和独活 わどっかつ ワドッカツ 和羌活 わきょうかつ ワキョウカツ |
和名 |
独活 うど ウド つちたら ツチタラ
猪独活 ししうど シシウド ウドタラシ |
生薬名 |
和独活 わどっかつ ワドッカツ
唐独活 とうどっかつ トウドッカツ
和羌活 わきょうかつ ワキョウカツ |
学名 |
Aralia cordata |
分布 |
独活(うど)はタラノキ属ーうこぎ科の属する植物で、分布地として北海道から九州の日本各地と朝鮮半島
から中国の山野に生えています。後、畑などでも栽培されている多年草の植物です。
猪独活(ししうど)はシシウド属ーせり科に属する植物で、分布地として日本の本州、四国、九州の
日当たりが良く、湿気の多い山地に生える大形多年草です。シシウドは日本特産種です。
ウドは山菜として有名で、一般には薬用より食用のほうが有名と思います。
春先に地面より10センチほど芽を出した新芽のウドを食すると香りが強く美味と言われます。
東洋医学ではウドの根茎を「和独活(ワドッカツ)」と言い、ウドの根を「和羌活(ワキョウカツ)」と言います。
他に猪独活(シシウド)も「独活」と言います。
「独活(ウド)」と「猪独活(シシウド)」の違いですが
独活(ウド)・・・・タラノキ属ーウコギ科の植物で日本薬局方に記載されており、当店では「和独活」として
漢方処方に調合している。
猪独活(シシウド)・・・・シシウド属ーせり科の植物で、当店では「唐独活」として漢方処方に調合している。
ウドは春先に和え物や天ぷらに料理をして食しますが、シシウドは猪しか食べないと言われ、「シシウド」と
名付けられたようです。
独活、羌活共に中国最古の薬物学(本草学)書と言われる神農本草経に記載されています。
神農本草経ー上品によれば
「一名羌活。一名羌青。一名護羌使者。味苦平。生川谷。治風寒所撃。金創。止痛。賁豚癇痙。
女子疝カ。久服輕身耐老。」と書かれています。
日本では独活は江戸時代中期に書かれた「本朝食艦」によると
「ウドは高さ4から5尺あるいは7〜8尺より1丈余り伸びた時は食べてはいけない。」と書かれています。
ウドの新芽や若葉、若い茎は柔らかくて春の山菜として食用になりますが、大きく成長すると硬くて食用にはなりません。
この言葉が「ウドの大木」の語源になったかもしれません。
後、ウドは「木」では無く「草木」なので材木にはなりません。
江戸時代末期に書かれた「本草綱目啓蒙」によると独活はシシウドの根、羌活はウドモドキの根と
書かれています。
又、川柳では「吉野椀 短冊独活に桜鯛」と詠まれています。
日本にはセリ科の植物で薬用となる植物が沢山自生しています。
セリ科の植物はシシウド(生薬名 独活)、防風(ボウフウ)、当帰(トウキ)、ノダケ(生薬名 前胡(ゼンコ))、
ヤブジラミ(生薬名 蛇床子(ジャショウシ))などが自生しています。 |
特徴・形態 |
ウドの特徴として草丈は1メートル50センチから2メートルほどで茎は直立状態で成長します。
茎の形は太い円柱形で茎に毛があります。茎の色は緑色でこの太い茎から枝が多数枝分かれします。
ウドの根茎は地中に湾曲した塊状になっています。
葉は互生し、葉は長柄で2回羽状複葉です。小葉は卵形で、葉のふちにきょ歯縁があり、全草に毛があります。
花期は夏から秋で茎の上部に小さな花を大形散形状に多数咲かせます。花の色は淡緑色で花びらは
5枚の小花です。ウドは雌雄異株です。
果実は小球形の液果の核果で熟すと黒くなります。
シシウドの特徴として草丈は1メートルから2メートルぐらいで茎は太く円柱形で、茎は直立して大きくなり、
茎の上部で枝分かれします。
葉は大きく3回羽状複葉です。小葉は卵形で葉柄の基部は茎を抱きます。
花は8月から10月の夏から秋で枝先から大きい複散形花序をつけ、多数の白色の小花を咲かせます。 |
成分 |
独活に含まれる成分として根茎および根に精油成分のリモネン、サビネン、ミルセン、テルピネン、
αーピネン、ジテルペン酸、アミノ酸、アルカロイド、アスパラギン酸などが含まれています。
猪独活に含まれる成分として精油、クマリン誘導体、アンゲリコール、アンゲリカ酸、パルミチン酸、
アンゲリコリン、ウンベリフェロン、スコポレチンなどが含まれています。 |
