貝母、ばいも、バイモ | |
基原植物和名 | |
編笠百合、あみがさゆり、アミガサユリ、春百合、はるゆり、ハルユリ | |
生薬名 | |
貝母、ばいも、バイモ | |
基原植物学名(ラテン語名) | |
Fritillaria verticillata var.thunbergii | |
生薬英語名 | |
Fritillaria Bulb | |
植物英語名 | |
Fritllary | |
分布 | |
編笠百合(あみがさゆり)はバイモ属ーゆり科に属する植物で、原産地は中国です。 日本では切り花や鉢植え用などに栽培される多年草の植物です。 近年ではアミガサユリの仲間が園芸用、観賞用に栽培されています。 アミガサユリの名前の由来は花の内側に編み笠のような紋章があるのと葉が百合に 似ているのでこう言われます。(編笠は時代劇で虚無僧が被っている被り物です。) 生薬名の貝母の由来はアミガサユリの鱗茎の形がハマグリなどの貝に似ており、 その貝が抱き合っているようににも見えます。 抱き合っている貝が母親が子供を抱くような姿に見えるので貝母と言います。 貝母は日本薬局方に記載されています。 貝母は神農本草経の中品に記載されており、内容として 「主傷寒煩熱、淋瀝邪気、疝瘕、喉痺、乳難、金創風痙。一名空草。」 と書かれています。 江戸時代の学者の貝原益軒が書いた書物の「大和本草(1708年)」によると、 貝母はハルユリの名前で書かれています。 春百合(ハルユリ)はユリ科の植物の中で一番早く花を咲かせます。 |
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特徴・形態 | |
アミガサユリの特徴ですが茎葉の色は淡い緑色で、茎は直立して成長し、 茎の高さは50センチぐらいの大きさに成長します。 土の中にできる鱗茎は白色で肉厚のある鱗茎で、鱗茎同士が抱き合っているような形を した球形で成長します。 葉は柄が無く3枚から4枚づつの輪生状につきますが、葉がつく場所は規則性がなく、 ズレてつく場合もあります。 葉の長さは10センチぐらいで先は尖っており、葉先は反り返っております。 茎の上部にできる葉の先は外側に巻いています。 花ですが春先頃に上部の葉腋に黄色味を帯びた淡い花を下向きに咲かせます。 花の形は鐘形で、花の大きさは3センチぐらいです。 花びらは6枚で、花弁の外側には緑色のすじがあり、花弁の内側には紫色をした 網目状の紋があります。 |
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成分 | |
アミガサユリの鱗茎に含まれる成分はアルカロイドのフリチリン、バーナシン、バーチシリン、 アポバーチシン、フリチラリンやステロイドアルカロイドのペイミンなどが含まれております。 |
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使用部位 | |
アミガサユリの鱗茎 (生薬名 貝母(ばいも バイモ))(日本薬局方) |
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採取時期と管理・保存方法 | |
アミガサユリは3月から4月の春先に花を咲かせ、花が散った5月から6月ぐらいに 茎や葉が枯れます。 その頃に地下から鱗茎(球根)を掘り出して、コルク皮の鱗片を取り除いてから水洗いを してから日干し乾燥します。 石灰を塗ってから乾燥させる場合もあります。 貝母は新しく、色が白色の度合いが多い生薬が推奨されます。 |
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薬効、服用方法 | |
貝母は日本薬局方によると漢方処方用薬である。鎮咳、去痰、消炎を目的とした 処方に配合されている。 他に貝母を服用すると排膿、催乳などの効能、効果があります。 貝母を煎じる場合は 貝母約1グラムから5グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で 15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は取り除き、1日数回に分けて 服用します。 貝母と他の薬草(重薬、艾葉、ゲンノショウコなど)と一緒に煎じて服用しても良いです。 貝母の粉末の場合は 貝母の粉末を1回量約1グラム~2グラムを目安に水またはぬるま湯で1日数回服用するか、 お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。) 「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで 服用しても結構です。 貝母の粉末を単独で服用しても良いが、牛乳、野菜ジュース、スープなどに混ぜて 服用しても良いですし、小麦粉と混ぜて料理に使用されても結構です。 |
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生薬との組み合わせ | |
貝母+杏仁・・・貝母と杏仁を組み合わせることにより去痰作用を高めます。 (漢方処方・・・清肺湯) 貝母+陳皮・・・貝母と陳皮を組み合わせることにより去痰作用を高めます。 (漢方処方・・・清肺湯、滋陰至宝湯) |
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貝母を含む漢方処方 | |
清肺湯 滋陰至宝湯 瓜呂枳実湯 当帰貝母苦参丸 など |
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参考資料 | |
神農本草経ー中品 「主傷寒煩熱、淋瀝邪気、疝瘕、喉痺、乳難、金創風痙。一名空草。」 |
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その他 | |
貝母は少量服用から始められることを希望します。 | |
注意事項 | |
①本品は天然物(生薬)で性質上吸湿しやすいものがあります。 そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する 原因になることがあります。 ②開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。 ③本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、 食べたりしないようにご注意ください。 ④幼児の手の届かない所に保管してください。 ⑤他に容器に入れ替えないで下さい。 (誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。) |
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参考文献 | |
北隆館ー原色牧野和漢薬草大図鑑 | |
貝母(バイモ)の写真 | |
編笠百合ーアミガサユリー花 | 貝母ーバイモー鱗茎 |