穂咲錨草
(ホザキイカリソウ)
ホザキイカリソウ 花
常盤錨草
(トキワイカリソウ)
トキワイカリソウ 花
 姫錨草(ヒメイカリソウ)
 
淫羊カク 葉 
短冊切り
淫羊カク 葉 短冊切り
錨草(碇草) いかりそう イカリソウ 
淫羊霍 いんようかく インヨウカク
和名
碇草(錨草) いかりそう イカリソウ 三枝九葉草 さんしくようそう サンシクヨウソウ
生薬名
淫羊霍 いんようかく インヨウカク 仙霊脾 せんれいひ センレイヒ
学名
Epimedium grandiflorum
分布
碇草はイカリソウ属ーめぎ科に属する植物で碇草は北海道から近畿地方の太平洋側に分布し、
梅花碇草は本州から四国、九州の暖かい山地に分布し、黄花錨草は北海道から近畿地方、朝鮮半島など
に分布し、常盤碇草は北陸から山陰の日本海側に分布し、穂咲碇草は中国大陸の広範囲から台湾など
に分布しています。穂咲碇草は江戸時代の天保年間に渡来しています。


碇草には色々な種類があり、まず代表的な「碇草(いかりそう)」、「梅花碇草(ばいかいかりそう)」、
「黄花碇草(きばないかりそう)」、「穂咲碇草(ほざきいかりそう)」、「常盤碇草(ときわいかりそう)」
が代表的な碇草です。

日本で見られるイカリソウは「碇草」、「梅花碇草」、「黄花碇草」、「常盤碇草」が日本で見られる碇草です。

淫羊カクは中国最古の薬物学(本草学)書と言われる神農本草経に記載されています。
神農本草経ー中品によれば「主陰痿絶傷、茎中痛、利小便、益気力、強志。一名剛前。生山谷。
と書かれています。

イカリソウは万葉集にも載っており、万葉集では「三枝(さきくさ)」をイカリソウとして詠んた歌では
ないかと言われます。イカリソウの別名を「三枝九葉草(さんしくようそう)」と言います。
万葉集には三枝を詠んだ歌が2首ほどあります。
春去 先三枝 幸命在 後相 莫戀吾妹」・・・詠み人 柿本人麻呂

淫羊カクの名前の由来は中国の「本草網目」によると
「四川の北部に淫羊と言う動物がいて、1日100回交尾をする。これは「カク(※1)と言う草を食べるから
と言い、この草を「淫羊カク(※1)」と名づけました。と書かれています。

他に穂咲碇草を食べた羊が1日100回交尾をしたと言い伝えられており、羊を淫靡にする草と言う意味で
「淫羊カク(※1)」と言います。(※1カク=くさかんむり+霍)


三枝九葉草(さんしくようそう)の名前の由来は一つの枝に3枚の葉が付くのでこう言われます。
特徴・形態
イカリソウの特徴ですが草丈は15センチから25センチほどで根茎は横に伸びます。
葉は根生葉(根出葉)で2回3出複葉です。
葉は冬場に落葉します。
花期は4月〜5月で花は小葉の先に複総状花序を出し、淡紫色の花を下向きに咲かせます。
碇草には碇によく似た突起(花弁)を四方に伸ばしています。
この突起(花弁)には蜜を溜める「距」と言われる器官があります。
がく片は最初は8枚あるが開花する時に外側の4枚が落ちて、内側の4枚が大きくなって花弁と同じ
紅紫色になります。

梅花碇草の特徴ですが草丈は25センチから30センチほどで多数の細い根を出します。
葉は根生葉(根出葉)で2回2出複葉で、全縁があり、葉には長柄があります。
葉の下面に長褐毛と立つ短毛があります。
葉は冬場に落葉します。
花期は4月〜5月で花は総状花序でやや下向きに白色の花を咲かせます。
(花が梅の花に似ているので梅花碇草と言われます。)
梅花碇草は他の碇草に見られる距がありません。(距が無いのは梅花碇草と穂咲碇草だけです。)

黄花碇草の特徴ですが草丈は20センチから40センチほどで根茎は細く長く伸びていき、
まばらに枝分かれします。
葉は2回3出複葉で、稀ですが羽状複葉があります。
小葉はやや大きくて葉の長さは5センチから15センチほどで葉は薄く、葉の形は卵形又は狭卵状
長楕円形で長状鋭尖頭です。
葉は冬場に落葉します。
花期は5月〜7月で花は総状花序で淡黄色の大形の花を咲かせます。
黄花碇草には碇によく似た突起(花弁)を四方に伸ばしています。
この突起(花弁)には蜜を溜める「距」と言われる器官があります。

常盤碇草の特徴として草丈は20センチから30センチほどで地中に木質の根茎があります。
葉は2回3出複葉で小葉は広楕円形で葉縁に刺毛があり、基部は深い心臓形をしています。
葉は比較的に厚めで硬く、葉の裏面の毛は短いです。
葉は他の碇草と違って冬場に落葉はしません。(名前の常盤は1年中緑という意味です。)
花期は4月〜5月で花は総状花序で紅紫色の大形の花を咲かせます。
常盤碇草には碇によく似た突起(花弁)を四方に伸ばしています。
この突起(花弁)には蜜を溜める「距」と言われる器官があります。

