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薬用植物ー生薬ー薬草ー健康茶ー桔梗ーききょうーキキョウについて。やなぎ堂薬局

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桔梗ーキキョウ Platycodon grandiflorum Candolle

桔梗ーききょうーキキョウのご紹介

 桔梗ーききょうーキキョウ
 基原植物和名
桔梗、ききょう、キキョウ

岡ととき

バルーンフラワー(balloon flower)
 生薬名
桔梗、ききょう、キキョウ

桔梗根、ききょうこん、キキョウコン

晒桔梗

生干桔梗
基原植物学名(ラテン語名) 
Platycodi Radix
生薬英語名 
Platycodon Root
 植物英語名
Platycodon grandiflorum(Jacq.)A.De Candolle
 分布
桔梗(ききょう)はキキョウ属ーききょう科の植物で、
自生地として北海道から九州、沖縄などの日本各地、朝鮮半島、
中国北部などの東アジア一帯の日当たりの良い草地や山野などや
家庭でも栽培もされている植物です。

桔梗は秋の七草の「桔梗(キキョウ)、萩(ハギ)、薄(ススキ)、
葛(クズ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカマ)、撫子(ナデシコ)」
の一つに挙げられており、桔梗を音読で「キチコウ」とも読まれています。

ちなみに春の七草は「芹(セリ)、薺(ナズナ)、御形(ゴギョウ)、
菘(スズナ)、蘿蔔(スズシロ)、仏の座(ホトケノザ)、繁縷(ハコベラ)」
を指します。

春の七草と秋の七草の違いですが

春の七草・・・七草を食べて無病息災を願う。
秋の七草・・・七草を鑑賞して愉しむ。

他に春の七草を茹でて出たお汁に爪に浸してから爪を切ると無病になる
と言われます。
これを「七草爪」と言います。

桔梗の花を英語でChinese Bellflower又はJapanese Bellflower
と言い花の形が釣り鐘に似ているからだと思われます。

桔梗根は日本薬局方に記載されています。

古代中国の本草書の「神農本草経」によると
神農本草経ー下品
味辛微温、生山谷。治胸脇痛如刀刺、腹滿腸鳴幽幽、驚恐悸氣。
と書かれています。

日本では江戸時代に活躍した古方派の漢方医吉益東洞が書いた
薬徴によると
薬徴・・・・「濁唾、腫膿ヲ主治スル也。傍ラ咽喉ノ痛ヲ治ス。
と書かれています。

明治時代に活躍した折衷派の漢方医浅田宗伯が書いた
古方薬議によると
古方薬議・・・・「味辛温、胸脇ノ痛、刀ニテ刺スガ如キヲ主リ、
咽喉ノ痛ヲ療シ、痰ヲ消シ、チョウカヲ破リ、血ヲ養イ、膿ヲ排シ、
竅ヲ利シ、嗽逆、口舌ニ瘡ヲ生ジ、赤目腫痛スルヲ肌ヲ治ス。

と書かれています。

桔梗の花は昔から歌として読まれており、奈良時代の歌人の
山上憶良の歌で
「萩の花をばな葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花 」
が万葉集に載っており、この句に出てくる「朝顔」ですがこの句が
読まれた当時には日本には渡来しておらず、今私達が普通に呼んでいる
「朝顔」を指しているのでは無く、「桔梗」を示していると言われます。

他に桔梗を題材に詠んだ句として
江戸時代中期に活躍した加賀千代女は「桔梗の花咲時ぽんと言ひさうな」
と詠んでおり、同じく江戸時代後期に活躍した小林一茶は
「きりきしやんとしてさく桔梗かな」
と詠んでいます。

参考・・・昔は桔梗を紋所などの家紋に用いる武士は多数いました。
「桔梗」の文字から「木偏」を取り除くと「吉更」になり、
「吉更」は「さらに吉」とも読めるので、武士たちは桔梗を紋所に用いました。
鎌倉時代の美濃地方に君臨していた土岐氏の紋所が桔梗の形をしており、
もっと有名な所では同じく土岐氏の流れを組む明智光秀も桔梗紋を
使用しており、他に太田道灌(丸に細桔梗、山吹の花ではないですよ。)、
加藤清正などが使用していました。

