本文へスキップ

薬用植物ー生薬ー薬草ー健康茶ー橘皮ーきっぴーキッピについて。やなぎ堂薬局

TEL / 089-921-9401

〒790-0014 愛媛県 松山市 柳井町 1-14-1

橘皮ーきっぴーキッピ Citrus unshiu peel

橘皮ーきっぴーキッピのご紹介

 橘皮ーきっぴーキッピ
 基原植物和名
蜜柑、みかん、ミカン 

温州みかん、温州蜜柑

柑子蜜柑、こうじみかん、コウジミカン
 生薬名
橘皮、きっぴ、キッピ
基原植物学名(ラテン語名) 
温州みかん・・・Citrus unshiu Marcowicz

タチバナ・・・Tachibana Pericarpium
生薬英語名 
Citrus unshiu peel
 植物英語名
Citrus tachibana Tanaka
 分布
ミカン(温州みかん)はミカン属ーみかん科の植物で、薬用部分は完熟前の
青い状態の果実の果皮を採取し、乾燥させた物やオレンジ色に完熟した果実を
蒸してから果皮を採取し、乾燥させた物などが薬用として用います。

橘皮は古代中国の書物の「神農本草経」の上薬(上品)に記載されており、
内容として
神農本草経ー上品・・・「橘柚。一名橘皮。味辛温。生川谷。治胸中か(※)
熱逆氣。利水穀。久服去臭下氣。通神。

と書かれています。
(※)か=ヤマイダレ+暇の日を取り除いた右側の漢字

日本では「古方薬議」に書かれており、それによると
古方薬議・・・「主治吃逆也。旁治胸痺。停痰。」と書かれています。

後、薬徴にも書かれており、薬徴によると
薬徴・・・「味辛温。逆気ヲ主リ、嘔、咳ヲ止メ、痰涎ヲ消シ、
胃ヲ開キ、水穀ヲ利シ、魚醒ノ毒ヲ解ス。

と書かれています。

生薬として使うミカンの皮には色々あります。

①・・・完熟前の緑色の状態の果皮を生薬名で青皮(せいひ)と言います。

②・・・オレンジ色に完熟した果皮を生薬名で橘皮(きっぴ)と言います。

③・・・その橘皮より古い果皮を生薬名で陳皮(ちんぴ)と言います。

橘皮は日本薬局方に記載されています。

京都御所には「左近の桜」、「右近の橘」があります。これは御所から見て
右側に橘の樹、左側に桜の樹を植えたものです。
京都御所の紫宸殿をモデルにした雛祭りの雛飾りも同様に「左近の桜」、
「右近の橘」があります。

みかんはインドから東南アジアが原産地と言われ、その後に中国で栽培されて
から日本に渡来して、日本で色々と品種改良が行われ、現在約30種類のミカンの
仲間があるそうです。
その中でも一般的なミカンが温州みかんと言われます。

現在、ミカンの栽培は日本の中部から南部の気候が温暖な地域で栽培されており、
特に愛媛県、和歌山県、静岡県が主な栽培地とされています。

余談・・・ミカンは英名で「マンダリンオレンジ」や「サツマオレンジ」と言われ、
四国アイランドリーグの愛媛県のチーム名がミカンにちなんで
「愛媛マンダリン・パイレーツ」です。
特徴・形態 
ミカン(温州みかん)の特徴として樹高が最大3メートルほどの木で刺は無く、
楕円形の葉を付け、花期は5月から6月で、白色の小さな5枚の花びらの花
を咲かせます。

やがて円形で緑色の果実が実り初め、夏から秋、冬にかけて果実が鮮やかな
橙色に熟します。
熟した果実は酸味と甘味を多く含んでおり、果肉は軟らかくて
みずみずしいです。

薬用部分として6月から夏に付けた緑色の果実を採取して果皮を天日で
乾燥した物(生薬名 青皮)や冬に橙色に熟した果実を採取して果皮を
天日で乾燥させた物(生薬名 橘皮、陳皮)を用います。

