カワラヨモギ
花穂
カワラヨモギ かわらよもぎ
茵陳蒿 花穂
中国産
茵陳蒿 花穂
茵陳蒿 花穂
日本産
茵陳蒿 花穂 
粉末
茵陳蒿 花穂 粉末
茵陳蒿 インチンコウ カワラヨモギ
和名
河原艾 河原蓬 カワラヨモギ かわらよもぎ ネズミヨモギ カトリグサ
生薬名
茵チン(※1)蒿 茵陳蒿 茵チン(※1) 茵陳 綿茵チン(※1) 綿茵陳 めんいんちん メンインチン 
いんちんこう インチンコウ (※1チン=くさかんむり+陳)
学名
Artemisia capillaris Thunb
分布
河原蓬(かわらよもぎ)はヨモギ属ーきく科の植物で本州から九州、沖縄の日本各地や朝鮮半島から中国などの
大陸や台湾、フィリピンなど熱帯地方に分布し、生息場所として河原や砂浜、海岸などの乾燥した場所に自生
している多年草の植物です。

名前の由来は河原に生えている蓬という単純な意味でこの名前がつけられたと思われます。

余談・・・昔は山野に自生しているカワラヨモギを「山茵陳」、野原にあるカワラヨモギを「野茵陳」と呼んでおり、
「山茵陳蒿」のほうが良いと言われました。

ちなみに生薬名の茵陳蒿の名前の由来と意味は冬になっても葉の一部が枯れずに冬をすごし、春先にそこから
新しい葉や茎が出てくる様を古い(陳=チン)苗が元(因=イン)になって新しいヨモギ(蒿)がでてくると言う
意味で茵陳蒿と名づけられました。

陳は古いと言う意味があり、因は元と言う意味があり、古い根を元にして繁殖する植物と言う意味です。
これを植物学では「根出葉=こんしゅつよう」と言い葉の一部と考えられています。)

茵陳蒿は中国最古の薬物学(本草学)書と言われる神農本草経に記載されています。
神農本草経ー上品
味苦平。治風濕寒熱邪氣。熱結黄疸。久服輕身益氣耐老。」と書かれています。

日本では江戸時代に活躍した古方派の漢方医吉益東洞が書いた薬徴や明治時代に活躍した折衷派
漢方医浅田宗伯が書いた古方薬議によると
薬徴ー「茵チン蒿、主治発黄也。

古方薬議には
味苦平。熱結、黄疸、小便不利ヲ去リ、伏カヲ去ル。」と書かれています。

インチンコウは「黄疸の聖薬」と言われるほど黄疸には効果があります。

ちなみに「嘔家の聖薬」と言われるのが生姜(ショウキョウ)で、飲み過ぎ、食べ過ぎ、つわりなどが原因の嘔吐
や悪心の症状を緩和します。
特徴・形態
カワラヨモギの特徴として草丈は30センチメートルから1メートルぐらいの高さで主に河川の河原や砂浜海岸などの
乾燥した場所に自生している植物です。

根は直根で土深くに入っております。茎は下部が木質して硬い茎が地上部から直立した様な状態で育ち、
その茎から多数の枝木を分枝しています。

葉は根出葉と茎生葉(せいけいよう)があり、根出葉は春先頃に銀白色のロゼット状の絹毛で覆われます。
根出葉には花がつかず、茎生葉に花が咲く頃に根出葉はほとんど枯れてしまいます。

春先に出た根出葉には絹毛がありますが、夏場に出る根出葉には絹毛はありません。

茎生葉は互生しており2回羽状に全裂して糸状になります。そして8月から10月頃に茎の上部は枝分かれして、
枝先に小さな緑黄色の頭状花を無数に密生させます。その頭状花の回り一列は雌花で、中央部は両性花です。

カワラヨモギの採取の時期と方法についてですが、採取の時期はカワラヨモギに花穂が見られる様になる
夏の時期に全草を刈り取り、日陰にてカラカラになるまで乾燥させて、十分に乾燥すれば手もみを行って
花穂だけを採取します。
(茵陳蒿は日本薬局方に記載されています)
成分
カワラヨモギに含まれる成分として全草にβーピネン、カピレン、カピロン、カピリンなどのテルペン化合物や
ジメチルエスクチン、スコパロン(エスクレチンー6−、7ーディメチルエーテル)、キャピラリシンなどの精油成分、
苦味成分が含まれております

