延胡索 えんごさく エンゴサク
和名
延胡索 えんごさく エンゴサク
生薬名
延胡索 えんごさく エンゴサク 玄胡索 ゲンゴサク げんごさく 元胡索 ゲンゴサク げんごさく
学名
Corydalis turtschaninovii
分布
延胡索はキケマン属ーケシ科の多年草の植物で中国の各地で栽培、自生しておりますが、主な生産地は浙江省です。

延胡索が初めて収載されたのは中国、唐時代に書かれた「本草拾遺(739年)」で、この本には胸の痛みを緩和すると
書かれています。
時代が下って宋時代に書かれた「開宝本草」では産後の血が伴う諸病状や月経痛、月経不順などに用いられる。」と
書かれています。
他に同じく宋時代に書かれた「聖恵方」にも産後の主症状や婦人病に用いられると書かれています。

余談・・・唐時代の「本草拾遺」や宋時代に書かれた「開宝本草」や「聖恵方」などの本では延胡索を
お酒で煮て服用するように書かれています。(今は水又はぬるま湯で服用します。)

延胡索はいろいろな種類があります。

中国各地で見られる「延胡索(エンゴサク)」(主に浙江省で栽培)

日本の九州から本州および朝鮮半島から中国東北部に見られる「山延胡索(ヤマエンゴサク)」

九州から関東までの地域と台湾に見られる「次郎坊延胡索(ジロボウエンゴサク)」

北海道から東北の日本海側で見られる「蝦夷延胡索(エゾエンゴサク)」

近畿地方から関東地方に見られる「近畿延胡索(キンキエンゴサク)」
などがあります。

「蝦夷延胡索(エゾエンゴサク)」が中国種の延胡索に近いと言われます。

生薬として使用されるのは中国産の延胡索で、主に浙江省で栽培されています。

日本には山延胡索や近畿延胡索などが自生しており薬用として使用していましたが、江戸時代の享保年間に
中国より薬用として中国産の延胡索が渡来しました。

日本薬局方では中国産延胡索を医薬品として収載しています。

延胡索の花は早春に咲き、すぐに散ってしまうので別名「春の妖精」とも言われます。

余談・・・延胡索も昔は「玄胡索(ゲンゴサク)」と言われていましたが、宋の時代に「趙玄朗」と言う皇帝の玄の字と重なる
ので「延胡索」と改名させられました。他に「元胡索(ゲンゴサク)」とも言われていました。
玄胡索の名前の由来は「玄胡索」の「玄」は「黒色」を意味し、玄胡索の塊茎は黒色です。
「玄胡索」の「胡」は中国大陸から見て西側の国を意味し、「中国大陸の西域及び中東、欧州」から伝わった
生薬を意味します。
「玄胡索」の「索」は「細長い」を意味します。

余談・・・延胡索は中国大陸の西の大陸から伝わった植物と書きましたが、延胡索以外に「胡」の漢字がある植物は
「胡瓜(キュウリ)」、「胡椒(コショウ)」、「胡麻(ゴマ)」、「胡菜(コサイ=アブラナ)」、「胡桃(クルミ)」、「胡豆(コトウ=ソラマメ)」、
「胡蝶蘭(コチョウラン)」などが中国大陸の西側から伝わった植物です。

他に楽器も伝わっており、楽器では「二胡(ニコ)」、「胡弓(コキュウ)」も「胡」の文字が入っています。

他に「胡座(あぐら)」、「胡蜂(スズメバチ)」、「胡散臭い(うさんくさい)」にも「胡」も文字があります。

漢方薬の絶対必要な生薬の「柴胡」にも胡の文字があります。
(確か私の記憶では中国東北部が原産地だったと思うが?昔、朝鮮半島から見た中国東北部を胡と言ったなごりか?)
特徴・形態
延胡索の特徴として早春に細い茎を出します。早春に出す茎の草丈は10センチから20センチぐらいで、茎は繊細で
折れやすいのが特徴です。
その茎に長さ2センチから3センチぐらいほどの楕円形の葉が互生につきます。

