何首烏ーかしゅうーカシュウ | |
基原植物和名 | |
つるどくだみ、ツルドクダミ | |
生薬名 | |
何首烏、かしゅう、カシュウ | |
基原植物学名(ラテン語名) | |
Polygoni Multiflori Radix | |
生薬英語名 | |
Polygonum Root | |
植物英語名 | |
Polygonum multiflorum Thunberg | |
分布 | |
ツルドクダミはタデ属ーたで科に属する多年草植物です。ツルドクダミの原産地は中国で、 古代中国ではツルドクダミの塊根(生薬名 何首烏)は不老不死の薬と言われていました。 中国の唐の時代に「何首烏」と言う人物がツルドクダミの根を煎じて服用したら生殖機能が 躍動し長年患っていた諸疾患が全快し不老長寿でいられたと言う伝説があります。 何首烏は古代中国の明の世宗(朱厚徳 嘉靖帝)がこよなく愛した生薬で、 子供が出来ない世宗は子供が出来る方剤を全国に求めました。 すると世宗の間方士である「邵応節」が皇帝のために「七宝美髪丹(シッポウビゼンタン)」 と言う何首烏が中心になった漢方薬を作り、皇帝に飲ますと子供が出来、身体が丈夫になり、 髪まで黒くなり、在位期間が44年になりました。 しかし、残念なことに長年服用していた丹薬(水銀やヒ素などが配合され、 仙人になれると信じられた霊薬)の飲み過ぎで亡くなりました。 「七宝美髪丹」には「何首烏」を主薬に「牛膝」、「当帰」、「枸杞子」、「茯苓」、 「莵絲子」、「補骨脂」などが配合されています。 日本には享保5年(1720年)、つまり徳川吉宗の時代に何首烏を中国から取り寄せて 日本で栽培して、七宝美髪丹を作り、服用したが余り効く様子が無かったので忘れ去られ、 今は雑草になって全国に自生しています。 ついでに書きますが、歴代将軍で漢方薬をこよなく愛したのは「徳川家康」、「徳川吉宗」で 徳川家康・・・享年 74歳 服用した漢方薬・・・八味地黄丸(無比山薬丸)など 徳川吉宗・・・享年 67歳 服用した漢方薬・・・七宝美髪丹など 徳川家斉・・・享年 67歳 服用した漢方薬・・・漢方薬ではないが生姜やチーズが 大好物で、他に海狗腎(カイクジン)も服用していたと。 そのおかげか子供の数が53人以上いたと言われます。 ツルドクダミの名前の由来はドクダミのような葉をしている蔓植物ですので 「つるどくだみ」と言われます。 何首烏の名前の由来は首から上の毛が烏(カラス)のように黒くなるから 「何首烏」と言われます。 (何首烏は市販されている養毛剤、育毛剤に配合されています。) 何首烏は日本薬局方に記載されています。 |
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特徴・形態 | |
ツルドクダミの特徴として根茎は地中を横走しながら伸びてゆき、その根が肥厚した硬い 円塊になる場合が多々あります。 茎はつる性で茎は木質化して他の樹木や建物に巻きついて成長します。茎は左巻き、 右巻きの両方あり、茎の直径は約1センチぐらいになり、茎の長さは1メートルから 2メートルぐらいに成長します。 葉は長い柄がある互生した葉になり、葉の形は卵形又は心形で葉の長さは3センチから 6センチほどで葉先は短鋭尖頭で葉のふちは全辺です。葉の色は全緑で葉は柔らかいです。 葉は秋になれば落葉して越冬します。 ツルドクダミの花は9月から10月頃に葉腋から分枝した頂生の円すい花序に白色の 小さな花を円すい花穂にして多数咲かせます。 ツルドクダミの花には花弁が無く雄しべが8個あります。 果実は3個の翼のあるそう果で、宿存がくに包まれています。 |
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成分 | |
ツルドクダミに含まれる成分は根にアントラキノン類のクリソファノール、レイン、 エモジン、リピプロテイン、タンニン、レシチンなどが含まれています。 アントラキノン類のクリソファノール、エモジンは大黄、センナにも含まれており、 薬効として腸管蠕動運動促進作用があります。 |
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使用部位 | |
ツルドクダミの塊根(生薬名 何首烏 かしゅう カシュウ) (日本薬局方) |
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採取時期と管理・保存方法 | |
ツルドクダミの塊根の採取時期ですが10月から11月の秋に肥厚した塊根を掘り出して から水洗いをして、輪切りにして日干し乾燥します。 |
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薬効、服用方法 | |
何首烏は日本薬局方によると漢方処方薬で、貧血によるめまいや頭痛、不眠を治す 処方に配合されています。 他に何首烏を服用すると滋養強壮、整腸作用、便秘解消作用があります。 通便作用はセンナや大黄より弱いですが、センナや大黄の服用で腹痛、軟便、下痢 などの副作用がある場合は何首烏をお勧めします。 何首烏を煎じる場合は 何首烏約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で 15分から20分程煎じて煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて 服用します。 何首烏と他の薬草(艾葉、ゲンノショウコ、重薬など)と一緒に煎じて服用しても良いです。 (注意・・・何首烏の服用量は人によって適量が異なります。 仮に何首烏服用によって軟便や下痢が続くようでしたら何首烏の量を加減又は 服用を中止して下さい。) 何首烏の粉末の場合は 何首烏の粉末を1回量約1グラム~2グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回 服用するか、お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。) 「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに 包んで服用しても結構です。 |
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生薬との組み合わせ | |
特になし | |
何首烏を含む漢方処方 | |
当帰飲子 など |
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参考資料 | |
特になし | |
その他 | |
特になし | |
注意事項 | |
①本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因に なることがあります。 ②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 ③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 ④幼児の手の届かない所に保管してください。 ⑤他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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参考文献 | |
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
ツルドクダミの写真 | |
ツルドクダミー花 | ツルドクダミー痩果 |
何首烏(カシュウ)ー刻み | |
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