(橘皮は日本薬局方に記載されています) 
成分 
橘皮には精油成分のdーリモネン、γーテルピネン、フラボン配糖体類、
ペクチン、クエン酸、シネフリン、ルチン、ヘスペリジンなどを
含んでおります。
使用部位 
オレンジ色に完熟したミカンの果実(温州みかん)の果皮の部分
(生薬名 橘皮 きっぴ キッピ)(日本薬局方
採取時期と管理・保存方法 
橘皮の採取時期は夏場に緑色で大きくなった果実の外果皮秋を採取し、
日陰干しを行って乾燥させた物か、冬の温州みかんがオレンジ色に
完熟した時に外果皮を採取し、日陰干しを行って乾燥させます。

余談・・・橘皮は出来るだけ古い物が良いと言われ、自分で採取、
乾燥を行い、使用する場合は1年以上乾燥させた物を使用しましょう。
 薬効、服用方法
参考・・・市販のミカンの皮を橘皮として使用する場合
市販のミカンには農薬、ワックスなどを使用している場合がありますので注意が必要です。

橘皮は日本薬局方によると主として漢方処方用薬である。健胃消化薬、鎮咳去痰薬とみなされる
処方及びその他の処方に比較的高頻度で配合されている。

橘皮を服用すると咳嗽、切れの悪い痰(湿痰)を伴う風邪症状緩和作用や芳香性健胃薬として
食欲不振、嘔吐、消化不良などを鎮める作用があり咳嗽、去痰、食欲不振、消化不良、
駆風などに効果があると言われます。

橘皮を煎じる場合は
橘皮約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から
20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて服用します。

陳皮と他の薬草(重薬、艾葉、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて服用しても良いです。

橘皮の粉末の場合は
橘皮の粉末を1回量約1グラム~2グラムを目安に1日数回服用します。

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで
服用しても結構です。

橘皮の粉末を単独で服用しても良いが、牛乳、野菜ジュース、スープなどに混ぜて
服用しても良いですし、小麦粉と混ぜて料理に使用されても結構です。
橘皮の入浴剤 
橘皮を入浴剤として利用すれば身体をポカポカと暖め、風邪予防、血行促進による肩こり、
腰痛、疲労回復に非常に効果があります。

他にビタミンCによる美肌効果とリモネンによるリラックス作用も期待出来ます。

橘皮と柚子皮を併用するとより効果が高まります。

橘皮の入浴剤の作り方は
橘皮約30グラムを布袋に入れます。(布袋は巾着袋でも、使い古した靴下でも、
ストッキングでも構いません。)

布袋に入れた陳皮を約1リットルぐらいの水と一緒にお鍋かやかんに入れ約15~20分程
煮出し、煮出し終われば布袋ごと浴槽に入れて下さい。
(入浴中に布袋を揉むと成分がよく出ます。)

橘皮単独で入浴剤を作っても良いですがヨモギ、川キュウ、当帰などを混ぜて入浴剤を作れば
より高い効果を得ることが出来ます。

薬草の入浴剤の注意点
①・・・お風呂から出る時には必ず薬草のエキスをシャワーで洗い流して下さい。
薬草のエキスが身体に付着したままにしておくと人によって症状がひどくなる場合
があります。

②・・・当日使った薬草の湯は翌日には使用しないでください。当日使った入浴剤は
必ず入浴後に処分してください。

③・・・お風呂の残り湯を洗濯機で使用する場合は衣類に薬草の色が付着する場合が
ありますので注意してください。 
生薬との組み合わせ 
橘皮+菊花+麦門冬・・・橘皮と菊花と麦門冬を組み合わせることにより上昇した気を
下して、精神を安定させる作用があります。
(漢方処方・・・釣藤散)
橘皮を含む漢方処方 
釣藤散

橘皮湯

補中冶湿湯

橘皮枳実生姜湯

橘皮半夏湯

神秘湯(陳皮を使う場合と橘皮を使う場合がある。)

竹ジョ(※)温胆湯 (※ジョ=くさかんむり+如)

