分 | |
花梨の果実に含まれる成分はリンゴ酸、クエン酸、酒石酸などの有機酸と ショ糖、サポニン、タンニン、アミグダリン、ビタミンCなどが 含まれています。 ボケの果実には花梨と同じくリンゴ酸、クエン酸、酒石酸などの 有機酸を含んでいます。 |
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使用部位 | |
花梨、木瓜、草木瓜の梨果(生薬名 木瓜 もっか モッカ) | |
採取時期と管理・保存方法 | |
木瓜の採取時期ですが、秋から初冬頃に黄色く熟した果実を採取して、 果実を4分の1の大きさに縦割りカットしてから日干し乾燥させます。 |
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薬効、服用方法 | |
木瓜を服用すると鎮咳作用、去痰作用、鎮痙作用、利尿作用などがあり、 咳止め、喘息の症状の緩和、感冒などが期待できます。 当店が使用しております煎じる木瓜は日本産(和木瓜)と 中国産(木瓜)です。 木瓜を煎じる場合は 木瓜約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に 入れて弱火で15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、 1日数回に分けて服用します。 (味が苦手な方は蜂蜜や甘味料などで甘味をつけても結構です。) 木瓜と他の薬草(艾葉、ゲンノショウコ、重薬など)と一緒に煎じて 服用しても良いです。 木瓜の粉末を服用する場合 木瓜の粉末を1日3グラムから6グラム(小さじ1杯から2杯)を目安に 水またはぬるま湯で1日数回服用するか、お湯に混ぜて服用してください。 (小さじ半分ぐらいが約1グラムです。) 「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合は オブラードに包んで服用しても結構です。 |
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木瓜の薬用酒 | |
カリンを薬用酒として服用すると咳止め、滋養強壮、疲労回復 などに効果があります。 カリンの薬用酒の作り方ですが カリン・・・200グラム 氷砂糖・・・200グラム又はグラニュー糖200グラム ホワイトリカー・・・1.8リットル (他に色々な薬草を混ぜてミックス薬用酒を作っても良いです。) これらの品を容器に入れて約3か月ほど直射日光の当たらない場所で 熟成させます。 熟成させる時に出来るだけ空気に触れないようにしっかり密封して下さい。 密閉できる容器を使用して下さい。 空気に触れると味が変わる恐れがあります。 30日に1回は中身を2回から3回程振って均等に成分が出るように してください。 人によっては味の好みが異なりますので、30日に1回は味見をして お好みの味であれば薬草を引き上げても結構です。 3か月ほど熟成させたら木綿の布かコーヒー用の濾過紙で濾過しながら 薬草を取り出し、杯1杯を目安に服用します。 飲みにくい場合は蜂蜜や水飴、砂糖で味を調えても結構です。 |
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生薬との組み合わせ | |
特になし | |
木瓜を含む漢方処方 | |
鶏鳴散加茯苓(木瓜を配合) など |
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参考資料 | |
特になし | |
その他 | |
特になし | |
注意事項 | |
①本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因に なることがあります。 ②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 ③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 ④幼児の手の届かない所に保管してください。 ⑤他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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ご相談、ご質問 | |
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参考文献 | |
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
木瓜(モッカ)の写真 | |
花梨(カリン)ー花 | 花梨(カリン)ー果実 |
木瓜(ボケ)ー花 | 木瓜(ボケ)ー果実 |
木瓜(モッカ)ー刻み | 木瓜(モッカ)ー粉末 |
皺皮木瓜(シュウヒモッカ)ー刻み | |