加味解毒湯(カミゲドクトウ) |
生薬構成 |
滑石 3.0 黄連 2.0 黄芩 2.0 黄柏 2.0 山梔子 2.0 柴胡 2.0 茵蔯蒿 2.0 龍胆 2.0 木通 2.0 升麻 1.5 甘草 1.5
灯心草 1.5 大黄 1.5 |
加味解毒湯原文 |
【寿世保元・巻三・五疸】
「一治發黄症、身口倶發如金色、小便如濃煮柏汁、諸藥不效。」 |
加味解毒湯解説 |
加味解毒湯ですが、名前の通り黄連解毒湯に多数の生薬を組み合わせた漢方薬と言えます。
加味解毒湯には黄連解毒湯+三黄瀉心湯+茵蔯蒿湯+乙字湯除当帰などがミックスされ、構成されている漢方薬です。
寿世保元には黄疸や身体が黄色の如くなったり、色が濃い小便が出たり、他の薬で効果が無い場合に用いなさい。」と書かれています。
厚生労働省の一般用漢方製剤承認基準の効能、効果には「小便がしぶって出にくいもの、痔疾(いぼ痔、痔痛、痔出血) 」
と書かれていますが、黄連解毒湯の適応症、三黄瀉心湯の適応症、茵蔯蒿湯の適応症、乙字湯の適応症に用いることが出来ます。 |
加味解毒湯適応症 |
加味解毒湯の適応症は
小便がしぶって出にくいもの
痔疾(いぼ痔、痔痛、痔出血)
黄連解毒湯の適応症
三黄瀉心湯の適応症
茵蔯蒿湯の適応症
乙字湯の適応症
に用いることが出来ます。 |
各種生薬の役割 |
黄連解毒湯を構成している四薬にはすべて消炎作用があります。
主薬の黄連には消炎、解熱、健胃、下痢止め、鎮静、心下の痞えなどを解消する作用があります。
黄ゴンには消炎、解熱、下痢止め、吐き気止めの作用があり、裏熱、心下部の違和感を取り除きます。
黄柏には消炎、利尿、止血、健胃作用があります。
山梔子には消炎、利尿、鎮静、止血作用があり、黄疸の原因となる血中ビリルビンを減少させる作用もあります。
黄連と黄ゴンの組み合わせた処方を「瀉心湯」と呼び、「半夏瀉心湯」、「生姜瀉心湯」、「甘草瀉心湯」、「三黄瀉心湯」、「黄連解毒湯」、「黄連阿膠湯」、
「葛根黄連黄ゴン湯」などがあります。
黄連と黄ゴンが組み合わされることにより炎症、充血、不安、心下痞を取り去ります。
茵チン蒿は消炎、利尿、胆汁分泌促進作用により黄疸を取り、山梔子は消炎効果により胸のつかえを取り肝臓機能向上により利尿を増やします。
大黄は便通をよくする事により裏熱を取ります。
茵チン蒿、山梔子、大黄の三薬が一体となり、まず大黄が熱を取り、次に山梔子が尿量を増やし、茵チン蒿が黄疸を除きます。
柴胡には肝臓や胆のうの炎症を取り除く作用があり、茵陳蒿と一緒に服用するとお互いの相互作用により、より良い効果が期待できます。
他に柴胡は升麻と組み、升提と下焦の湿熱を取る作用があります。
甘草には滋潤、鎮痛作用があります。 |
参考処方 |
特に無し |
加味解毒湯の服用方法 |
煎じる加味解毒湯の服用方法
煎じる加味解毒湯の服用方法ですが1日分(1袋)をアルミ鍋又はガラス鍋、ヤカンに入れて、そこに水600ccを入れます。
水と煎じ薬が入った容器を弱火で約30分ほど煎じます。
煎じ終われば漢方薬が入った袋を取り出してから滓を漉し、1日3回、出来れば人肌程度の温かい煎じ液を食前(食事の60分前)又は
食間(食事と食事の間、食後約2時間)に服用してください。
(漢方薬によっては冷たくして服用する場合もあります。胃腸の調子が良くない場合は食間服用をおすすめします。)
「味が苦手」、「飲みにくい」場合は蜂蜜などの甘味料を加えても結構です。
一般医薬品や医師より処方された薬を服用されている場合は60分以上間を空けてから服用してください。 |
注意事項 |
下記の人は絶対服用しないでください。
① 生後3ヶ月未満の乳幼児には絶対服用させないでください。
注意事項ですが
(1)・・・次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること
①・・・血圧の高い人又は高齢者。
②・・・心臓又は腎臓に障害のある人。
③・・・むくみのある人。
④・・・今までに薬により発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
⑤・・・妊婦又は妊娠していると思われる婦人。
⑥・・・医師の治療を受けている人。
(2)・・・服用に際して、次のことに注意すること
①・・・定められた用法・用量を厳守すること。
②・・・小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させること。
③・・・煎じ液は必ず熱いうちにかすをこし去ること。
④・・・本剤は、必ず1日分ずつ煎じ、数日分まとめて煎じないこと。
(3)・・・服用中又は服用後は、次のことに注意すること
①・・・本剤の服用により、発疹・発赤、かゆみ等の症状が現れた場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること。
②・・・本剤を服用することにより、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、血圧が高くなる、頭痛等の症状が現れた
場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること。
③・・・ 1ヶ月位服用しても症状の改善が見られない場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること。
④・・・長期連用する場合には、医師又は薬剤師に相談すること。
(4)保管及び取り扱いの注意事項
①・・・本品は天然物(生薬)で性質上吸湿しやすいものがあります。そのため保存には十分ご注意ください。保存が悪いとカビ、虫害等の発生する
原因になることがあります。
②・・・開封後は直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい場所に保管してください。
③・・・本品には品質保持の目的で脱酸素剤を入れておりますので、一緒に煎じたり、食べたりしないようにご注意ください。
④・・・幼児の手の届かない所に保管してください。
⑤・・・他に容器に入れ替えないで下さい。(誤用の原因になったり品質が変わる場合があります。)
⑥・・・煎じ液は腐敗しやすいので、冷暗所又は冷蔵庫等に保管し、服用する時にに再加熱してから服用してください。 |
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