女貞子ーじょていしージョテイシ | |
基原植物和名 | |
鼠餅、ねずみもち、ネズミモチ、檀、玉椿、たまつばき、タマツバキ | |
生薬名 | |
女貞子、じょていし、ジョテイシ、女貞、にょてい、ニョテイ | |
基原植物学名(ラテン語名) | |
Ligustri Fructus | |
生薬英語名 | |
Ligustrum Fruit | |
植物英語名 | |
Ligustrum japonicum | |
分布 | |
鼠餅(ねずみもち)はイボタノキ属ーもくせい科に属する植物で、 日本では関東より西の中部、関西、四国、九州および沖縄に分布し、 他に朝鮮半島、台湾の温暖な地域の山林や庭園、垣根などに見られる常緑低木 の植物です。 中国原産のネズミモチもあり、これは唐鼠黐(とうねずみもち)」 と言われます。 ネズミモチの名前の由来は秋にできる果実がネズミの糞に似ている事や葉が モチノキに似ているのでこう言われます。 女貞子は古代中国の書物の神農本草経の上品に記載されており、内容として 「女貞實。味苦平。生川谷。補中安五藏。養精神。除百疾。久服肥健輕身不老。 」 と書かれています。 ネズミモチは平安時代(932年)に編纂された辞書の「和名抄わみょうしょう」 に記載があります。 ネズミモチの果実を商品名で「女貞(じょてい)、女貞子(じょていし)」と言い、 この意味は果実が冬の寒さをしのいで青々としているので、 女性の鑑と言われる「貞女(ていじょ)」になぞらえてこう言われるように なりました。 |
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特徴・形態 | |
ネズミモチの特徴は幹は2メートルから5メートルほどの高さになり直立して成長し、 幹の色は暗灰色でよく枝分かれします。 葉は対生し、葉の形は楕円形で葉は革質で厚みと艶と柄があり、 葉の先は細くなっています。 葉のふちは全辺です。 ネズミモチの花は6月から7月の夏に白色の小花を円錐状にした花序を 枝先につけます。 花には独特の香りがあり、緑色の萼は先が細くて四裂し、花びらはもとが筒状で 先が四裂で雄しべが2本、雌しべが1個あります。 秋に果実を付けます。果実は秋に熟し、熟すと色は紫黒色で形は楕円形になります。 果実の長さは約1センチほどあります。 この果実がネズミの糞に似ており、葉がモチノキに似ているのでネズミモチと 呼ばれるようになりました。 |
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成分 | |
ネズミモチの果実に含まれる成分はマンニトール、ルペオール、βーシトステロール、 ノナコサノール、オレアノール酸、アセチルオレアノール酸、マンニット、ウルソール酸、 脂肪油などが含まれています。 |
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使用部位 | |
ネズミモチの果実(石果) (商品名 女貞子、じょていし、ジョテイシ) |
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採取時期と管理・保存方法 | |
ネズミモチの果実の採取時期ですが11月から12月頃に黒くなった果実を 採取し日干し乾燥します。 |
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薬効、服用方法 | |
女貞子を服用すると滋養強壮、強精作用があります。 女貞子を煎じる場合は 女貞子約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で 15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて 服用します。 女貞子と他の薬草(ドクダミ、艾葉、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて 服用しても良いです。 女貞子の粉末の場合は 女貞子の粉末を1回量約1グラム〜2グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回 服用するか、お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。) 女貞子の粉末を単独で服用しても良いが、牛乳、野菜ジュース、スープなどに混ぜて 服用しても良いですし、小麦粉と混ぜて料理に使用されても結構です。 「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに 包んで服用しても結構です。 |
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女貞子の薬用酒 | |
女貞子を薬用酒として服用すると滋養強壮などに効果があります。 女貞子の薬用酒の作り方ですが 女貞子・・・200グラム 氷砂糖・・・100グラム又はグラニュー糖100グラム ホワイトリカー・・・1.8リットル (他に色々な薬草を混ぜてミックス薬用酒を作っても良いです。) これらの品を容器に入れて約3か月ほど直射日光の当たらない場所で熟成させます。 熟成させる時に出来るだけ空気に触れないようにしっかり密封して下さい。 密閉できる容器を使用して下さい。 空気に触れると味が変わる恐れがあります。 30日に1回は中身を2回から3回程振って均等に成分が出るようにしてください。 人によっては味の好みが異なりますので、30日に1回は味見をしてお好みの味 であれば薬草を引き上げても結構です。 3か月ほど熟成させたら木綿の布かコーヒー用の濾過紙で濾過しながら薬草を 取り出し、杯1杯を目安に服用します。 飲みにくい場合は蜂蜜や水飴、砂糖で味を調えても結構です。 女貞子と枸杞子、熟地黄などと一緒に混ぜてミックス薬用酒にされても良いです。 |
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生薬の組み合わせ | |
特になし | |
女貞子を含む漢方処方 | |
特になし | |
参考資料 | |
神農本草経ー上品 「女貞實。味苦平。生川谷。補中安五藏。養精神。除百疾。久服肥健輕身不老。 」 |
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その他 | |
特になし | |
注意事項 | |
@本品は天然物(植物)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する原因に なることがあります。 A開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 B本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 C幼児の手の届かない所に保管してください。 D他に容器に入れ替えないで下さい。 (誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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参考文献 | |
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
鼠餅(女貞子)の写真 | |
鼠餅(ネズミモチ)ー果実(石果) | 女貞子ー果実(原型) |
女貞子ー粉末 | |
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