果実には上記の成分の他にスコパロンが含まれています。
特に夏場は上記の成分量が多くなるので初夏から立秋までが採取時期と言えます。

ジメチルエスクチン、7ーディメチルエーテル、スコパロンなどの苦味成分は胆汁分泌促進作用があります。
βーピネン、カピロンは解熱作用があります。

余談・・・カリピンは農業用殺虫剤にもなります。
使用部位
カワラヨモギの花穂(枝葉も使用する場合がある。)(日本薬局方)
昔は枝葉を薬用として用いていました。
採取時期と管理・保存方法
ワラヨモギの採取の時期と加工方法ですが、採取の時期はカワラヨモギに花穂が見られる様になる初夏から盛夏に
全草を刈り取り、日陰にてカラカラになるまで乾燥させて十分に乾燥すれば手もみを行って花穂だけを採取します。
薬効、服用方法
茵陳蒿(いんちんこう)を煎じて服用するとオ(※1)熱を瀉下して体内から取り去り、オ熱が原因の口渇
便秘を治療し、胆汁分泌促進、消炎利尿作用、駆虫作用などがあり、黄疸、肝炎、蕁麻疹、尿量減少の改善、
浮腫、利尿、回虫駆除などを治療します。
入浴剤として用いると痒みを抑える作用があります。
(※1オ=ヤマイダレ+於)

茵陳蒿は日本産と中国産があります。

茵陳蒿を煎じる場合は
茵陳蒿約10グラムから15グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程煎じて1日数回
分けて服用します。

茵陳蒿の粉末の場合は
茵陳蒿の粉末を1日3グラムから6グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回に分けて服用するか、
お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても結構です。
茵陳蒿の入浴剤 
茵陳蒿を入浴剤として利用すれば痒み止めや肌荒れ防止に非常に効果があります。

茵陳蒿の入浴剤の作り方は
茵陳蒿約20グラムを布袋に入れます。(布袋は巾着袋でも、使い古した靴下でも、ストッキングでも構いません。)

布袋に入れた茵陳蒿を約1リットルぐらいの水と一緒にお鍋かやかんに入れ約15〜20分程煮出し、煮出し終われば
布袋ごと浴槽に入れて下さい。(入浴中に布袋を揉むと成分がよく出ます。)

当店の茵陳蒿は破れにくい入浴剤用の袋に入っております。
(茵陳蒿約20グラムで1袋)

患部の症状がひどい場合は布に浸けて、布を症状がひどい部分にそっと置いても結構です。

茵陳蒿と地黄(熟地黄でも良いです。)と当帰を組み合わせて入浴剤にすることにより乾燥肌を防止したり、
炎症を抑えたり、掻いて傷んだ肌を修復したりします。

薬草の入浴剤の注意点
@・・・お風呂から出る時には必ず薬草のエキスをシャワーで洗い流して下さい。
薬草のエキスが身体に付着したままにしておくと人によって症状がひどくなる場合があります。

A・・・当日使った薬草の湯は翌日には使用しないでください。当日使った入浴剤は必ず入浴後に処分してください。

B・・・お風呂の残り湯を洗濯機で使用する場合は衣類に薬草の色が付着する場合がありますので注意してください。
 
生薬との組み合わせ 
茵陳蒿+山梔子⇒茵陳蒿と山梔子を組み合わせることにより茵陳蒿の消炎利尿作用と山梔子の消炎利尿作用が
交じり合って体内にあるオ熱を取り去り、オ熱が原因の煩悶と黄疸を治し、肝臓の解毒機能を高めて肝炎、肝硬変を
治療したり、肝臓の機能低下による身体の痒みを鎮めたり、胆のうからの胆汁分泌を促進させます。
又、体内に停滞している熱を利尿作用により体外に排泄させて肝臓や胆のうの炎症も治療します。
(漢方処方・・・茵陳蒿湯、茵陳五苓散)

茵陳蒿+大黄⇒茵陳蒿と大黄を組み合わせることにより茵陳蒿の消炎利尿作用によって小便を取り除き、
大黄の消炎瀉下作用によって大便を取り除き、茵陳蒿と大黄が体内にあるオ熱を取り去ります。
(漢方処方・・・茵陳蒿湯、茵陳五苓散)
茵陳蒿を含む漢方処方
茵チン(※1)蒿湯(傷寒論=陽明病)

茵チン(※1)五苓散(金匱要略=黄疸病)

茵チン(※1)姜附湯(衛生宝鑑)

茵チン(※1)湯(備急千金要方)(※1チン=くさかんむり+陳)

茵陳散

茵陳四逆湯

甘露飲

治黄胖方

当帰拈痛湯

当帰白朮散

当帰白朮湯

麻黄五味湯

回春茵陳散など
参考資料
神農本草経ー上品
味苦平。治風濕寒熱邪氣。熱結黄疸。久服輕身益氣耐老。

薬徴
茵チン蒿、主治発黄也。

古方薬議
味苦平。熱結、黄疸、小便不利ヲ去リ、伏カヲ去ル。
その他
茵陳蒿は柴胡を含む漢方処方(大柴胡湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯など)に加える場合が多いです。

柴胡には肝臓や胆のうの炎症を取り除く作用があり、茵陳蒿と一緒に服用するとお互いの相互作用により、
より良い効果が期待できます。

茵陳蒿は虚弱体質の人や胃腸障害がある人が服用する場合は胃腸を保護する白朮や人参などの生薬と
一緒に服用する事をお勧めします。
参考文献
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑
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