ちなみに坂本竜馬の家紋は「組み合わせ角に桔梗」です。
司馬遼太郎先生の「竜馬がゆく」に千葉さなこが竜馬を慕って自宅の庭に
桔梗を植えて育てている場面が書かれています。

桔梗根はお正月に飲む縁起物のお酒の「屠蘇散(とそさん)」
に含まれております。

参考・・・「屠蘇散(とそさん)」について書きますと、
屠蘇散の正式名称は「屠蘇延命散(とそえんめいさん)」と言い、
誰が考案したかは諸説ありますが一番有力な説として三国志で
有名な華佗(かだ)が考案した説が一番有力です。

屠蘇の意味として「蘇」は病をもたらす鬼を意味し、
「屠」は屠る(ほふる)つまり「殺す」と言う意味で、屠蘇を飲めば
身体に害する病気を葬る事が出来ると考えられました。

屠蘇は中国では三国時代に考案されましたがお正月の縁起物になったのは
唐時代と言われ、日本には平安時代に伝わり、時代を経て江戸時代に
庶民のお正月文化として浸透しました。

日本では奈良県吉野の辻堂に河童がくれた「辻堂錦草」と言う薬があり、
これには「桔梗」、「桂皮」、「甘草」、「莪朮」、「丁子」、「芍薬」、
「大黄」など21種類が配合されており、主に打ち身、捻挫、筋違い、
神経痛、感冒などに効果があります。

桔梗ですが2013年12月現在で絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に指定されております。
特徴・形態 
キキョウの特徴として草丈は40センチメートルから100センチメートル
ぐらいの高さで、茎は上に向かって直立しております。

葉にはほとんど柄が無くて互生しており、葉の形は皮針形で先が
とがっており、ふちに鋸歯があります。
葉の長さは主5センチから7センチで葉の裏側は白緑色をしています。

花は7月から9月に咲きます。花は茎の先端に蕾をつけますが、
最初の蕾の時は紙風船のように花びらがくっついておりますが、
やがて星の形のような青紫色の鐘形花を数個づつ咲かせます。
花におしべが5本、めしべが1本あります。
(まれに白い花をつける品種もあります。)

薬用として使われる根皮ですが根は太くて黄白色をしております。
根を食する場合ですが、根はアクが強いので根の外側の皮を取り除いてから
食用にします。

桔梗根を採取する場合は3年から5年程成長させ肥大した桔梗根を
6月から7月の花が咲く前か、秋から晩秋にかけて地上部が枯れた時に
根皮を掘り出して、水洗いをしてから細い根を取り除き、
太い根の外皮を除いてから細かく切って、風通しのよい所で日陰干しを
行います。

余談・・・8月28日の誕生花は「キキョウ」で、花言葉は
「変わらぬ愛」です。
成分 
キキョウの成分として根にトリテルペノイドサポニン、フィトステロール、
αースピナステリルグルコサイド、イヌリン、プラチコジン、
ヒトステリンプラチコディニンなどの成分を含んでおります。

桔梗根に含まれているトリテルペノイドサポニンは粘り気のある
痰(湿痰)を薄めて痰を体外に排泄しやすくする作用(痰の絡んだ咳)
と体内に蓄された膿を体外に排泄しやすくする作用(蓄膿症、皮膚病)
と気管支や肺の炎症(気管支炎や肺炎などの炎症)を取り除く
抗炎症作用があります。
使用部位 
3年程成長させ肥大した桔梗の根(生薬名 桔梗、ききょう、キキョウ)
(日本薬局方)
採取時期と管理・保存方法 
桔梗根を採取する場合は3年から5年程成長させ、肥大した桔梗を
6月から7月の花が咲く前に根皮を掘り出して採取するか、秋から晩秋
にかけて地上部が枯れた時に根皮を掘り出して、水洗いをしてから
細い根を取り除き、太い根の外皮を除いてから細かく切って、
風通しのよい所で日干しを行います。
上記の方法で加工した桔梗根を「晒桔梗」と言います。

他に掘り出した桔梗根を水洗いだけをして加工せずにそのまま乾燥
させた物を「生干桔梗」と言います。
 薬効、服用方法
桔梗根は日本薬局方によると漢方処方用薬であり、消炎排膿薬、
鎮咳去痰薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されている。

