腎臓は体内を循環したいる血液から老廃物を濾過して尿を作ったり、体内の水分量を一定に保つなどの大変重要な臓器です。
血液は腎臓にある糸球体(毛細血管の塊)で濾過されて原尿が作られます。
原尿
中の体に必要な成分や水分は尿細管を通るときに殆ど(約99%)が再吸収されます。
そして再吸収されなかった残りの老廃物、有害物質、要らない水を尿として排泄しています。

腎臓の役目は
@必要な栄養分を吸収し老廃物を排泄します。
A水、塩分のバランスを保ちます。
B血圧を調節するホルモンのバランスを保ちます。
C赤血球に関係する造血ホルモンを作ります。
Dカルシウムの吸収を助ける。
EビタミンDを活性化します。

急性腎炎(急性糸球体腎炎)
急性腎炎は糸球体が急性の炎症を起こした状態です。
原因は風邪、扁桃腺炎などが患った後にその感染源となった細菌にたいする免疫反応によって腎炎を起こす事が多いようです。
症状は浮腫、蛋白尿、血尿、血圧の上昇、乏尿などがみられます。
ほとんどが1〜3ヶ月程で治りますが中には慢性腎炎へ移行することもあります。

慢性腎炎

慢性腎炎とは1年以上腎臓に慢性の炎症が起きている状態です。
急性腎炎から移行したタイプと、急性期がはっきりせず検診などで慢性腎炎と診断されるタイプがありますが年をとると後者のほうが
多いようです。
組織学的には次のように分けられます。
糸球体のメサンギウム細胞が増殖する結果、濾過機能が低下する状態を
増殖性腎炎
と言います。
(慢性腎炎の中で最も多いタイプです。)
糸球体の濾過膜が厚くなるため濾過機能が低下する膜性腎炎や糸球体のメサンギウム基質が増大する結果糸球体の構造が破壊
されてしまう硬化性腎炎に大きく分けられます。


原因は
糸球体の免疫反応、血液循環の障害、高血圧などが複雑に関与して腎炎の進行を促進すると言われます。

症状は蛋白尿、血尿、浮腫、高血圧などがありますが初めは殆ど自覚症状が無く、自覚症状が出てきたときには既に病状が進んで
いるというケースが多く見られます。慢性腎炎が進行すると多量の蛋白尿がでて浮腫を起こす、ネフローゼ症候群となるものも
あります。
又腎臓の機能が低下すると貧血、高血圧、骨粗しょう症など様々な全身症状が現れてきます。


ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群とは高度の蛋白尿(成人で1日3.5g以上)、低蛋白血症(血清総蛋白6.0g/dl以下又は血清アルブミン3.0g/dl以下)
や浮腫などがみられる状態です。又、高脂血症(血清総コレステロール250r/dl以上)が伴うこともあります。

原因は慢性腎炎の場合が多く他には糖尿病性腎症、ループス腎炎、アミロイド腎、薬物、感染症などからも起こります。

症状は高度の蛋白尿、低蛋白血症、浮腫、高脂血症、尿量減少、血尿などがあります。

急性腎不全
急性腎不全とは様々な原因により急激に腎機能が低下する状態です。

原因は心臓、肝臓、肺など他の器官の病変から起こるものや、
腎臓自体の病変から起こるもの、尿路結石や腫瘍などによる尿路閉塞から起こるもの、又薬の長期服用など薬物により腎臓の負担
になることから起こるものなどがあります。

症状は乏尿、高窒素血症、低ナトリウム血症、高カリウム血症、貧血、高血圧、心不全、吐血、下血など様々です。

慢性腎不全
慢性腎不全とは長期間慢性の腎臓病が進行した結果腎臓の働きが30%以下に低下した状態です。
さらに腎機能が正常の5%以下となり全身に様々な症状をきたした病態を尿毒症といい、安静、食事療法をしても様々な尿毒症症状が
現れる時には人工透析が必要になります。

原因は慢性腎炎のよるものが多いです。他には糖尿病性腎症、腎硬化症、慢性腎盂腎炎、アミロイド腎、痛風腎、妊娠腎、ループス
腎炎などによります。

症状は腎機能の低下と共に尿量減少、高窒素血症、電解質異常高血圧、食欲低下、貧血、浮腫などにみられます。

その他の腎臓病
◎糖尿病性腎炎・・・・糖尿病の合併症により、腎障害が起こった病態です。
◎痛風腎・・・・・・・・・・痛風の合併症により、腎障害が起こった病態です。
◎妊娠腎・・・・・・・・・・妊娠中毒症により、腎障害が起こった病態です。
◎腎盂腎炎・・・・・・・・腎盂、腎胚、腎実質が細菌に感染して炎症を起こした状態です。
◎腎硬化症・・・・・・・・動脈硬化や高血圧により腎臓が硬く変化した状態です。

尿蛋白 陰性(−)5〜10r/dl以下
潜血反応 陰性(−)
尿量 男性 1500〜2000ml/日 
女性 1000〜1500ml/日 
血中尿素窒素(BUN) 8〜20r/dl
クレアチニン 0.7〜1.3r/dl
総コレステロール 128〜230r/dl
尿酸 男性 4.0〜7.0r/d
女性 3.0〜5.5r/d

