虎杖根ーこじょうこんーコジョウコン | |
基原植物和名 | |
虎杖、痛取、いたどり、イタドリ、スカンポ | |
生薬名 | |
虎杖根、こじょうこん、コジョウコン | |
基原植物学名(ラテン語名) | |
Polygonum cuspidatum | |
生薬英語名 | |
Polygonum cuspidatum | |
植物英語名 | |
Polygonum cuspidatum | |
分布 | |
虎杖(いたどり)はタデ属ーたで科に属する植物で分布地として日本各地、朝鮮半島、 台湾、中国の温暖な地域の山野や道端に多く生える大形多年草の植物です。 イタドリの名前の由来は痛みをとる薬効が含まれているので「イタドリ」 と言われるようになりました。 昔は信州の山村では擦り傷、切り傷にイタドリの若葉を揉んで患部に当てると 痛みを出血が治まると言われて利用された歴史があります。 ついでに虎杖の名前の由来は茎が杖のように見えて、其の茎に虎のような 斑点があるので「虎杖」と言われるようになりました。 イタドリは春にでる若芽を皮を剥いで塩を付けて食したり、お湯で茹でて 食したりする地方もあります。 江戸時代には甘草とイタドリの根茎を一緒に煎じて、それを冷やしてから 服用していました。 この商品名を「冷飲子(れいいんし)」と言い、夏の咽喉の渇きを癒したり、 咳止めとして服用されていました。 イタドリの葉は戦時中に不足した煙草の葉の代わりに代用タバコの原料にした 歴史があります。 東北、北海道には草丈が約3メートル、葉の大きさが30センチぐらいの オオイタドリと言われる植物が自生しています。 イタドリもオオイタドリも薬効は変わりません。 徳島県の美郷ではイタドリジュースを販売しています。 余談・・・植物は子孫を残すために花から蜜を出し、蜜を目当てに来た蜂や 蝶の力を借りて受粉をして子孫を残します。 植物によっては蜜を出す器官が花だけでは無い植物が多々あります。 花以外から蜜を出す器官を「花外蜜腺」と言います。 イタドリは花以外に葉柄の基部から蜜を出します。葉柄の基部から出る 蜜は蟻が吸います。 イタドリの葉は蛾やイモムシなどの色々な昆虫に食べられやすい葉で、 葉から蜜を出すことにより蟻が集まり、他の昆虫を追い払ってくれます。 花から出る蜜は花粉を運んでくれる蝶や蜂を引きつけるために出し、 葉などから出る蜜は蟻を引き寄せるために出します。 花外蜜腺を持っている植物は 「アカメガシワ」・・・葉に蜜腺がある。 「ソメイヨシノ」・・・葉身基部か葉柄に蜜腺がある。 「ヘチマ」・・・葉腋の小さな葉の背面に蜜腺がある。 「サツマイモ」・・・葉身基部か葉柄に蜜腺がある。 「キササゲ」・・・葉柄の基部に蜜腺がある。 |
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特徴・形態 | |
イタドリの特徴として草丈は50センチから150センチほどで茎は直立していますが 茎の上部は傾斜しています。 茎は太いですが内部には空洞があり、茎のには紅色又は紅紫色の斑点が点在します。 茎から上部にかけて枝が沢山枝分れをします。 イタドリの若芽は春先にタケノコ状に伸びます。若芽には紅紫色の斑点があります。 地方によっては若芽の皮を剥ぎ取り、塩を付けて食したり、塩漬けにして冬場の保存料理に したりする地方もあります。 葉は互生し、葉の形は卵状楕円形又は広卵形で、葉の長さは6センチから12センチ ぐらいで葉の先は鋭尖頭です。 花は6月~8月の夏に茎先又は葉えきの円すい花序に白色又は淡緑色の小さな花を咲かせます。 花は小花が房状にかたまって沢山つきます。イタドリは雌雄異株の植物です。 果実は花が散った後に三翼又は三稜のあるそう果をつけます。そう果ははね状の宿存がく に包まれています。 根茎は大きくて材質は木質で、地中を長く這うように成長します。 |
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成分 | |
虎杖に含まれる成分として主成分はオキシアントラキノン誘導体のポリゴニン、 エモジンなどが主成分で、根にアントラキノン配糖体のポリゴニン、エジン、 ポリダチン、レスベラトロール、エモディン、フィスシオン、クリソファノール などを含んでおります。 葉にはビタミンC、レイノウトリンなどが含まれております。 オキシアントラキノン誘導体のポリゴニン、エモジンには緩下作用、 利尿作用があります。 |
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使用部位 | |
虎杖の根茎(生薬名 虎杖根(こじょうこん コジョウコン)) | |
採取時期と管理・保存方法 | |
虎杖根の採取時期は秋から冬にかけて地上部が枯れた頃に根茎を掘り起こし、 水洗いをした後に細いヒゲ根を取り除き、細かく刻み、風通しの良い場所で 日干し乾燥します。 |
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薬効、服用方法 | |
虎杖根を煎じて服用すると利尿作用、常習便秘改善作用があり、利尿、慢性便秘などに 効果があると言われます。 虎杖根を煎じる場合は 虎杖根約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で 15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、 1日数回に分けて服用します。 (味が苦手な方は蜂蜜や甘味料などで甘味をつけても結構です。) 虎杖根と他の薬草(重薬、艾葉、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて 服用しても良いです。 虎杖根の粉末の場合は 虎杖根の粉末を1日3グラムから6グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回 服用するか、お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。) 「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに 包んで服用しても結構です。 |
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生薬との組み合わせ | |
特になし | |
虎杖根を含む漢方処方 | |
特になし | |
参考資料 | |
特になし | |
その他 | |
特になし | |
注意事項 | |
①本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因に なることがあります。 ②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 ③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 ④幼児の手の届かない所に保管してください。 ⑤他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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参考文献 | |
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
虎杖(イタドリ)の写真 | |
虎杖(イタドリ)ー茎、葉 | 虎杖(イタドリ)ー花 |
虎杖根(コジョウコン)ー刻み | |