ミカン 橘皮 
果実
みかん 果実
橘皮 果皮
橘皮 果皮
橘皮 キッピ
和名、植物名
蜜柑 みかん ミカン 温州みかん 温州蜜柑 柑子蜜柑 こうじみかん コウジミカン
生薬名
橘皮 きっぴ キッピ
学名
Citrs unshiu Marcov
分布
ミカン(温州みかん)はミカン属ーみかん科の植物で、薬用部分は完熟前の青い状態の果実の果皮を採取し、乾燥させた物や
オレンジ色に完熟した果実を蒸してから果皮を採取し、乾燥させた物などが薬用として用います。

橘皮は古代中国の書物の「神農本草経」の上薬(上品)に記載されており、内容として
神農本草経ー上品・・・「橘柚。一名橘皮。味辛温。生川谷。治胸中か(※)熱逆氣。利水穀。久服去臭下氣。通神。
と書かれています。(※)か=ヤマイダレ+暇の日を取り除いた右側の漢字

日本では「古方薬議」に書かれており、それによると
古方薬議・・・「主治吃逆也。旁治胸痺。停痰。」と書かれています。

後、薬徴にも書かれており、薬徴によると
薬徴・・・「味辛温。逆気ヲ主リ、嘔、咳ヲ止メ、痰涎ヲ消シ、胃ヲ開キ、水穀ヲ利シ、魚醒ノ毒ヲ解ス。
と書かれています。

生薬として使うミカンの皮には色々あります。

@・・・完熟前の緑色の状態の果皮を生薬名で青皮(せいひ)と言います。

A・・・オレンジ色に完熟した果皮を生薬名で橘皮(きっぴ)と言います。

B・・・その橘皮より古い果皮を生薬名で陳皮(ちんぴ)と言います。

橘皮は日本薬局方に記載されています。

京都御所には「左近の桜」、「右近の橘」があります。これは御所から見て右側に橘の樹、左側に桜の樹を植えたものです。
京都御所の紫宸殿をモデルにした雛祭りの雛飾りも同様に「左近の桜」、「右近の橘」があります。

みかんはインドから東南アジアが原産地と言われ、その後に中国で栽培されてから日本に渡来して、日本で色々と品種改良が
行われ、現在約30種類のミカンの仲間があるそうです。
その中でも一般的なミカンが温州みかんと言われます。

現在、ミカンの栽培は日本の中部から南部の気候が温暖な地域で栽培されており、特に愛媛県、和歌山県、静岡県が
主な栽培地とされています。

余談・・・ミカンは英名で「マンダリンオレンジ」や「サツマオレンジ」と言われ、四国アイランドリーグの愛媛県のチーム名が
ミカンにちなんで「愛媛マンダリン・パイレーツ」です。
特徴・形態
ミカン(温州みかん)の特徴として樹高が最大3メートルほどの木で刺は無く、楕円形の葉を付け、花期は5月から6月で、
白色の小さな5枚の花びらの花を咲かせます。

やがて円形で緑色の果実が実り初め、夏から秋、冬にかけて果実が鮮やかな橙色に熟します。
熟した果実は酸味と甘味を多く含んでおり、果肉は軟らかくてみずみずしいです。

薬用部分として6月から夏に付けた緑色の果実を採取して果皮を天日で乾燥した物(生薬名 青皮)や冬に橙色に熟した果実を
採取して果皮を天日で乾燥させた物(生薬名 橘皮、陳皮)を用います。
成分
橘皮には精油成分のdーリモネン、γーテルピネン、フラボン配糖体類、ペクチン、クエン酸、シネフリン、ルチン、ヘスペリジン
などを含んでおります。
使用部位
オレンジ色に完熟したミカンの果実(温州みかん)の果皮の部分(日本薬局方
採取時期と管理・保存方法
橘皮の採取時期は夏場に緑色で大きくなった果実の外果皮秋を採取し、日陰干しを行って乾燥させた物か、冬の温州みかんが
オレンジ色に完熟した時に外果皮を採取し、日陰干しを行って乾燥させます。

余談・・・橘皮は出来るだけ古い物が良いと言われ、自分で採取、乾燥を行い、使用する場合は1年以上乾燥させた物を
使用しましょう。
薬効、服用方法
考・・・市販のミカンの皮を橘皮として使用する場合
市販のミカンには農薬、ワックスなどを使用している場合がありますので注意が必要です。

橘皮を煎じる場合は
橘皮約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は
取り除き、1日数回に分けて服用します。
(味が苦手な方は蜂蜜や甘味料などで甘味をつけても結構です。)