※医療機関によって正常参考値、単位が異なる場合があります。

●疲労、ストレスを溜めないようにしましょう。
●日頃の体調管理が大切です。風邪などひかないようにしましょう。
●初期には自覚症状が少ないです。早期発見のためにも定期健康診断を受けましょう。
●タバコ、アルコールは控えましょう。
●高血圧症、糖尿病のある人は合併症として腎臓障害が起こる事が有るため注意しましょう。
●食事療法は非常に大切です。塩分を摂りすぎないようしましょう。又病態によってタンパク質や脂肪、水分制限は変わってきます。
●細菌感染が原因にもなるので、体を清潔に保ちましょう。

五苓散
(ゴレイサン)

(第2類医薬品)
口渇、尿量減少、浮腫、蛋白尿などのある人。心窩部の振水音を認める事が
あります。
悪心、嘔吐、頭痛等の症状を伴う事があります。
柴苓湯
(サイレイトウ)
(第2類医薬品)
胸脇苦満、尿量減少、浮腫、蛋白尿、口渇、嘔吐、頭痛、微熱などを伴うことが多くある人。
心窩部の振水音を認める事があります。
八味地黄丸
(ハチミジオウガンリョウ)
(第2類医薬品)
中年以降の人に用いられる事が多く、下半身の脱力感、夜間の頻尿、尿量異常、口渇
等のある人。
糖尿病高血圧症からによる腎臓障害にも用います。
猪苓湯
(チョレイトウ)
(第2類医薬品)
排尿痛、残尿感、尿量減少、血尿、蛋白尿などが見られ、発熱を伴う事も有ります。
膀胱炎に続発する腎盂炎に使われる事が多いです。
当帰芍薬散
(トウキシャクヤクサン)
(第2類医薬品)
妊娠中毒症で浮腫、蛋白尿、高血圧のあるものに良いです。
貧血、四肢冷感を
伴う事もあります。
越婢加述湯
(エッピカジュツトウ)

(第2類医薬品)
実証で浮腫、口渇、尿量減少などが観られる人。急性の腎炎などに用いられる事が
多いです。
小青竜湯
(ショウセイリュウトウ)
(第2類医薬品)
初期のネフローゼ腎炎の浮腫に用います。又感冒などでまだ咳嗽が残り、浮腫
あるものに
用いる事があります。
七物降下湯
(シチモツコウカトウ)
(第2類医薬品)
虚証で高血圧症、特に最低血圧が高い人の腎炎又は腎硬化症に用いる事が
あります。
◎以上が良く使われる漢方処方で 煎じ薬 1日分 約250円+税〜550円+税
                      粉末  1日分 約180円+税〜350円+税です。
ニワトコ
(生薬名:接骨木)
(第2類医薬品)
茎にはトリテルペノイドやタンニンを含み利尿、鎮痛、消炎作用が
あるため、浮腫、腎炎などに用います。

1日量約.10gを水600〜800ccで煎じてお茶代わりに常用します。
ニワトコ(茎)
500g 1,000円+税
ウツボグサ
(生薬名:夏枯草)
(第3類医薬品)
花穂にはトリテルペノイドやタンニン、アルカロイド、多量の塩化
カリウムなどを含み、利尿、消炎、抗菌作用がある為、
浮腫、腎炎、
膀胱炎などに用います。

1日量約.10gを水600〜800ccで煎じてお茶代わりに常用します。
ウツボグサ(花穂)
500g 1,750円+税
南蛮毛
(ナンバンゲ)

(第3類医薬品)
「トウモロコシの毛」と呼ばれる毛状の花柱には硝酸カリウムなどを
含み、利尿作用がある為腎臓疾患、膀胱炎、浮腫などに用います。

1日量約.10gを水600〜800ccで煎じてお茶代わりに常用します。
南蛮毛(果毛)
500g 1,500円+税
キササゲ
(生薬名:梓実)
(第2類医薬品)
果実にはカタルポサイドやカリウム塩などを含み、利尿作用がある
為、腎炎、ネフローゼ、浮腫などに用います。

1日量約.10gを水600〜800ccで煎じてお茶代わりに常用します。
キササゲ(果実)
500g 1,500円+税
芭蕉根
(バショウコン)
(第2類医薬品)
根茎には利尿、止渇、解毒作用がある為、浮腫などに用いられます。
漢方処方に加える事が多いです。

1日量5gを煎じて飲みます。
芭蕉根(根茎)
500g 3,000円+税
ウワウルシ
(第2類医薬品)
葉にはアルブチン、クエルセチンなどを含み、殺菌、利尿作用がある為
腎盂炎、腎炎、膀胱炎、尿道炎等に用います。

1日量約.10gを水600〜800ccで煎じてお茶代わりに常用します。
ウワウルシ(葉)
500g 1,500円+税
その人によって症状や体質は異なります。
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