重薬 十薬 じゅうやく ジュウヤク |
和名、植物名 |
毒溜 毒痛 魚腥草 ぎょせいそう ギョセイソウ どくだみ ドクダミ |
生薬名 |
重薬 十薬 じゅうやく ジュウヤク |
学名 |
Houttuynia cordata Thunb |
分布 |
ドクダミはドクダミ属ーどくだみ科の植物で、薬用部分として用いられる所は根以外の茎、葉、花などを薬用として用います。
ドクダミは日本全土から中国や中央アジアなどに分布しており、日当たりが良く湿気が多い場所に生える多年草で、
民家の庭先や山野で見る機会が多い植物です。
どくだみ(毒矯み、毒痛み)を生薬名で重薬、十薬(じゅうやく)と言います。
参考・・・昔はドクダミには独特の臭気があるので何か毒でもある植物ではないかと思い、ドクダメ(毒溜め)、イヌノヘとも
言われていたが、ドクダメの発音が変化してドクダミと呼ばれるようになりました。
他に十の薬効があるから十薬と言ったり、ドクダミの花びらが4枚で、花弁の形が十字架に似ているので十薬と言ったりすると
言われます。
ドクダミの名称が初めて登場した書籍が古代中国の漢の時代に著されたとされる「名医別録」に「シュウ」の名称で
記載されています。
他に中国では生のドクダミが魚腐ったようなニオイとよく似ているので魚醒草(ぎょせいそう)と言われます。
これは南宋時代に書かれた本草書の見られます。
明の時代に書かれた李時珍著作の「本草網目 (1596年)」にも記載されています。
日本では平安時代に深根輔仁によって書かれた本草書の「本草和名 (918年)」に「名医別録」と同じく「シュウ」の名前で
記載されており、和名は「之布岐(シフキ)」と書かれています。
時代が下って江戸時代に貝原益軒が書いた「大和本草 (1709年)」によると
「わが国の馬医これを馬に用いると、十種の薬の効能があるので、十薬と言う。」と書かれています。
日本ではドクダミ、ゲンノショウコ、センブリを3大民間薬といいます。
重薬は日本薬局方に記載されています。
余談・・・日本には古来より日本独特の薬草文化がありました。
その薬草文化を「和薬(わやく)と言い、民間の間で細々と家伝、秘伝として伝えられてきました。
和薬と言われる代表的な薬草はジュウヤク、ゲンノショウコ、センブリ、キササゲなどが和薬と言われます。
ちなみに「和漢薬(わかんやく)」は上記の「和薬」と「漢方薬」を合わせた処方をこう言います。 |
特徴・形態 |
ドクダミの特徴として茎の色は紫色で、草丈が15センチメートルから30センチメートルほどに成長する植物です。
ドクダミの根は白色の円柱形で、横に這いながら成長し、根の節から細い根を出します。
葉ですが、濃い緑色の葉を付け、葉の形は心臓の形によく似た(ハートの形にも似ている)広卵状心臓形で、
葉の長さは5センチから10センチぐらいで葉の表面は緑色、葉の裏側は明るい緑色です。
花期は6月から7月の初夏で、花の大きさは3センチぐらいで、白色の小さな4枚の花びらを付けた花を咲かせます。
ドクダミ全草には独特の臭気があり、この臭気の成分は精油のデカノイルアセトアルデヒドやラウリールアルデヒドと言われ、
ドクダミを採取、乾燥の後はこの臭気は消えます。
薬用部分として6月から7月の初夏の花が咲いている頃に地上部全体を採取して水洗いをしたのちに天日で乾燥を行います。
(乾燥させる時にカビが生えやすいので注意が必要です。)
余談・・・5月15日の誕生花は「ドクダミ」で、花言葉は「白い追憶」です。 |
成分 |
ドクダミの成分としてドクダミ独特の臭気を発する成分としてデカノイルアセトアルデヒド、カリウム塩、ラウリールアルデヒド
などが含まれております。
他に茎や葉にはクエルシトリン、花穂にはフラボン系のイソクエルシトリンが含まれております。 |
使用部位 |
花が咲いている頃に地上部に出ている全草(日本薬局方)(生薬名 十薬 重薬 じゅうやく ジュウヤク) |
採取時期と管理・保存方法 |
重薬の採取時期は6月から7月の初夏に重薬の花が咲いている頃に地上部を刈り取り、水洗いをしてから日干しを行って
乾燥させます。 |
薬効、服用方法 |
重薬は日本薬局方によると便通薬として、あるいは慢性皮膚疾患に利尿、消炎の目的で煎用する。
漢方処方用薬としては、皮膚疾患用薬とみなされるー処方に配合されている。
他に重薬を煎じて服用すると利尿作用、便秘解消、便秘を伴うお肌のトラブル、動脈硬化の予防、高血圧、
解毒などに効果があると言われます。
当店が使用しています重薬は煎じる重薬、粉末の重薬共に日本産と中国産がございます。
重薬を煎じる場合は
重薬約10グラムから15グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は
取り除き、1日数回に分けて服用します。
重薬と他の薬草(ヨクイニン、艾葉、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて服用しても良いです。
重薬の粉末の場合は
重薬の粉末を1回量約1グラム〜2グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、お湯に混ぜて服用してください。
(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)
重薬の粉末を単独で服用しても良いが、牛乳、野菜ジュース、スープなどに混ぜて服用しても良いですし、小麦粉と混ぜて
料理に使用されても結構です。
「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても結構です。 |
重薬の入浴剤 |
重薬を入浴剤として利用すれば身体をポカポカと暖め、あせもや湿疹予防、血行促進による肩こり、腰痛、疲労回復に
非常に効果があります。
重薬の入浴剤の作り方は
重薬約30グラムを布袋に入れます。(布袋は巾着袋でも、使い古した靴下でも、ストッキングでも構いません。)
布袋に入れた重薬を約1リットルぐらいの水と一緒にお鍋かやかんに入れ約15〜20分程煮出し、煮出し終われば布袋ごと
浴槽に入れて下さい。(入浴中に布袋を揉むと成分がよく出ます。)
重薬単独で入浴剤を作っても良いですが艾葉、当帰、陳皮などを混ぜて入浴剤を作ればより高い効果を得ることが出来ます。
薬草の入浴剤の注意点
@・・・お風呂から出る時には必ず薬草のエキスをシャワーで洗い流して下さい。
薬草のエキスが身体に付着したままにしておくと人によって症状がひどくなる場合があります。
A・・・当日使った薬草の湯は翌日には使用しないでください。当日使った入浴剤は必ず入浴後に処分してください。
B・・・お風呂の残り湯を洗濯機で使用する場合は衣類に薬草の色が付着する場合がありますので注意してください。 |
重薬と他の生薬との組み合わせ |
大塚敬節先生は痔の治療に用いる乙字湯や温清飲に魚腥草を加えています。魚腥草には緩下作用と止血作用が
あるのでよく加えると自身の書物に書かれています |
重薬を含む漢方処方 |
魚醒草桔梗湯
魚腥草冬葵子散
五物解毒散 |
参考資料 |
大和本草・・・「わが国の馬医これを馬に用いると、十種の薬の効能があるので、十薬と言う。」 |
その他 |
特に無し |
参考文献 |
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑 |
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