他に桔梗根を煎じて服用すると解毒作用、排膿作用、去痰作用があり、
症状として痰のからむ咳、痰切り、扁桃腺炎、咽頭炎、百日咳、
喘息などに効果があると言われます。

桔梗根を煎じて服用する場合は
桔梗根約2グラムから4グラムを水600ccから800ccの
中に入れて弱火で15分から20分程煎じて、煎じて煎じ終われば
薬草は取り除き、1日数回に分けて服用します。
(味が苦手な方は蜂蜜や甘味料などで甘味をつけても結構です。)
(甘草1グラム~2グラムを桔梗と一緒に入れて煎じればより効果があります。)

桔梗根と他の薬草(艾葉、ゲンノショウコ、重薬など)と一緒に煎じて
服用しても良いです。


桔梗根の粉末を服用する場合
桔梗根の粉末を1日3グラムから6グラム(小さじ1杯から2杯)を
目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、お湯に混ぜて
服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合は
オブラードに包んで服用しても結構です。
生薬との組み合わせ 
桔梗+甘草⇒桔梗と甘草を組み合わせることにより咽頭、呼吸器にある炎症や膿、
痛みなど治療して咳嗽、粘っこい痰、切れの悪い痰、痛みなどの症状を鎮めます。
(例⇒桔梗湯、荊芥連翹湯、桔梗解毒湯、排膿湯、清肺湯、参蘇飲、清上防風湯など)

桔梗+貝母⇒桔梗と貝母を組み合わせることにより呼吸器内部にある慢性化した
炎症が原因の粘り気のある痰、激しい咳嗽などの症状を改善します。
(例⇒清肺湯、桔梗白散など)

桔梗+枳実⇒桔梗と枳実を組み合わせることにより呼吸器に溜まっている
粘っこい痰を体外に出し、粘っこい痰が原因の痰が絡んだ咳、
切れにくい痰などの症状を改善します。
(例⇒清上防風湯、参蘇飲など) 
桔梗を含む漢方処方 
桔梗湯

荊芥連翹湯

荊防敗毒散

清肺湯

十味敗毒湯

参蘇飲

参苓白朮散

清上防風湯

排膿散及散

排膿湯

排膿散

防風通聖散
など他多数の漢方処方があります。
参考資料 
神農本草経ー下品
桔梗。味辛微温。生山谷。治胸脇痛如刀刺。腹滿腸鳴幽幽。驚恐悸氣。

薬徴
主治濁唾腫膿也。旁治咽喉痛。

古方薬議
味辛温。胸脇ノ痛、刀ニテ刺スガ如キヲ主リ、咽喉ノ痛ヲ療シ、
痰ヲ消シ、チョウ(※1)カ(※2)ヲ破リ、血ヲ養イ、竅ヲ利シ、嗽逆、
口舌ニ瘡ヲ生ジ、赤目腫痛スルヲ治ス。

(※1 チョウ=ヤマイダレ+徴)(※2 カ=ヤマイダレ+か)
その他 
桔梗は根と茎を食することが出来ます。

桔梗の茎は若い茎を先にゆででから水にさらし、ゴマ和え、煮物、
揚げ物にして食します。
(桔梗全草にキキョウサポニン、プラチコジンなどの有毒成分を含んでおります。
食する場合は何度も水に晒して毒抜きをしてから料理してください。)

韓国では根を食しますが、かなりアクが強いので根の外皮を取り除いて
から食します。
(韓国では桔梗を「トラジ」と言い、桔梗の根を唐辛子で漬け込んだ
「トラジキムチ」が有名です。後、トラジと言う民謡もあります。)
注意事項 
①本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。
そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因に
なることがあります。

②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。

③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、
食べたりしないようにご注意ください。

④幼児の手の届かない所に保管してください。

⑤他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。)                   
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参考文献 
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 
桔梗(キキョウ)の写真 
桔梗(キキョウ)ー青花 桔梗(キキョウ)ー白花
桔梗(キキョウ)ー青花
 
桔梗(キキョウ)ー白花
 
桔梗根(キキョウコン)ー丸切り 桔梗根(キキョウコン)ー粉末
桔梗根(キキョウコン)ー丸切り
 
桔梗根(キキョウコン)ー粉末
 


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