橘皮と他の薬草(重薬、艾葉、ヨクイニン、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて服用しても良いです。

橘皮の粉末の場合は
橘皮の粉末を1日量約3グラム〜6グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、お湯に混ぜて服用してください。
(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても結構です。
橘皮の入浴剤 
橘皮を入浴剤として利用すれば保温、血行促進、体の痛みの緩和などに非常に効果があります。

橘皮の入浴剤の作り方は
橘皮約30グラムを布袋に入れます。(布袋は巾着袋でも、使い古した靴下でも、ストッキングでも構いません。)

布袋に入れた橘皮を約1リットルぐらいの水と一緒にお鍋かやかんに入れ約15〜20分程煮出し、煮出し終われば布袋ごと
浴槽に入れて下さい。(入浴中に布袋を揉むと成分がよく出ます。)

薬草の入浴剤の注意点
@・・・お風呂から出る時には必ず薬草のエキスをシャワーで洗い流して下さい。
薬草のエキスが身体に付着したままにしておくと人によって症状がひどくなる場合があります。

A・・・当日使った薬草の湯は翌日には使用しないでください。
当日使った入浴剤は必ず入浴後に処分してください。

B・・・お風呂の残り湯を洗濯機で使用する場合は衣類に薬草の色が付着する場合がありますので注意してください。
  
橘皮と他の生薬との組み合わせ
橘皮+菊花+麦門冬・・・橘皮と菊花と麦門冬を組み合わせることにより上昇した気を下して、精神を安定させる作用があります。
(漢方処方・・・釣藤散)
橘皮を含む漢方処方
釣藤散

橘皮湯

補中冶湿湯

橘皮枳実生姜湯

橘皮半夏湯

神秘湯(陳皮を使う場合と橘皮を使う場合がある。)

竹ジョ(※)温胆湯 (※ジョ=くさかんむり+如)

茯苓飲(原本の金匱要略では橘皮を使うが、現在の処方では陳皮を使う)
参考資料
神農本草経ー上品
橘柚。一名橘皮。味辛温。生川谷。治胸中か(※)熱逆氣。利水穀。久服去臭下氣。通神。
(※)か=ヤマイダレ+暇の日を取り除いた右側の漢字

薬徴
主治吃逆也。旁治胸痺。停痰。

古方薬議
味辛温。逆気ヲ主リ、嘔、咳ヲ止メ、痰涎ヲ消シ、胃ヲ開キ、水穀ヲ利シ、魚醒ノ毒ヲ解ス。
その他
上記で橘皮は温州みかんの成熟果皮を指すと書きましたが、元々日本では柑子蜜柑(こうじみかん)を橘皮として
使用していましたが、酸味が強く食しにくい事が原因で年々栽培量が減少して、今では安定した生産量が見込まれる温州みかんの新しい果皮を橘皮として用いるようになりました。

陳皮の陳(ちん)は古いと言う意味があり、蜜柑の皮は古ければ古いほど薬効が高まります。
未成熟前の青いミカンの皮は「青皮(せいひ)」と言います。成熟後の新しいオレンジ色のミカンの皮は「橘皮(きっぴ)」と言い、
成熟後の古いオレンジ色のミカンの皮は「陳皮(ちんぴ)」と言います。

詳しく書きますと
青いミカンの皮⇒青皮、オレンジ色のミカンの皮⇒橘皮、オレンジ色だが古いミカンの皮⇒陳皮と分けられます。

参考・・・陳皮と橘皮と青皮は成分と効能、効果には余り違いがありませんが、若干ですが異なる効き目があります。

@ 陳皮の場合
陳皮は主に食欲不振、嘔吐、痰の絡む咳嗽などの胃弱、胃内停水による咳症状に効果があります。
陳皮は古い果皮ので製油成分のリモネンが少なくなっています。

A 橘皮の場合
橘皮は陳皮と同じく健胃、咳止めなどの症状に効果がありますが、理気剤として気の流れをスムーズにして身体全体に
行き渡らせる効果があります。
橘皮は新しい果皮なので製油成分のリモネンが多く含まれています。

B 青皮の場合
青皮は食欲不振解消(これは陳皮と同じ)、消化不良解消(陳皮より強い)、胸痛、脇腹、乳房の痛み、乳房の炎症の解消などの
効果があります。
注意事項
@本品は天然物(生薬)で性質上吸湿しやすいものがあります。
そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因になることがあります。

A開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。

B本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、食べたりしないようにご注意ください。

C幼児の手の届かない所に保管してください。

D他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。)
参考文献
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑
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