茯苓飲(原本の金匱要略では橘皮を使うが、現在の処方では陳皮を使う)
など
参考資料 
神農本草経ー上品
橘柚。一名橘皮。味辛温。生川谷。治胸中か(※)熱逆氣。利水穀。久服去臭下氣。通神。
(※)か=ヤマイダレ+暇の日を取り除いた右側の漢字

薬徴
主治吃逆也。旁治胸痺。停痰。

古方薬議
味辛温。逆気ヲ主リ、嘔、咳ヲ止メ、痰涎ヲ消シ、胃ヲ開キ、水穀ヲ利シ、魚醒ノ毒ヲ解ス。
その他 
上記で橘皮は温州みかんの成熟果皮を指すと書きましたが、
元々日本では柑子蜜柑(こうじみかん)を陳皮として使用していましたが
酸味が強く食しにくい事が原因で年々栽培量が減少して、
今では安定した生産量が見込まれる温州みかんの新しい果皮を
陳皮として用いるようになりました。

陳皮の陳(ちん)は古いと言う意味があり、蜜柑の皮は古ければ古い
ほど薬効が高まります。
未成熟前の青いミカンの皮は「青皮(せいひ)」と言います。
成熟後の新しいオレンジ色のミカンの皮は「橘皮(きっぴ)」と言います。
成熟後の古いオレンジ色のミカンの皮は「陳皮(ちんぴ)」と言います。

詳しく書きますと
青いミカンの皮⇒青皮、オレンジ色のミカンの皮⇒橘皮、オレンジ色だが
古いミカンの皮⇒陳皮と分けられます。

参考・・・陳皮と橘皮と青皮は成分と効能、効果には余り違いがありませんが、
若干ですが異なる効き目があります。

① 陳皮の場合
陳皮は主に食欲不振、嘔吐、痰の絡む咳嗽などの胃弱、胃内停水による
咳症状に効果があります。
陳皮は古い果皮ので製油成分のリモネンが少なくなっています。

② 橘皮の場合
橘皮は陳皮と同じく健胃、咳止めなどの症状に効果がありますが、
理気剤として気の流れをスムーズにして身体全体に行き渡らせる効果
があります。
橘皮は新しい果皮なので製油成分のリモネンが多く含まれています。

③ 青皮の場合
青皮は食欲不振解消(これは陳皮と同じ)、消化不良解消(陳皮より強い)、
胸痛、脇腹、乳房の痛み、乳房の炎症の解消などの効果があります。
ご相談、ご質問 
インターネット販売は実施しておりません。店頭での販売になります。

生薬、薬草のご相談、ご質問、商品価格はお電話、FAX、メールで
お問い合わせください。

やなぎ堂薬局 電話場号はこちら 089-921-9401
やなぎ堂薬局 FAX番号.こちら 089-921-9401
メールでお問い合わせ メールはこちらをクリック
で受け付けております。

最近お客様より「相談や注文をしたが返信が無い」と御叱りをいただきます。
当店は当日又は翌日には必ず返信をしております。

もし、2日、3日待ってもご返事がない場合はお手数ですがもう一度お問い合わせください。
必ず返答はいたします。

当店からの返信メールが届かないお客様へ
当店からお客様へ返信したメールがお客様の迷惑メールフォルダにある事例が多々あります。

「返信が来ない。」と思われたらお客様の迷惑メールフォルダを見てください。

当店のメールがお客様の迷惑メールフォルダにございましたらご面倒ですが別のアドレスで
当店へ返信をお願いします。 
参考文献 
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 
橘皮(キッピ)の写真 
温州みかんー果実 橘皮ー果皮
温州みかんー果実
 
橘皮ー果皮
 


ナビゲーション

バナースペース

やなぎ堂薬局

〒790-0014
愛媛県 松山市 柳井町 1-14-1

TEL 089-921-9401
FAX 089-921-9401

copyright©2004-2024yanagidou pharmacy all rights reserved.

サブナビゲーション