藤豆 紫花 
 
藤豆 紫花 莢
 
藤豆 白花 
 
藤豆 白花 莢 
 
扁豆、白扁豆
種子
 
 
扁豆 へんず ヘンズ 白扁豆 びゃくへんず ビャクヘンズ
和名、植物名
藤豆 ふじまめ フジマメ 千石豆 せんごくまめ センゴクマメ
生薬名
扁豆 へんず ヘンズ 白扁豆 びゃくへんず ビャクヘンズ
学名
Dolichos lablab
分布
藤豆はアフリカ原産のつる性植物で、世界各地で栽培されています。

日本では莢を食用として西日本で栽培されており、藤豆の名前の由来は花が藤の花穂に似ているのでこう言われます。
他に千石豆の由来ですが、豆の収穫量が多いのが名前の由来や千石豆は莢の形が千石船に似ているのでこう言われる
説もあります。

生薬の扁豆の名前の由来は豆の形が扁平な形をしているのでこう言われます。

余談・・・江戸時代から大正時代まで越後の女性が「越後の毒消し」、「毒消丸」という薬を関東地方、東北地方、北海道まで
薬売りをしておりました。

当時の人々は「越後の毒消し」、「毒消丸」を売っている女性行商人を「毒消し売り」と呼んでいました。

越後の毒消しには「菊名石(きくめいし、イシサンゴの一種)」、「扁豆」、「硫黄」、「天花粉」、「甘草」が配合されておりこれらを
粉末にしてから丸薬に加工して販売しておりました。

効能、効果は食あたり、水あたりに効果があったようです。

莢は天ぷらや和え物にして食することが出来ます。豆も食することが出来ますが、料理の際は何度かの加熱、水の入れ替えが
必要です。
豆は東南アジアではよく食べられています。
特徴・形態
藤豆の特徴ですが茎は蔓性で他の木や建物などに巻き付いて成長します。
茎の長さは最長で5メートルをゆうに超える場合もあります。

葉ですが、葉は互生し、3出複葉で全縁で両面にまばらですが毛があります。

花ですが花期は7月から8月に総状花序をえき生し、花の色が白色または紫色で蝶のような形をした蝶形花を節ごとに2個から
5個づつ咲かせます。

莢が緑色の場合は白い花、莢が紫色の場合は紫色の花を咲かせます。

種子ですが、種子は豆果で形は扁平で豆果の先はくちばしのように尖っています。
豆果の色は紫色と緑色があり、豆果に含まれる種子は2個から5個ぐらいが含まれており、種子の色は白色、赤紫色、黒色
などが含まれています。
豆果の長さは1センチから5センチぐらいで幅は5ミリから1センチぐらい、豆果の厚みは5ミリぐらいで色は黄色みを帯びた
白色から淡い黄色で、豆果には艶があり、一辺に隆起する白色の半月形の種枕があります。豆果の質は堅いです。
成分
藤豆の種子に含まれる成分は青酸配糖体、ブドウ糖、ショ糖、スチグマステロールなどが含まれています。
使用部位
藤豆の種子(豆果)(生薬名 扁豆 へんず ヘンズ 白扁豆 びゃくへんず ビャクヘンズ)

藤豆の種皮(扁豆衣 へんずい ヘンズイ)

藤豆の葉(扁豆葉 へんずよう ヘンズヨウ)

藤豆の蔓(扁豆藤 へんずとう ヘンズトウ)

藤豆の根(扁豆根 へんずこん ヘンズコン)
採取時期と管理・保存方法
藤豆の採取時期は10月から11月頃に熟した豆果を採取して日干し乾燥させます。
薬効、服用方法
扁豆には健胃、解毒作用があり、扁豆を服用すると下痢、嘔吐、浮腫、胃弱などに効能、効果があります。

扁豆を煎じる場合は
扁豆約2グラムから5グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程煎じて、煎じ終われば薬草は
取り除き、1日数回に分けて服用します。

扁豆と他の薬草(艾葉、ゲンノショウコ、重薬など)と一緒に煎じて服用しても良いです。
扁豆と他の生薬との組み合わせ
特に無し
扁豆を含む漢方処方
参苓白朮散
参考資料
特に無し
その他
特に無し
参考文献
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑
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