使用部位 |
根茎・・・和独活(わどくかつ ワドクカツ)、唐独活(とうどっかつ トウドッカツ)
根・・・(和羌活 わきょうかつ ワキョウカツ) |
採取時期と管理・保存方法 |
独活や猪独活の根および根茎の採取時期として10月から11月に根及び根茎を掘り出してます。
根茎は上皮を剥いで水洗いをして土を取り除いて日干し乾燥します。
根は水洗いをして土を取り除いて日干し乾燥します。 |
薬効、服用方法 |
羌活は日本薬局方によると漢方処方用薬である。感冒や頭痛、関節炎を治す処方に配合されている。
他に独活、羌活を服用すると発汗、解熱、鎮痛作用が期待でき、神経痛、筋肉痛、関節痛、
手足の痺れ、痙攣、リュウマチ、風邪、頭痛、発熱、悪寒などの症状の緩和が期待できます。
独活と羌活の効能効果の違いですが、独活は下半身に診られる関節痛、神経痛、足のシビレ、
リュウマチなどの症状や風邪症状などに用いられます。 風邪症状に用いる場合は羌活のほうが発汗、解熱作用に優れているので、併用又は羌活に切り替えて 使用します。
羌活は上半身にに診られる関節痛、神経痛、足のシビレ、リュウマチなどの症状や悪寒、発熱、頭痛などの 風邪症状などに用いられます。 風邪症状に用いる場合は羌活のほうが発汗、解熱作用に優れているので、独活と併用又は単独で 使用します。
独活、羌活を煎じる場合は
独活、羌活約5グラムから10グラムを水600ccから800ccの中に入れて弱火で15分から20分程
煎じて1日数回服用します。
独活、羌活と他の薬草(重薬、艾葉、ゲンノショウコ、ヨクイニンなど)と一緒に煎じて服用しても良いです。
独活、羌活の粉末を服用する場合
独活、羌活の粉末を1日1グラムから2グラム(小さじ1/2杯から1杯)を目安に水またはぬるま湯で
1日数回服用するか、お湯に混ぜて服用してください。(小さじ半分ぐらいが約1グラムです。)
「粉末が咽喉に引っかかる」、「味が苦手」などの支障がある場合はオブラードに包んで服用しても
結構です。 |
独活の入浴剤 |
独活を薬湯として利用すれば血行を促進して筋肉の緊張を和らげ、痛みの解消に役立ち、
神経痛、関節痛、腰痛、肩こり、リュウマチなどの軽減や改善に非常に効果があります。
独活の入浴剤の作り方は
独活約30グラムを布袋に入れます。(布袋は巾着袋でも、使い古した靴下でも、ストッキングでも
構いません。)
布袋に入れた独活を約1リットルぐらいの水と一緒にお鍋かやかんに入れ約15〜20分程煮出し、
煮出し終われば布袋ごと浴槽に入れて下さい。(入浴中に布袋を揉むと成分がよく出ます。)
薬草の入浴剤の注意点
@・・・お風呂から出る時には必ず薬草のエキスをシャワーで洗い流して下さい。
薬草のエキスが身体に付着したままにしておくと人によって症状がひどくなる場合があります。
A・・・当日使った薬草の湯は翌日には使用しないでください。当日使った入浴剤は必ず入浴後に
処分してください。
B・・・お風呂の残り湯を洗濯機で使用する場合は衣類に薬草の色が付着する場合がありますので
注意してください。 |
生薬の組み合わせ |
独活+防風・・・・独活と防風を組み合わせることにより発汗を促して解熱、鎮痛作用が期待できます。 (漢方処方 十味敗毒湯)
独活+羌活・・・・独活と羌活を組み合わせることにより身体全体の解熱、鎮痛作用が期待できます。 (漢方処方 独活湯、 清上ケン痛湯、荊防敗毒散)
羌活+川キュウ・・・羌活と川キュウを組み合わせると上半身、特に顔や頭などを解熱と発汗、血行促進 を促して鎮静と痛みを緩和させます。 (漢方処方 川キュウ茶調散 大防風湯) |
独活、羌活を含む漢方処方 |
独活を含む漢方薬
十味敗毒湯 独活湯 葛根独活湯 清上ケン痛湯 荊防敗毒散
羌活を含む漢方薬
疎経活血湯 独活湯 清上ケン痛湯 荊防敗毒散 川キュウ茶調散 大防風湯 |
参考資料 |
神農本草経ー上品
「一名羌活。一名羌青。一名護羌使者。味苦平。生川谷。治風寒所撃。金創。止痛。賁豚癇痙。
女子疝カ。久服輕身耐老。」 |
その他 |
特に無し |
参考文献 |
北驫ルー原色牧野和漢薬草大図鑑 |
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