3月終わりから4月頃には4枚の花びらからなる唇形の形をした赤紫色の花を横向きに咲かせます。

花が散った5〜6月頃になると新たな塊茎を作ります。塊茎が出来ると休眠時期に入ってしまいます。
塊茎は偏球形で直径が1センチから3センチぐらいの大きさで表面に茎の名残があります。
塊茎の表面は灰黄色又は灰褐色で、塊茎は固く、塊茎内部は黄色です。

延胡索の塊茎は半夏の塊茎に形が似ています。
成分
延胡索に含まれる成分はアルカロイドのイソキノリンアルカロイド、ブルボカプニン、テトラヒドロパルマチン、
コルダリン、プロトピン、テトラヒドロコプチシンなどが含まれています。

アルカロイドには胃酸分泌抑制作用、潰瘍治癒促進作用があり、テトラヒドロパルマチンには鎮痛、鎮痙作用が
あります。
コルダリンにも鎮痙作用があります。
使用部位
延胡索の塊茎(生薬名 延胡索(えんごさく エンゴサク)
採取時期と管理・保存方法
延胡索の採取時期は茎葉が枯れた5月から6月頃に塊茎を掘り出して水洗いをして、外皮を取り除き
沸騰したお湯の中に入れて、内部にある白色が黄色に変化したら取り出して日干し乾燥させます。
薬効、服用方法
延胡索は日本薬局方によると主として漢方処方用薬であり、婦人病とみなされる処方及びその他の処方に
少数例配合されている。

他に延胡索を服用すると鎮痛、鎮痙作用、駆オ血作用、通経作用などがあり、寒が原因の腹痛、月経痛、
下腹部痛、頭痛、胸焼けなどの痛みを緩和します。
他にも寒が原因で悪くなった血液の循環を改善して気分を明るくする作用もあります。

また、鎮痛鎮痙薬として消化器の潰瘍治療、胃腸薬の配合剤の原料とすることがある。


延胡索を煎じる場合は
延胡索約3グラムから5グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程
煎じて1日数回服用します。

延胡索と他の薬草(重薬、艾葉、ヨクイニンなど)と一緒に煎じて服用しても良いです。

延胡索の粉末を服用する場合
延胡索の粉末を1日1グラムから3グラム(小さじ1/3杯から小さじ半分)ぐらいを目安に水またはぬるま湯で
1日数回服用するか、お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)

「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても結構です。
延胡索と他の生薬との組み合わせ 
延胡索+当帰・・・延胡索と当帰を組み合わせると寒が原因の月経困難症、月経痛、月経時の下腹部痛の緩和が
期待できます。
(漢方処方・・・折衝飲、牛膝散、きゅう帰調血飲第一加減、烏苓通気散、神効湯など)

延胡索+芍薬・・・延胡索と芍薬を組み合わせると寒が原因の月経困難症、月経痛、月経時の下腹部痛の緩和が
期待できます。
(漢方処方・・・折衝飲、牛膝散、きゅう帰調血飲第一加減、烏苓通気散など)

延胡索+センキュウ・・・延胡索とセンキュウを組み合わせると寒が原因の月経困難症、月経痛、月経時の下腹部痛の
緩和が期待できます。
(漢方処方・・・折衝飲、きゅう帰調血飲第一加減、烏苓通気散など)

延胡索+茴香・・・延胡索と茴香を組み合わせると胃酸の分泌を調整して胃炎や胃酸過多の症状の緩和が期待できます。
(漢方処方・・・安中散、安中散加茯苓、枳縮ニ陳湯、神効湯など)

延胡索+良姜・・・延胡索と良姜を組み合わせると胃酸の分泌を調整して胃炎や胃酸過多の症状の緩和が期待できます。
(漢方処方・・・安中散、安中散加茯苓など)


延胡索+牡丹皮+桃仁・・・延胡索と牡丹皮と桃仁を組み合わせると子宮疾患や月経量が多いなどの止血作用が
期待できます。
(漢方処方・・・折衝飲)
延胡索を含む漢方処方
折衝飲

安中散

牛膝散

きゅう帰調血飲第一加減

烏苓通気散

枳縮ニ陳湯

神効湯
参考資料
本草拾遺、開宝本草、聖恵方
その他
延胡索は妊婦は禁忌です。
参考文献
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑
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