穂咲碇草の特徴として草丈は30センチから40センチほどです。
葉は根生葉(根出葉)で2回3出複葉で、茎葉は1回3出葉で1つの茎に2個又は3個付けます。
小葉は卵状楕円形で葉の長さは6センチから10センチほどで刺毛があります。
花期は4月〜6月で花は円すい花序で内側にがく片があり、がく片の長さは6センチから10センチ
ほどあります。
花は白色の花を咲かせます。
穂咲碇草は他の碇草に見られる距がありません。(距が無いのは穂咲碇草と梅花碇草だけです。)
成分
碇草に含まれる成分は茎葉に配糖体のエピメジン、フラボノイドのイカリイン、アルカロイドの
マグノフロリンなどが含まれています。

梅花碇草に含まれる成分は茎葉にイカリイン、セリルアルコール、ヘントリアコンタンなどが含まれて
います。
根茎にはマグノフロリンを含んでいます。

黄花碇草に含まれる成分は茎葉にフラボノイド配糖体のイカリインなどが含まれています。

常盤碇草に含まれる成分は茎葉にイカリインを含み、葉には精油、セリルアルコール、
ヘントリアコンタンなどが含まれています。
根茎にはマグノフロリンが含まれています。

穂咲碇草に含まれる成分は茎葉にイカリイン、精油、エピメジン、セリルアルコール、ヘントリアコンタン
などを含んでいます。
根茎にはメチルイカリインなどが含まれています。

碇草全種類に含まれる「イカリイン」はホスホジエステラーゼ (PDE)-5に対する弱い阻害作用があります。
これはバイアグラに含まれるシルデナフィルと共通の作用です。シルデナフィルも(PDE)-5を阻害し、
陰茎の平滑筋を弛緩させて血流をよくすることにより勃起を促すと言われます。

エピメジンは性ホルモン分泌を促す作用があります。
使用部位
碇草・・・茎葉

梅花碇草・・・地上部の全草

黄花碇草・・・茎葉、根(根を淫羊カク(※1)根(インヨウカクコン)と言う)(※1カク=くさかんむり+霍)

常盤碇草・・・地上部の全草

穂咲碇草・・・茎葉、根(根を淫羊カク(※1)根(インヨウカクコン)と言う)(※1カク=くさかんむり+霍)
採取時期と管理・保存方法
碇草の採取時期は5月から夏場に茎葉を採取して日陰乾燥します。

梅花碇草の採取時期は夏から秋に地上部を採取して日陰乾燥させます。

黄花碇草の採取時期は5月から6月に地上部を採取して日干し乾燥します。
根茎も同じく5月から6月に採取して、水洗いをしてから日干し乾燥します。

常盤碇草の採取時期は夏から秋に地上部を採取して日陰乾燥させます。

穂咲碇草の採取時期は夏から秋に地上部を採取して日陰乾燥させます。
薬効、服用方法
淫羊カクを服用すると滋養強壮、強精、補精、催淫などの作用があり強壮、精力減退予防、性欲減退予防、
不妊、疲労回復、膝関節や腰の無気力感の緩和、運動麻痺、健忘症、神経衰弱などに用いられます。

淫羊カクを煎じる場合は
淫羊カク約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程
煎じて1日数回服用します。

淫羊カクの粉末を服用する場合
淫羊カクの粉末を1日2グラムから3グラム(小さじ1/2杯から1杯)を目安に水またはぬるま湯で
1日数回服用するか、お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても
結構です。
インヨウカクの薬用酒 
イカリソウを薬用酒として服用すると滋養強壮、疲労回復、強精、補精、催淫などに効果があります。

イカリソウ酒は別名「仙霊脾酒(せんれいひしゅ)」、「仙霊酒(せんれいしゅ)」と言われ、2000年前の
古代中国の書簡にも登場します。

イカリソウの薬用酒の作り方ですが
イカリソウ・・・200グラム
氷砂糖・・・200グラム又はグラニュー糖200グラム
ホワイトリカー・・・1.8リットル
(他に色々な薬草を混ぜてミックス薬用酒を作っても良いです。クコ実と一緒に漬けても良いです。)

これらの品を容器に入れて約3か月ほど直射日光の当たらない場所で熟成させます。

熟成させる時に出来るだけ空気に触れないようにしっかり密封して下さい。密閉できる容器を
使用して下さい。空気に触れると味が変わる恐れがあります。

30日に1回は中身を2回から3回程振って均等に成分が出るようにしてください。
人によっては味の好みが異なりますので、30日に1回は味見をしてお好みの味であれば薬草を
引き上げても結構です。

3か月ほど熟成させたら木綿の布かコーヒー用の濾過紙で濾過しながら薬草を取り出し、杯1杯を
目安に服用します。

飲みにくい場合は蜂蜜や水飴、砂糖で味を調えても結構です。

一度の大量服用はお勧めしておりません。
 
淫羊カクを含む漢方処方
特になし
参考資料
神農本草経ー中品
主陰痿絶傷、茎中痛、利小便、益気力、強志。一名剛前。生山谷。
その他
心臓疾患がある人、胃弱の人には刺激が強い場合がございますので注意してください。
参考文献
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑
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