牛蒡子 ごぼうし ゴボウシ |
和名、植物名 |
牛蒡 ごぼう ゴボウ 岐太岐須 きたきす キタキス 宇末不々木 うまふぶき ウマフブキ
鼠粘 そねん ソネン 大力子 だいりきし ダイリキシ |
生薬名 |
牛蒡子 ごぼうし ゴボウシ 悪実 あくじつ アクジツ |
学名 |
Arctium lappa |
分布 |
牛蒡はゴボウ属ーきく科に属する植物で、原産地はヨーロッパとされ、中国から日本に伝わった詳しい時期は不明ですが、
縄文時代の遺跡からゴボウらしきものが見つかっており、縄文時代又は平安時代と言われております。
学名の「Arctium lappa」ですが「Arctium」はギリシャ語で「アルクトス=熊」と言います。
「Arctium lappa」の名前の由来ですが
@・・・牛蒡の果実に棘が多く、熊の毛のように見えるから。
A・・・牛蒡の根に細かい根多く、熊の毛ように見えるから。
だそうです。
ちなみに「lappa」は牛蒡の意味です。
中国ではゴボウの種を「悪実(あくじつ)」と言い、名前の由来の一節でゴボウの実の殻には棘が多く、服や動物の毛に
引っかかり悪さをする実という意味で悪実の名前がつけられました。
牛蒡子が中国で薬用として使用されたのは古代中国の五胡十六国時代の医師、陶弘景(456〜536年)が書いた
「名医別録ー中品」に記載されています。
「名医別録ー中品」によると
「味は辛・平。目を明らかにし,中を補い,風傷を除く」と書かれています。
平安時代中期に書かれた日本最古の百科事典と言われる「倭名類聚抄」によると
「牛蒡。本草に言う悪実(アクジツ)は一名牛蒡。和名、岐太岐須(キタキス)。一に言う宇末不々木(ウマフブキ)。
今案ずるに俗に房となすは非也」 と書かれています。
牛蒡は平安時代より前から食されていたようです。
ゴボウの根を食するのは日本だけです。ヨーロッパではゴボウの葉をサラダにして食します。 |
特徴・形態 |
ゴボウの特徴ですが、草丈は約1.5メートルぐらいで、主根は多肉質でゴボウの種類によって異なりますが、
土の中にある長さは40センチから150センチぐらいです。
葉ですが葉は根生葉で、葉の形は心臓形で、葉の大きさは40センチぐらいあり、葉の裏側に白い綿毛があります。
花ですが花は7月ぐらいに紫色の花を咲かせます。花はアザミの花にに似ている。
種子はやや湾曲した倒長卵形のそう果で、種子の長さは5ミリぐらいで幅は3センチぐらいで種子の厚みは1センチぐらいです。
種子の外面の色は灰褐色〜褐色で、黒色の点があります。 |
成分 |
ゴボウの種子に含まれる成分としてパルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、オレイン酸などの脂肪油や食物繊維、 リグナン誘導体アクチゲニン、アクチイン、マライレジノール、ラッパオールなどが含まれており、 リグナン誘導体アクチゲニンには抗酸化作用や抗腫瘍効果があります。
ゴボウの根や牛蒡子に多く含まれる食物繊維には便通を促し、便秘解消に役立ちます。
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使用部位 |
ゴボウの種子(生薬名 牛蒡子) |
採取時期と管理・保存方法 |
ゴボウの種子の採取時期ですが、秋ごろに熟した種子を採取して日干し乾燥させます。 |
薬効、服用方法 |
牛蒡子は日本薬局方によると漢方処方用薬である。感冒や咽頭炎を治す処方に配合されている。
他に牛蒡子を服用すると発汗作用、消炎作用、去痰作用、抗腫瘍作用、解毒作用などがあり、腫れ物、むくみ、喉の痛み、
扁桃腺炎膿や老廃物を出す皮膚病、慢性的な皮膚病などに効果があります。
他にも子宮収縮作用もありますので、乳腺炎や催乳作用も期待できます。
牛蒡の根や牛蒡の種子には食物繊維が多く含まれていますので脂質代謝の改善、血糖値降下作用、便秘の改善なども
期待出来ます。
牛蒡子を煎じる場合は
牛蒡子約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は
取り除き、1日数回に分けて服用します。 (味が苦手な方は蜂蜜や甘味料などで甘味をつけても結構です。)
牛蒡子と他の薬草(重薬、艾葉、ヨクイニン、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて服用しても良いです。
牛蒡子の粉末の場合は
牛蒡子の粉末を1日量約3グラム〜6グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、お湯に混ぜて服用してください。
(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)
「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても結構です。
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牛蒡子と他の生薬との組み合わせ |
牛蒡子+蒲公英根・・・牛蒡子と蒲公英根を服用すると催乳を促します。
牛蒡子+桔梗根・・・牛蒡子と桔梗根を組み合わせることにより風邪やインフルエンザが原因の咽頭痛、咳、痰、排膿作用
などに効果があります。 (漢方薬・・・銀翹散、柴胡清肝湯、駆風解毒湯など)
牛蒡子+荊芥・・・牛蒡子と荊芥を組み合わせることにより解熱、排膿、痒みを抑える降下が期待できます。 (漢方薬・・・消風散、銀翹散、駆風解毒湯など)
牛蒡子+連翹・・・牛蒡子と連翹を組み合わせることにより排膿を促して腫れ物、できもの、腫瘍などの緩和を促します。 (漢方薬・・・柴胡清肝湯、駆風解毒湯など)
他に漢方薬と牛蒡子を組み合わせると初期の乳腺炎から中期程度の乳腺炎を解消します。
服用される人の体質によって漢方処方を使い分けます。
葛根湯+牛蒡子(発熱、炎症、肩こりがある、風を引いた時などの場合)
当帰芍薬散+牛蒡子(貧血、冷え性、肩こりがある、生理前の諸症状がある場合)
補中益気湯+牛蒡子(疲労困憊、体力低下などの症状がある場合)
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牛蒡子を含む漢方処方 |
消風散
銀翹散
柴胡清肝湯
駆風解毒散
牛蒡子湯 |
参考資料 |
「名医別録ー中品」
「味は辛・平。目を明らかにし,中を補い,風傷を除く」 |
その他 |
特になし |
参考文献 |
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑 |
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